ソニー(株)は、デスクトップPCに、オーディオ/ビジュアル機器そのものを取り込んだAV一体型バイオ『PCV-MX1』を2月上旬に発売すると発表した。
PCV-MX1は、デスクトップPC本体そのものに、MDデッキやFMチューナー、アンプ、DVD-ROMドライブなどを搭載したAV一体型PC。他PCにはない、オーディオや映像関連のさまざまな機能が搭載されている。'99年10月21日に発表、同年12月4日に発売が予定されていたが、内蔵するHDDの調達の遅れから発売が延期されていた。今回は、製品スペックを一部変更し、1モデル追加しての再発表となる。
スペックは、CPUがPentium III-500MHzからPentium III-600EMHzに、HDD(Ultra ATA対応)が13GBから20GBにアップ。また、DV動画入出力ツール『PictureGear
Ver.4.1』、SDMI準拠の音声ファイル再生/管理ツール『OpenMG Jukebox Ver1.0
for VAIO』が付属する。『PCV-MX1』の最大の特徴であるAV機能などの基本性能は変更されていない。
製品モデルは、TVチューナーを内蔵した17型FDトリニトロンマルチスキャンCRTディスプレーが付属する『PCV-MX1TV7』、15型TFT液晶ディスプレーが付属する『PCV-MX1L5』に、17型FDトリニトロンマルチスキャンCRTディスプレーが付属する『PCV-MX1V7』が追加され、3モデルとなった。価格は3モデルともオープンプライス。推定小売価格は、『PCV-MX1TV7』が10月21日発表時の32万円前後から30万円前後に、『PCV-MX1L5』が40万円前後から38万円前後にそれぞれ下がっている。新モデルの『PCV-MX1V7』は27万円前後。
今回追加された『PCV-MX1V7』モデル |
『PCV-MX1TV7』モデル |
『PCV-MX1L5』モデル |
PCV-MX1の主なスペックは以下の通り。
CPU | Pentium III-600EMHz |
チップセット | Intel 440BX AGPset |
メモリー | 64MB SDRAM(最大256MB) |
拡張メモリースロット | DIMMスロット×2 |
グラフィック | ATI RAGE 128GL(AGP 2Xモード対応) |
ビデオメモリー | 16MB SDRAM |
FDD | 3.5型3モード(1.44MB/1.2MB/720KB)×1 |
HDD | 20GB Ultra ATA |
サウンドチップ | Aureal Vortex2、AC97準拠、3Dサウンド機能 |
DVD-ROMドライブ(データ時) | CD:最大40倍速/DVD:最大8倍速 |
DVD-ROMドライブ(音楽CD時) | 高精度クロック仕様、デジタルオーディオ出力対応 |
MDドライブ | 音楽用レコーダブルMDドライブ |
FM文字多重放送チューナー | FMステレオ、FM文字多重放送デコーダー、8プリセット、エリアコール対応 |
D/Aコンバーター | 1bitΔΣ型D/Aコンバーター |
音質調整 | 5バンドイコライザー、可変幅±10dB |
スペクトラムアナライザー | 5バンド表示 |
アンプ | Tripath CLASS-T 1bitデジタル方式アンプ、実効出力10W+10W |
スピーカー | 3リットル木製エンクロージャー、バスレフ型、10cmコーン型フルレンジユニット、4Ω、防磁型 |
オーディオ操作パネル | モノクロLCD表示窓(248×68mm)、リモコン受光部、マルチファンクションボタン×6、補助ボタン×4、ボリューム×1 |
内蔵モデム | データ:56kbps(V.90/K56flex対応)、33.6kbps(V.34対応)、FAX:14.4kbps |
PCカードスロット | TypeII×1(CardBus対応) |
外部接続端子(前面) | ヘッドホン×1、I.LINK端子(S400)×1、USB×1 |
外部接続端子(背面) | iLINK端子(S400)×1、USB×1、キーボード×1、マウス×1、モニターコネクター×1、プリンターコネクター×1、シリアルコネクター×1、電話回線コネクターLINE×1/PHONE×1、光デジタルオーディオ入出力IN×1/OUT×1、ライン出力×1、PCオーディオ入力(ライン入力×1、マイク入力×1)、S映像出力×1、コンポジット映像出力×1、スピーカーコネクター(L/R)×1、FMアンテナコネクター×1 |
本体サイズ | 幅188×奥行き374×高さ355mm |
スピーカーサイズ | 幅120×奥行き190×高さ242mm(1つあたり) 本体重量 12kg |
スピーカー重量 | 1.95kg(1つあたり) |
OS | Windows 98 Second Edition |
『PCV-MX1』基本機能
・DVDプレーヤー機能カナダのATIテクノロジーズ社のグラフィックアクセラレーター『Rage 128GL』と、米Mediamatics社のソフトウェアデコーダーを組み合わせることで、DVD本来の高画質を再現できるという。コマ落ちをなくし、画面上のギザギザをぼかして美しい映像にする補完機能も搭載。光デジタル出力端子からDolby Digitalを出力できるほか、Sビデオ出力端子を利用して大画面TVやプロジェクターでもDVD映像を楽しめる。
・CDプレーヤー機能
従来のPCが、CD-ROMドライブとサウンドチップ間はアナログ接続であったのに対し、PCV-MX1は、専用のD/Aコンバーターを搭載して内部接続をデジタル化、高音質を実現するという。
・MDレコーダー機能
同社のオーディオ用のハードウェアATRACコーデックを搭載しており、CPUに負荷をかけずにエンコードが行なえる。サンプリングレートコンバーターを内蔵し、周波数の異なるソースからでも録音が可能。
また、画面上でMDの編集が行なえ、オリジナルMDを作成できる。キーボードを使っての曲名入力のほか、音楽CDからMDにダビングする際には、CDプレーヤー機能で作成したプレイリストの曲名も自動的にコピーされる。ラベル作成ツールを起動した場合も、ジャケットや曲名入りで画面表示され、編集/印刷が可能。
・FM文字多重放送チューナー
FMチューナーモジュールは、アナログのFMデータを受信後、すぐにA/Dコンバーターでデータをデジタル化する。これにより、データがPCのノイズの影響を受けにくなるという。データのデジタル化により、MDへのダビングも可能。また、FM文字多重放送に対応しており、曲のタイトルや番組情報、ニュース、天気予報を閲覧できる。
・赤外線リモコン
専用の赤外線リモコンが付属。CD、MD、FM、DVDの操作が可能。また、ボタンを押すとPCを起動し、あらかじめ設定されたコマンドを自動的に実行する“プログラマブル・パワー・キー”×4を装備する。
・オーディオモード
PCを起動していない状態でも、CDやMD、FMが楽しめる“オーディオモード”を搭載。PC電源のほかに、オーディオ電源が用意されており、本体前面のLCD操作パネルやリモコンを利用して、AV機器として単独利用が可能。
・ランチャー機能
ダビング予約といったスケジュールを登録できるランチャー機能を搭載。PCを起動しなくてもスケジュールは実行される。