【Internet World Japan'99 レポート Vol.5】テレビでインターネットを楽しむセットトップボックス--北海道からは地域型データ放送受信装置
1999年12月09日 00時00分更新
“Internet World Japan'99”では、パソコン使わず家庭用テレビでインターネットを楽しめるセットトップボックス(STB)のデモ展示も行なわれた。北海道で開発されたデータ放送受信装置も出展され、地域発の事業展開として注目を集めていた。
住友不動産フィットネス(株)の『Teleika(テレイカ)』は、マンションやホテル向けに開発されたセットトップボックス。接続はダイヤルアップとLANの両方に対応する。前面にICカードスロットを装備しており、ユーザーIDやパスワードが記録されたICカードを差し込むことで接続が行なわれる仕組みだ。
Teleikaは前面にICカードスロットを装備する |
導入したホテルの紹介や観光地情報などもコンテンツとして提供される |
販売は代理店経由で行なわれ、量販店では入手できず、価格も必ずしも決まっていないという(おおむね5万円程度とか)。記録用にHDDを内蔵するタイプも今後検討するという。
(株)セレコムの『Web-Box2000』は、ショッピングモールでの買い物を割引したり、無料で自分のサイトを開設できたりといったサービスがセットになっている。操作はトラックボールが付いたリモコンで行なうようになっている。価格はサービス込みで26万円。ICカードスロットを装備し、個人認証などに活用するタイプも開発中だという。
Web-Box2000 |
専用ショッピングモールやオークションサイトなど、ユーザーには豊富なコンテンツが用意されている |
インターネット用ではないが、来場者の注目を集めたのが、北海道で開発されたデータ放送用セットトップボックス『Live-Text
Box』だ。北海道大学や(株)道新メディック、(株)ビー・ユー・ジーらと行政機関などが共同で“ライブテキストプロジェクト”を展開。装置の製造は三菱電機(株)が担当し、放送は北海道テレビ放送(HTB)が行なっている。
ライブテキストの構成 |
同プロジェクトが目指すのは、地域発の情報サービス事業のモデル化だ。CS放送やBSデジタルによるデータ放送では地域に密着した情報がほとんど提供されない、として、同プロジェクトでは自治体広報やローカルニュース、地元商店の特売情報といったコンテンツ配信を念頭に置いている。放送はすでに始まっており、桧山管内北桧山町では、町役場が全戸に装置を配布し、地域の情報化に役立てているという。
今後は、視覚障害者向けにテキストの自動読み上げ機能を搭載したり、インターネットに接続することで介護サービスに役立てるといった展開を考えているという。
放送内容は北海道に関するもの |