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AMD、Athlonの機能を使うソフトウェアの開発者に向けたカンファレンスを開催

1999年12月03日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本AMD(株)は、『AMD Athlonプロセッサ』の機能を使ったソフトウェアを作成しようという開発者をターゲットにした“AMD Developer's Conference '99 Winter”を開催した。参加費は無料で、会場となった東京・新宿のホテルには120名を超える開発者が集まった。

日本AMDがこのような開発者向けカンファレンスを開催するのは、昨年春の“3D Now!”に関するカンファレンスに続いて2度目のこと。

日本AMD、北アジアCPGマーケティング部部長代理のサミュエル・ローガン氏
日本AMD、北アジアCPGマーケティング部部長代理のサミュエル・ローガン氏



まず、日本AMDの北アジアCPGマーケティング部部長代理のサミュエル・ローガン(Samuel Rogan)氏が、日本のパソコン市場におけるx86プロセッサーの動向分析を行なった。

AMDのx86プロセッサー製品は現在、『AMD-K6-2』、『Mobile AMD-K6』ファミリー、『AMD-K6-III』、『AMD Athlon』の4製品群となっており、全体として、'99年度は世界で2000万個のプロセッサーを出荷する見込みという(製品個々の内訳は未公表)。これによる世界シェアは16.6パーセントであり、今後Athlonプロセッサーのファミリー化(後述)などによりエンタープライズ向け製品を投入、2001年に世界シェア30パーセントを目指すとした。

ここで披露された数字によると、米国の小売りデスクトップパソコン市場におけるK6ファミリー(K6-2およびK6-III)のシェアは、'99年9月では26.6パーセントで、シェア1位の『Intel Celeron』の44.1パーセントに続いている状態だ。これがポータブルパソコン市場では、K6ファミリー製品シェアが52.1パーセントと、インテル製品とシェアをまっぷたつに分ける形となっている。

日本市場については、小売りデスクトップパソコンのみの数字が明らかにされたが、それによると、'99年9月期のシェアは31パーセントで、昨年の9月期(22パーセント)と比べて約40パーセント増となっている。この理由としては「日本IBMの製品が売れている」(ローガン氏)ことをあげた。

次に、AMDの2000年末までの製品ロードマップを示した。それによると、もっとも近くでは'99年第4四半期から2000年代1四半期にかけて、『K6-2+』および『K6-III+』プロセッサーが予定されている。K6-2+は、0.18μmプロセスで製造されるもので、128KBのオンダイ2次キャッシュを備えるというもので、デスクトップパソコン向けの製品。K6-III+は、同じく0.18μmプロセスで製造されるが、こちらはモバイルパソコン向けの製品となる。

一方、Athlonについては、月曜日に0.18μmプロセスのAthlon-750MHzを発表しているが、2000年後半には動作クロック1GHzの製品を投入する予定。また、Athlonは従来の“Slot A”タイプの製品のほかに、“Socket A”タイプの製品を投入するという。Socket Aについて詳細は不明だが、Celeronなどが利用するSocket 370とは、互換性はなく、ピン数も異なるという。

*(名前はすべてコードネーム)
*(名前はすべてコードネーム)


米AMD社、Infrastructure Technology Developmentのジョン・ユエン(John Nguyen)氏
米AMD社、Infrastructure Technology Developmentのジョン・ユエン(John Nguyen)氏



ローガン氏のスピーチ後、K6およびAthlonのプロセッサーアーキテクチャーの概要や、Athlonに最適化したプログラムを記述する際の注意点などが説明された。セミナー中「この中で3D Now!を利用したプログラミングを書いたことがある人は?」という質問に、数人が手を挙げただけにとどまり、講演者が苦笑いする場面も見られた。

AMDからのセミナー後は、メトロワークス(株)がAthlon対応のプログラム開発環境『CodeWarrior』の技術説明、マイクロソフト(株)による“DirectX/DirectX3D”を利用した3Dグラフィックスの最適化手法、サイバーリンク(株)によるEnhanced 3D Now!を利用したMPEG-2エンコーダー製品『PowerVCR II』やDVDプレーヤー『PowerDVD』の技術解説が行なわれた。

マイクロソフトの川西氏
マイクロソフトの川西氏



サイバーリンクの『PowerVCR II』は、Athlonプロセッサーに最適化されており、ソフトウェアだけで、MPEG-2ファイルをエンコードしながら再生することができる
サイバーリンクの『PowerVCR II』は、Athlonプロセッサーに最適化されており、ソフトウェアだけで、MPEG-2ファイルをエンコードしながら再生することができる



また、カンファレンスの最後には、K6プロセッサーを搭載したノートパソコンや、Athlonプロセッサーなどが当たる抽選会が開かれ、和やかな雰囲気のうちに終了となった。

見事ノートパソコンが当たり、にこやかな参加者(右)
見事ノートパソコンが当たり、にこやかな参加者(右)



カンファレンスで行なわれたプレゼンテーションのハンズアウトや、Athlon用Software Development Kitの最新版、Code Optimization Guideなど、開発者には貴重な資料が参加者全員に配布された
カンファレンスで行なわれたプレゼンテーションのハンズアウトや、Athlon用Software Development Kitの最新版、Code Optimization Guideなど、開発者には貴重な資料が参加者全員に配布された



日本AMDでは、K6ファミリーやAthlonファミリーの特性を生かしたプログラム開発を促進するため、今後もこのような無料の開発者向けカンファレンスを、3ヵ月に1回程度開催したいとしている。次回は2000年の3月ないし4月に開催の予定。カンファレンスの案内は同社のウェブページに掲載される。

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