伊藤忠テクノサイエンス(株)のグループ会社であるシーティーシー・エスピー(株)(以下CTCSP)は3日、“ラスト・ワン・マイル・ソリューションセミナー”と題して、イスラエルのBreezeCOM社のインターネット無線接続システム『BreezeAccess』の発表を行なった。
BreezeCOMは無線LAN装置などを販売している企業で、CTCSPはそれらの機器の販売代理店となっている。CTCSPの岩島孝吉代表取締役社長は、「無線の技術は、(同社にとって)戦略的に重要な位置付けにある」と語った。
岩島孝吉代表取締役社長 |
インターネット無線接続システム『BreezeAccess』は、電話やインターネットなどの“ラスト・ワン・マイル”あるいは“ファースト・ワン・マイル”と呼ばれる、家庭や職場に一番近い部分のアクセス回線を無線で接続しようというもの(1マイル=約1600m)。
親機となるアンテナを屋外に設置し、接続サービスを提供したい先に子機のアンテナを設置する。無線は、2.4GHz帯を使用し、周波数ホッピングスペクトラム拡散方式というパケットごとに周波数を変えながら送信する方式を採用している。子機側で最大3Mbpsの伝送速度を得られるという。
親機のアンテナ |
親機から子機へ無線が届く範囲は、アンテナの指向性を6度とした場合で約4km、360度とした場合で約1.1kmとしている。
同システムは、盗聴や不正侵入などに対応したセキュリティー機能を備え、64kbpsのサービスを提供するのか128kbpsのサービスを提供するのかといった選択や、課金情報の収集機能も備えているという。
また、電話(音声)を接続することができ、内線や外線を無線でやり取りすることもできる。
同システムの主な販売ターゲットは、ISPや自治体、学校などとなっている。
販売は2000年1月から。価格は、親機(アクセス・ユニット、AU-O)が35万5000円、親機を束ねるコントローラー(ベース・コントローラー、BC-6)が29万2000円、子機(サブスクライバー・ユニット、SU-O)が21万円となっている。目標販売数は約5000システム/年という。