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ソーテック大辺社長、「1000万円という解決金ならのめるし、不正競争防止法に抵触していないということでアップル側も訴えを取り下げた」

2000年01月17日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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(株)ソーテックは14日、同社のパソコン『e-one 433』の工業デザインをめぐるアップルコンピュータ(株)との争いで、和解が成立したと発表した。そしてこの和解を受け17日、同社代表取締役社長の大辺創一氏による記者説明会を都内で開催した。今回の和解は同社がアップルに1000万円の解決金を支払うという内容を盛り込んだもの。大辺社長は今回の争いを振り返り、「先方は世界的企業でありその顔も立てた。後継機種『e-one 500』はバンバン売れている。不正競争防止法も勝ちとった」と強調、今回の係争を「痛み分け」と評価した。

ソーテック代表取締役社長の大辺創一氏。昨年初秋にはじまった係争に終止符が打たれ、同氏は終始にこやかな表情であった
ソーテック代表取締役社長の大辺創一氏。昨年初秋にはじまった係争に終止符が打たれ、同氏は終始にこやかな表情であった



ソーテックが発表した和解内容は以下の通り

・アップルは同件の仮処分申請を取り下げ、ソーテックは同件の保全意義申し立てを取り下げる。アップルは同件仮処分に係わる間接強制に基づく執行をしない
・ソーテックは、『e-one 433』の製造、譲渡、引き渡し、展示および輸出入はしない
・ソーテックは、解決金として1000万円をアップルに支払う
・訴訟費用は、各自の負担とする

以下、解決金1000万円の根拠も含め、今回の係争で焦点であった内容に関する大辺氏のコメントを掲載する。

不正競争防止法の行方と、解決金1000万円の根拠

アップル側の主張は、『e-one 433』の工業デザインが『iMac』に類似しており、消費者に誤認混同を引き起こすといったことから、不正競争防止法に抵触しているのではないかというもの。昨年、1999年9月末、東京地裁からソーテックに対し『e-one 433』の製造・販売を禁止する仮処分が下されていた。今回の和解は、同年12月の第4回審尋の際に裁判所側から出された和解調停の提示を受けた形になる。これまでこうした争いで持ち込まれていた、意匠法や特許法とは異なり、不正競争防止法の観点からの係争ということで注目されていた。

大辺社長は今回の和解について、「不正競争防止法に抵触していないということで、アップル側と裁判所で確認している」と、同社の言い分が反映されたことを強調する。なお、ソーテックは既に『e-one 433』の金型を後継機種向けに作り替えているが、「工業デザインをめぐる不正競争防止法の問題は、事実上先送りになったと考えられる」と語った。

それでは、不正競争防止法に抵触していないのなら、1000万円をアップルに支払う必要があるのか。大辺社長はその理由について、「金の問題ではなく、後継機種が売れていることもあり、これ以上リソースを割きたくなかった」と語った。

「解決金を支払うのが嫌だといって、係争自体を長引かせることができた。しかし、もう面倒だという考えがあったのと、アップルは世界的企業なのでメンツというのもあるかなという考えも巡った。12月の和解調停案では1億円の和解金を提示されたが、この金額ではのむことができない。だが、1000万円という解決金ならのめるし、不正競争防止法に関する訴えをアップル側は取り下げた。そこのところは我々の言い分が通ったと考える」。1000万円という額の根拠となると、大辺社長同氏は「特に根拠はないと思う。あるとすれば、先方の裁判費用か? よくわからない」と歯切れが悪かった。

日本のトップデザイン事務所と契約し、今年6月に新デザインのパソコンを発表

ソーテックは『e-one 433』リリース時に、年間10万台販売することを目標にあげている。『e-one 433』を9月に製造・販売禁止の仮処分を受けるまで2万台、後継の『e-one 500』を昨年末までで5万台販売したことから、この目標は十分達成できるとしている。

大辺氏は、仮処分以降の『e-one 433』の在庫処分について、「今現在も米eMachines社では『e-one』と同じ形状のパソコンを販売している。我々は『e-one 433』の在庫を韓国に戻し、ロゴなどを変えてアメリカ向けに作り直したので、特に在庫ということはない。機会損失ということはあったかもしれないが、在庫・部品はアメリカに輸出したので、おもてだった金額ということはなかった」と語った上で、「物議を醸したというところでは、知名度が上がった」と今回の係争のメリットを認めた。

今回の争いを「痛み分け」と評価した大辺社長。「アップルにかみつかれることを意識したわけではないが、当時のスケルトン流行を受けて」と、『e-one 433』の工業デザイン選定当時を振り返った。今後は特許や著作権関係の問題処理が1つのポイントになるとして、昨年11月には同社内に法務部を新たに設置したという。なお、今年6月には、日本のトップデザイン事務所と契約し家庭向け新パソコンをリリースするということだ。

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