このページの本文へ

ネットパーセプションズ、顧客の好みに合わせ商品を自動的に推薦するEC支援ソフトを発売

1999年12月08日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

米ネットパーセプションズ社の日本法人であるネットパーセプションズ・ジャパン(株)は8日、電子商取引サイトとコールセンター業務を支援するソフトウェア2製品の販売を開始し、日本市場に本格的に参入すると発表した。顧客の購買履歴を参照し、次に購入しそうな商品を自動的に選び出して顧客に提案するソフトで、データ分析に手間がかかるワントゥワンマーケティングを支援し、顧客満足度のアップが期待できるという。

都内で開かれた発表会
都内で開かれた発表会



発表されたソフトは、『Net Perceptions for E-Commerce 5.0』と、『Net Perceptions for Call Center 2.0』の2製品。

Net Perceptions for E-Commerce 5.0は、オンラインショッピングなど電子商取引サイトを支援する。ソフトの核となるのは同社が開発した“リアルタイムリコメンデーションエンジン”。これは、顧客の好みや趣味に合わせ、自動的に商品を選んで勧めてくれるというもの。顧客の購買履歴を蓄積したデータベースを参照し、同じような履歴を持つ顧客とともにグループ化。同じような顧客が現れた時、グループ全体の購買データを参照し、グループ内で同じ好みを持つ人々が購入している製品を自動的にピックアップし、顧客に購入を勧める。パソコンとデジタルカメラを購入した顧客には、次にプリンターを勧める、といった具合だ。

Net Perceptions for Call Center 2.0はコールセンター向けのソフトで、搭載しているエンジンは同じ。顧客から電話で注文を受け付けた際、その場で別の商品を提案したり、逆に電話を掛けて商品を売り込む際に、最適なリストを作成し、販売の成功率を高めるといったことが可能になるという。

同社によれば、商品の推薦といった処理はすべて自動で行なわれ、1サーバー当たり商品100万、顧客1000万人に対応でき、処理速度は0.1秒程度を実現しているという。両製品ともWindows NT 4.0とSolaris 2.5.1に対応し、サポートするデータベースはSQL Server 6.5/7.0とOracle 7/8/8i。

Net Perceptions for E-Commerce 5.0の価格は、対象となる顧客数により異なるが、顧客数が10万人の場合で約2200万円。2000年4月の出荷を予定している。Net Perceptions for Call Center 2.0は300席以上のコールセンターが対象で、保守費用を含め年間約5180万円から。出荷開始は2000年2月の予定。

ネットパーセプションズ・ジャパンは今年8月、米本社とトランスコスモス(株)、NTTソフトウェア(株)、(株)東洋情報システムの共同出資で設立された。同社では2製品の販売で日本市場への本格参入を開始し、すでに10件程度の問い合わせがあるという。

同社社長の森田正昭氏 同社社長の森田正昭氏



発表会では、同社社長の森田正昭氏が、「ECサイトのパーソナライゼーションを行なうことで、顧客により長く買い物をしてもらい、1回当たりの売上を増やすことができる。百貨店が上得意客の家に出向いて商品を勧めるのと同じように、顧客は手厚いサービスを期待でき、満足度も上がる」と製品の利点をアピールした。

アスクル執行役員の小松廣之氏 アスクル執行役員の小松廣之氏



また事務用品のオンラインショッピングサイトを運営するアスクル(株)の執行役員である小松廣之氏は、「日本にネットパーセプションズの代理店がなかったころ、アメリカに渡って同社の製品を直接購入した。データマイニングで顧客の法則を見つけるには、大量のデータを時間を掛けて分析する必要があるが、我々の仕事はデータ分析ではなく、あくまでも商品の販売。このソフトなら分析の時間が省け、顧客サービスにより手間を掛けることができるようになる」と、ユーザーの立場からソフトのメリットを強調した。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン