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TAC、米CompTIAのPC保守サービス資格『A+』受験講座を来春開講

1999年12月07日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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資格試験受験講座を開くタック(株)(TAC)は、米国電算技術協会(the Computing Technology Industry Association:CompTIA)が認定するパソコン保守サービス資格『A+(エープラス)』取得を目指す受験講座を開設すると発表した。A+は世界で約17万人が取得している初歩的な資格で、取得にはハードウェアとWindows/MS-DOSに関する知識が要求される。講座は通学と通信の2種類が用意され、両分野の基礎知識を学ぶ。講座スタートは2000年4月の予定。

都内で開かれた発表会
都内で開かれた発表会



A+は、経験が浅い技術者を対象としたパソコン保守サービス資格。CompTIAが試験を実施、合格者に対し資格を認定している。CompTIAは米国内のコンピューターメーカーやソフトハウスなどIT関連企業で作る業界団体で、コンピューター関連の資格試験を実施している。A+は英語やドイツ語、中国語など7ヵ国語で実施されており、今年末までに計約15万人が認定される見込みという。

試験の内容は、ハードウェアを扱う“Core”と、OSを扱う“DOS/Windows”の2分野。Core分野では、「どのドライブタイプが、マスタ/スレーブという設定が必要ですか? a.SCSI b.SCSI2 c.IDE d.フロッピードライブ」といったパソコンの構造や、ネットワークに関する基礎知識から出題される。DOS/Windows分野では、「次に示されるコマンドの中で、内部コマンドではないものを1つ選びなさい a.DIR b.COPY c.FORMAT d.DEL」など、OSの操作やインストールについて問われる。

両分野とも約70問、試験時間は各75分で、Core分野の合格ラインは正答率65パーセント、DOS/Windows分野は66パーセント。両分野を別々に受験することも可能だが、その場合は1分野に合格後、90日以内にもう1分野の試験に合格しないと資格取得を認められない。

日本語試験はシルバン・プロメトリック(株)が窓口となって'96年5月に開始しており、これまでに約200人が合格しているという。だが日本語の教材もないため普及が進んでいるとは言えなかった。そのためTACでは、「社会の情報化が進めば、サポート技術者向け資格の需要が広がる」として受験講座の開設に踏み切った。

講座はTACの教室に通学する“一般カリキュラム”と、通信講座“通信トレーニングパッケージ”の2種類が用意される。一般カリキュラムは計10日間の日程で、実習を通して合格に必要な知識を学ぶ。通信講座ではビデオ教材とテキスト、問題集を使用する。テキスト類は米国で販売されているものを翻訳して配布する。一般カリキュラムは2000年6月以降、通信講座は同4月に開講する予定で、料金は一般カリキュラムが5~7万円、通信講座が4~5万円を予定している。

TACでは、PCサポート業務に関わる社会人や、就職を前にした学生らをターゲットにし、初年度の受講生を2000人、3年後には年間1万人の受講を目指している。

発表会では、TAC社長の斎藤博明氏が、「世界標準の資格試験が、これを機に日本でも本格的に導入される。試験と講座が、企業が必要としている人材を養成し、新たな雇用創造につなげることができれば」と話した。

「TACはプロフェッショナルを養成してきた。A+の講座開設で、日米のIT技術者レベルのギャップを埋めたい」と語る斎藤社長 「TACはプロフェッショナルを養成してきた。A+の講座開設で、日米のIT技術者レベルのギャップを埋めたい」と語る斎藤社長



またCompTIAのCEOであるジョン・ベネター(John Venator)氏は、「IT業界は深刻な人材不足に悩まされている。A+はベンダーが実施するものではないため、中立的な資格として広く認められている。またA+はマイクロソフトやシスコシステムズらが認定する上級資格への入り口にもなるだろう」と語り、A+がIT業界の人材養成に効果的であると強調した。

「米国では、A+取得を採用の条件にしている企業が増えている」と話すベネター氏 「米国では、A+取得を採用の条件にしている企業が増えている」と話すベネター氏



日本でのA+試験はシルバン・プロメトリックが実施しており、東京や札幌、福岡など全国主要都市で日曜日をのぞき毎日受験が可能。試験は日本語と英語のどちらかを選択できる。受験料はCore、DOS/Windowsそれぞれ1万5750円。講座受講生には各1万3000円程度への割引が予定されている。

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