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インターキュー、旧ハイパーネットの特許を買収--元ハイパーネット会長の板倉雄一郎氏を同社顧問に

1999年12月21日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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インターキュー(株)は本日、12月20日に行なわれた定例取締役会において、旧(株)ハイパーネットが開発したインターネット広告表示システム“ハイパーシステム”に関連するすべての特許権と特許出願の買収、およびハイパーネットの代表取締役会長であった板倉雄一郎氏の同社顧問就任を決議したと発表、本社で記者会見を行なった。

インターキュー社長の熊谷正寿氏(左)と、同社顧問に就任した板倉雄一郎氏(右)
インターキュー社長の熊谷正寿氏(左)と、同社顧問に就任した板倉雄一郎氏(右)



ハイパーネットは、'91年6月に設立。'96年3月に、インターネット広告表示システム“ハイパーシステム”を開発したが、'97年12月に自己破産となった。“ハイパーシステム“”は、インターネットを利用した電子版ダイレクトメール。ユーザーの個人プロフィールをデータベース化し、プロフィールを元にその個人に適した広告を、ユーザーに配信するシステムで、ユーザーのPC画面上の最前面に広告ウィンドーを表示させることが可能。'96年8月に、(株)アスキーのインターネット無料接続サービスに利用され、プロバイダー料金を無料にする代わりに、ユーザーのPC画面上に広告を表示していた。

今回インターキューが買収した特許名称は、“広告等のメッセージを端末装置の利用者へ配信する通信システム”、“通信網上の情報をローカルメモリに自動保存する端末”、“利用者の特性に応じた画像を提供する通信システム、並びに当該通信システムに用いる端末装置および情報提供装置”、“メッセージ検索システムおよび端末装置”、“端末装置、情報提供装置、システム、および記憶媒体”、“情報表示システム”の6項目。また、この6項目のサブクレームとして約200項目の特許出願がなされている。これらの特許出願は、日本/中国/香港/米/カナダ/欧州で行なわれており、実際に特許としての認可がおりているものは国によって異なるという。

インターキューは、ハイパーネット倒産後に、これらの特許を所有していた(株)エイムから、すべての特許権と、外国特許や外国出願、国内外における分割出願を含むすべての特許出願を買収した。買収金額は明らかにされていない。

また、ハイパーネットの代表取締役会長であった板倉雄一郎氏が、12月20日付けでインターキューの顧問に就任した。板倉氏は、インターキューの経営には参加せず、同社のインターネットマーケティングに関する顧問活動を行なう。

インターキューの代表取締役社長である熊谷正寿氏は、特許買収について、「当社はインターネット関連のインフラ事業を行なっているが、メール広告やインターネット広告事業を、第2のドメインとして展開していく。この事業戦略の基礎としてプッシュ型のメールサービスを計画しており、今回、ハイパーシステムに関する特許の買収を行なった。この買収を事業の起爆剤にしたい」と説明。続いて板倉氏の顧問就任に関し、「われわれはアスキーに次いで2番目にハイパーシステムを採用しており、板倉氏との付き合いも長い。米国ではベンチャー企業は倒産してもすぐ復活できるが、日本のベンチャー業界には倒産すると再チャレンジの場所がない。板倉氏の才能、頭脳は生きているので、インターネット事業発展のために顧問就任をお願いした」と語った。

また、板倉氏は「倒産して2年経つが、特許が買収されたことは最近知った。この特許はビル・ゲイツも買いにきたもの。なぜ売らなかったかというと、当時は会社があり、NASDAQ公開を控えていたので、特許を売却するよりは、所有したまま公開したほうがいいと思った。顧問就任については、私のいいところを役立てていけるのではないかと思い、インターキューの拡大と利益に結びつけばと引き受けた。インターキューでの具体的なサービス内容はこれから検討していく」としている。

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