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日本コロムビア、インターネット音楽配信の実験を発表--純邦楽100曲を用意

1999年12月03日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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日本コロムビア(株)は2日、インターネット音楽配信の実験を2000年春に開始すると発表した。“日本伝統音楽ミュージアム(仮称)”と題し、提供する楽曲は純邦楽のみ。サービススタートは、東京楽所による神楽歌『千歳』など、古代歌謡/雅楽/能楽/筝曲/義太夫/長唄/歌舞伎/器楽などのカテゴリーから、スタンダードな楽曲を計100曲を提供する。

販売サイトには、タイトルや演奏者といった基礎データのほか、その曲の主題や演目の背景などについての解説文を掲載する。また、海外からの購入も視野に入れており、英語の説明も用意する予定。同社では実験の開始にあたり、試聴用の音源と販売用の音源を用意。試聴用音源については、ダウンロードサービスの開始に先立ち、2000年3月より公開するという。

販売する音源の圧縮方式について、MP3、TwinVQ、Windows Media Audio(MS Audio)などを中心に現時点では検討中。著作権保護についてはSDMIに準拠するものを考えているという。なお、1曲あたりの再生時間は、最長でも10分程度。それを超える楽曲については、ハイライト部分のみを販売する。

課金システムについて、同社は現段階で詳細は未定としながら、「扱う楽曲が古典であるため、作詞・作曲の権利が発生しないことから、(株)ソニー・ミュージックエンタテインメントよりも安い価格になるだろう」と語っている。SMEは11月に、1曲350円(税込み)で新曲をダウンロード販売する計画を発表している。

同社はこれまで、古典音楽をレコード/カセット/CDといったメディアで発売してきたが、こうした音源をインターネットで提供することで、貴重な文化資産として世界に公開する意義を感じているという。また、純邦楽自体の愛好者の減少や、実演家の後継者問題、レコード/カセット/CDの存在自体が流通やユーザーの減少により危ぶまれていることなどを、今回の企画意図としてあげている。

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