このページの本文へ

日立電子、米ComSpaceと提携し業務用デジタル無線方式DC/MA製品の共同開発に着手

1999年12月21日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日立電子(株)は21日、今年11月に米ComSpace社と業務提携を行なったと発表した。提携の内容は、ComSpace社が開発した業務用デジタル無線方式DC/MA(Digital Channel Multicarrier Architecture)方式に関して日立電子が技術ライセンスを受け、今後両社で米国および国内市場向け製品を共同で開発する。今回の業務提携に伴い、日立電子はComSpace社に100万ドル(約1億円)の出資を行なうことを決定した。

左から、ComSpace社福社長のデビッド・ジョージ(David George)氏、日立電子取締役伝送事業部長の前田稔氏
左から、ComSpace社福社長のデビッド・ジョージ(David George)氏、日立電子取締役伝送事業部長の前田稔氏



DC/MA方式の主な特徴は以下の4つ。
(1)既存の業務用無線方式であるFDMA(周波数分割多重通信)とTDMA(時分割多重通信)の特徴を組み合わせ、25kHzの帯域幅に8チャネルを収容できる
(2)多重化方式を採用し、25kHz、12.5kHz、6.25kHzといった各種周波数間隔に応じたシステム構築が可能で、隣接するチャネルとの干渉が少ない
(3)変調方式の最適化などにより、アナログ方式と同等以上のサービスエリアの確保と音声品質を実現
(4)専用のワンチップVLSIを開発することで、ソフトウェア制御に対応

DC/MA方式によるデータ通信は、音声をはじめ、静止画の送受信が可能。また同方式がを採用する新無線装置が適用される分野として、運輸業、宅配業、建設業、タクシー業、サービス業などを挙げている。

今回の業務提携により、DC/MA方式を採用した新製品の製造について、北米向け、日本国内向けともに、日立電子の仙台工場が担当。日立電子は、米国内で行なわれる実証実験などに対し技術者を現地に派遣する。

今後の米国市場向け製品の事業計画について、2000年2月にComSpace社の本社があるテキサス州ダラスで800MHz帯トランキングの実用試験を開始、4月から製品供給を開始する予定。一方、国内市場向け製品の事業計画については、近々に郵政省に実験局免許の申請を行なう予定としている。

来春に北米で販売が開始される予定の、DC/MA方式を採用した業務用デジタル無線装置『Odessey Series Model 2000-80』
来春に北米で販売が開始される予定の、DC/MA方式を採用した業務用デジタル無線装置『Odessey Series Model 2000-80』



ComSpace社はDC/MA方式のライセンスに関し、今後も内外の提携企業を募集。国内市場に関しても、日立電子の独占的な契約ではなく、DC/MA方式の業界への普及と標準化を第一に、他企業から申し出に対しても柔軟に対応したいという。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン