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渋谷駅前に、メディア・コンプレックス・ビルディングの“QFRONT”が出現

1999年12月14日 00時00分更新

文● 編集部 鹿毛正之

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東京・渋谷駅前に、商業ビルの“QFRONT”(キューフロント)が竣工した。オープンは17日の予定。14日には、東急百貨店本店横のBunkamuraにおいて、竣工披露パーティーが開催された。

QFRONTビルは、東急グループの札幌プラザ(株)が'98年1月から建設を進めてきた“情報発信型商業ビル”。地上8階・地下3階建てで、運営は同社の子会社である(株)キューフロントが担当する。

渋谷駅前、渋谷センター街の入口横に立つQFRONT。LEDビジョンの“Q'S EYE”では、同時に3つの画面を放映することが可能だ渋谷駅前、渋谷センター街の入口横に立つQFRONT。LEDビジョンの“Q'S EYE”では、同時に3つの画面を放映することが可能だ



ビルの前面には、縦23.5×横19mというサイズを誇るLEDビジョンの“Q'S EYE”を設置。ニュースやCMを流すほか、アートギャラリーとして作品を上映することもあるという。また、ビルの向かって左側の壁面には、米国のアーティストであるジョナサン・ボロフスキー(Jonathan Borofski)氏の手による、高さ42mのパネルアート“ハートライト・マン”が飾られている。

竣工披露パーティーでは、Q'S EYEの点灯式が行なわれ、午後2時ちょうどからQ'S EYEの放映が開始された。

ステージ上に設けられたボタンが押されると、青白いライトが点灯し、Q'S EYEの放映が開始された
ステージ上に設けられたボタンが押されると、青白いライトが点灯し、Q'S EYEの放映が開始された



パーティー会場では、Q'S EYEの様子を生中継。QFRONT周辺ではオープニングセレモニーなどは行なわれていなかったので、突然放映が開始されたQ'S EYEに、道行く人たちが驚く様子が放映された。

パーティー会場に生中継されたQ'S EYEの様子。レポーターが渋谷駅前に繰り出し、Q'S EYEに驚く通行人の様子を現場から中継していた
パーティー会場に生中継されたQ'S EYEの様子。レポーターが渋谷駅前に繰り出し、Q'S EYEに驚く通行人の様子を現場から中継していた



テナントには情報発信系の企業が集結

核となるテナントは、地下2階から4階までの6フロアーを占めるSHIBUYA TSUTAYA。ビデオ/CDレンタルのカルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)(CCC)が運営するレンタルショップで、CD/DVD/ビデオレンタルのほか、書籍やゲームソフトの販売も行なう。また、音楽のダウンロードサービス端末も設置する予定だ。

6階には、デジタルクリエーター養成スクールのデジタルハリウッド(株)が運営する“bitvalley=shibuya デジハリ”が入居する。ここではスクールとしての機能はもちろん、カフェバーやギャラリーなど、若者をターゲットとした情報発信・交流のスペースを提供する。また、渋谷周辺に多いデジタル系のベンチャー企業と、産学協同のプロジェクトも展開するとしている。

5階に設けられた“e-style”は、デジタルハリウッドの関連会社である(株)デジタルスケープが展開する情報発信型のイベントスペース。インターネット放送の設備を備えており、同所で開催されるイベントをストリーミング放送することも可能だ。

その他、東宝系列の映画館“CINE FRONT”や、コーヒーショップのスターバックスも入居。朝7時から夜11時までの長時間に渡り営業を行なうのが特徴だ(レンタルは午前4時まで)。

QFRONTはマルチメディアのコンプレックス

東急百貨店本店横のBunkamuraで開催された竣工披露パーティーには、関係者一同が出席し、Q'S EYEの点灯式が行なわれた。

札幌プラザ(株)の三浦守社長は、QFRONTを「21世紀にふさわしいマルチメディアのコンプレックス」と紹介。「メディア発信企業と消費者を強く結びつけるビルとなる」と、抱負を述べた。また、QFRONTがオンラインショッピングサイトの“Q's Digital Bazaar”を展開していることに触れ、「渋谷に来る人はもちろん、インターネット利用者も対象」としたメディア・コンプレックスを目指すと語った。

札幌プラザ(株)の三浦守社長、同社は東急グループの商業デベロッパーで、さっぽろ東急百貨店などを保有している
札幌プラザ(株)の三浦守社長、同社は東急グループの商業デベロッパーで、さっぽろ東急百貨店などを保有している



東宝(株)の社長である石田敏彦氏は、「映画館を持たず、ビデオと電波だけの経営者が出てきた」とCCC(TSUTAYA)について触れ、「映画で食ってきた東宝として、CCCと一緒に仕事をするのは興味深い」と語り、メディア・コンプレックスへの期待感を見せた。

東宝の石田敏彦社長、「竣工式の日は大雪で、今日は赤穂浪士討ち入りの日」と語り、豊作の前兆である雪に関係が深いことで縁起がいいと語っていた
東宝の石田敏彦社長、「竣工式の日は大雪で、今日は赤穂浪士討ち入りの日」と語り、豊作の前兆である雪に関係が深いことで縁起がいいと語っていた



CCCことカルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)の増田宗昭代表取締役社長は、「これからの時代は、インターネットにも代表される“作る時代”」と語り、デジタルハリウッドとのコラボレーションによるイベントスペースのe-styleをアピール。また、SHIBUYA TSUTAYAの概要を説明し、4階に展開するアニメのフロアについては「日本が世界に誇るアニメのコンテンツは、4階に来てもらえれば何でも揃う」と自信のほどを見せた。

CCC社長の増田宗昭氏、「iモードによる在庫検索で、家や山手線の中からでもレンタルビデオが検索できます」と、TSUTAYA ONLINEをアピールしていた
CCC社長の増田宗昭氏、「iモードによる在庫検索で、家や山手線の中からでもレンタルビデオが検索できます」と、TSUTAYA ONLINEをアピールしていた



QFRONTは、東急グループがグループ共同プロジェクトとして推進する都市開発事業の一環でもある。今回の竣工披露パーティーには来賓として、東京急行電鉄(株)社長の清水仁氏も出席した。

東急グループの総本山である東京急行電鉄の清水仁社長、「TSUTAYAが提唱する“より一層楽しくなる渋谷”を見習いたい」
東急グループの総本山である東京急行電鉄の清水仁社長、「TSUTAYAが提唱する“より一層楽しくなる渋谷”を見習いたい」



清水氏は、「渋谷は東急グループの中心地」と前置きし、「ここ数年は若者文化の発信地として、またビットバレーに代表されるネットビジネスの集積地となっている」と、渋谷とデジタルカルチャーの関係が深いことを示唆。その上で、「QFRONTのオープンは、新しい時代、21世紀に向けての力強いスタート」とアピールした。

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