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【MACWORLD Expo/SFレポートVol.6】Connectix社インタビュー、Virtuall PCやRAM Doublerの戦略について

2000年01月11日 00時00分更新

文● インタビュー:TERO MODA

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5日から始まったMACWORLD Expoにおいて米Connectix社は、Windows 2000、およびLinuxをバンドルした『Virtual PC 3.0』を発表。展示ブースに多くのMacintoshユーザーを集めた。また、MacOS 9に対応した『RAM Doubler 9』の販売も、同社ブースで行なっていた。ascii24では、同社でインターナショナルセールスを担当するチューソン・ホー(Chihson Ho)氏に、新製品に関するインタビューを行なった。

RAM Doubler 9

--『RAM Doubler 9』のパッケージをMACWORLD Expoのブースで販売されていましたが、Connectixのウェブサイトや米国内のショップで購入できるのはいつからになりますか?

Chihson Ho氏(以下同)「現在、大急ぎでパッケージの量産を行なっています。米国内の店頭に置かれるのは、1月20日以降になります」

--『RAM Doubler 8』からの変更点は何でしょうか。また、RAM Doubler 8からのアップグレードは有償になるのか、アップデータの入手方法などをお聞かせください

「RAM Doubler 9は、MacOS 9に完全対応したバージョンす。MacOS 8以上で動作しますが、MacOS 9での使用を奨励しています。対応機種は、PowerPC G3またはG4を搭載したMacintoshになります」

「機能的にはRAM Doubler 8とまったく同じで、実装メモリーを3倍の容量まで増やすことができます。ただし、上限は240MBとなります。RAM Doubler 8からのアップデータは、無償で、Connectixのウェブサイトからダウンロードしていただけるようになります」

Connectix社でInternational Salesを担当するチューソン・ホー(Chihson Ho)氏(左)。右は、International Marketing Communicationsで Specialistを務めるディビッド・ローソン(David Lawson)氏
Connectix社でInternational Salesを担当するチューソン・ホー(Chihson Ho)氏(左)。右は、International Marketing Communicationsで Specialistを務めるディビッド・ローソン(David Lawson)氏



--日本語版の出荷はいつになりますか?

「日本語版のローカライズ作業はほぼ完了しており、現在、動作確認作業を行なっています。ただ、我々はローカライズ製品の品質に“100パーセント”を求めているため、この作業がいつ終了するのか、日本語版をいつ出荷できるのか、今、はっきりとした期日を示すことができません。ですが、できるだけ早く、日本語版の出荷をすることを、日本のMacintoshユーザーのみなさまにお約束します」

Virtual PC with Windows 2000/Linux

--Windows 2000、およびLinuxをバンドルする『Virtual PC』を投入することになりましたが、『Virtual PC』プログラム本体は、現在出荷している『Virtual PC 3.0』と異なるものなのでしょうか? 実は、ブースでVirtual PC 3.0を確認したところ、アルファバージョンが動作していたようだったのですが

「Virtual PC with Windows 2000、およびVirtual PC with LinuxのVirtual PCプログラム本体は、機能的に現在販売しているバージョンとまったく同じものです」

「ただし、Windows 2000を現在のバージョンで実行した場合、MacintoshとVirtual PC間での“IP共有”が行なえなくなります。Virtual PC with Windows 2000のパッケージに入っているVirtual PCのプログラム本体では、この問題が改善されます」

--つまり、現在のバージョンを使用しているユーザーがWindows 2000をインストールして“IP共有”を行なうには、Virtual PC 3.0へのアップグレードが必要だということですね。アップデータを配布する予定はありますか?

「現在、アップデータを準備中です。ただし、これを無償配布にするか、有償のアップグレードにするかは、決定していません」

--発売はいつを予定していますか? それと日本語版の出荷はどうでしょう

「米国内での発売は、今年2月、もしくは3月を予定しています。日本語版は、これもローカライズ作業の状況次第なのですが、英語版出荷後から数週間以内には出荷できるだろうと思います」

--米国内での価格はどうなりますか?

「『Virtual PC with Windowx 2000』が329ドル(約3万4500円)、『Virtual PC with Linux』が99ドル(約1万円)になります」

「それと、現行の『Virtual PC with Windows 98』は179ドル(約1万8500円)、『Virtual PC with Windows 95』は149ドル(約1万5600円)、『Virtual PC with DOS』が49ドル(約5000円)ですが、『Virtual PC with Windows 95』は、今後、製品ラインから外れることになります」

--『Virtual PC with DOS』が49ドルというのは驚きです。『Virtual PC1.0/2.0』から3.0へのバージョンアップは45ドルですが、製品版との価格差が4ドル(約420円)でしかないというのでは、多くの正規ユーザーが納得しかねると思うのですが

「まず、45ドルというアップグレード価格、49ドルという製品価格は、われわれの最大限の努力と決断なのです。そして、既存ユーザーに納得してもらうために製品版を49ドルよりも高くして価格差を付けるというのは、我々の“1人でも多くのMacintoshユーザーに安価でPC環境を提供する”という意志とユーザーの期待を裏切ることになります。こうした事情を、みなさまにご理解いただければと思います」

--『Virtual PC with Linux』のLinuxディストリビューションについてお聞かせください。ConnectixのブースではVirtual PC上で『Red Hat』が動作していましたが、Virtual PC with LinuxにはRed Hatをバンドルすることになるのでしょうか?

「現在、どのLinuxディストリビューションを採用するか、『Red Hat』を含めたいくつかのLinuxディストリビューションから検討しているところです。それから、米国市場では『Red Hat』がもっとも普及していますが、ヨーロッパ市場では『OpenLinux』のユーザーが多いのです」

「日本では米国と同じく『Red Hat』がサーバー用途で成功していますが、クライアント用途では『Turbo Linux』が人気を集めています。このように各国でLinuxディストリビューションの需要が異なるため、たとえば米国版は『Red Hat』、ヨーロッパ版は『OpenLinux』、日本版は『Turbo Linux』をバンドルするという可能性があります」

今後の新エミュレーター製品

--Linuxディストリビューションではありませんが、『Virtual PC with Solaris』を出荷する可能性はありますか?

「おもしろい考えだと思います。検討してみてもいいですね。Connectixは今後、エミュレーター製品に力を注ぎ、エミュレーションターゲットをPCやプレイステーション*以外にも広げていきたいと思っています」

「たとえば、PalmなどのPDAエミュレーターの開発を検討しているところです」

*ConnectixはPCエミュレーター『Virtual PC』以外にも、プレイステーションをエミュレートするアプリケーション『Virtual Game Station』を開発、販売している。

'97年に実施したConnectix社のアンケート調査によると、ユーザーの半数近くがビジネス用途において、特定のアプリケーションを起動するために『Virtual PC』を導入しているという。“複雑で無意味なオプション機能の追加よりも、安定性や互換性の向上に勤め、Macintoshユーザーの信頼を得たい”と、Chihson Ho氏は語ってくれた。

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