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DDIポケット電話各社、合併後の事業展開について記者説明会を開催――来年後半に128kbpsデータ通信を実現

1999年12月02日 00時00分更新

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*DDIポケット電話グループは、不調だと言われるPHS各社の中にあって、“H″(エッジ)”端末を展開するなど、独自の端末とサービス提供を続けている。PHSの契約数は、携帯電話が毎月何10万台と増加している中にあって、漸減を続けてきた。その流れが今変わろうとしている。

*ディーディーアイ(以下DDI)北海道ポケット電話(株)、DDI東北ポケット電話(株)、DDI東京ポケット電話(株)、DDI北陸ポケット電話(株)、DDI東海ポケット電話(株)、DDI関西ポケット電話(株)、DDI中国ポケット電話(株)、DDI四国ポケット電話(株)、DDI九州ポケット電話(株)のDDIポケット電話グループ9社は、10月22日に臨時株主総会を開き、2000年1月1日に合併するという契約書に調印した。合併後の新会社名はDDIポケット(株)、資本金は750億円程度となる。ユーザーに対してのサービス変更はいっさいないとしている。

H″をはじめとしたPHSの通話品質はきわめて良く、携帯電話とは比較にならない。音が良いことなどで販売を増やしている“cdmaOne”など問題にならないほどだ。また、都市部においては、携帯電話以上に接続状況はよく、特に、H″は電車や高速道路を使っての移動中でも、ほとんど切れることがないとの評判だ。

DDIポケットグループは、2000年1月1日の合併を目指して着々と準備中だ。合併後は、全国均質のサービスと料金を提供したいという。そういった中で1日、新聞社やパソコン雑誌の記者・編集者を対象にした説明会が開かれた。2000年以降の同社の方向性がわかってなかなか興味深いプレゼンテーションだった。

メインターゲットを女子高校生から若手会社員へ

最初にディディアイ(DDI)東京ポケット電話(株)の両角寛文常務取締役が、“合併後の事業展開について”と題したプレゼンテーションを行なった。

「DDIポケットは、’95年1月からサービス開始したが、PHSについて、“安かろう、悪かろう”というイメージを持たれたてしまった。これまでのメインユーザーは女子高校生で、たくさん通話していただいたが、携帯電話の料金が下がってきたことで(多くが携帯電話に乗り換えるなど)変わり目の早い客でもあった」

(左から)DDI東京ポケット電話(株)の土橋匡販売促進部長兼営業管理部長、両角寛文常務取締役総合戦略部長兼経営管理部長、平澤弘樹取締役技術部長、高橋淳一総務部(広報担当)担当課長
(左から)DDI東京ポケット電話(株)の土橋匡販売促進部長兼営業管理部長、両角寛文常務取締役総合戦略部長兼経営管理部長、平澤弘樹取締役技術部長、高橋淳一総務部(広報担当)担当課長



「H″のメインターゲットは、これまでの女子高校生ではなく、20代から30代の若手会社員だ」として、H″の展開としてキーとなる3つのポイントをあげた。

「(H″では)まず、さまざまな設備投資を行ない、携帯電話に負けないサービスが提供できた。局間ハンドオーバーにおいても、自動車で高速移動しても接続を持続できる。高品質かつモビリティーが大幅に改善できたと思っている」

「2点目にメール機能・64kbpsを使っていただこうと考えている。インターネットを使いこなせる人は、当然モバイルコンピューティングも使いこなせるはずだ。“PメールDX”で実現しているがインターネットメールが重要」

「3点目はコンテンツの充実。単なる音声通話のみのサービスから、メールができるようになり、次にインターネットにアクセスできるようになりと機能を追加してきた。我々も接続時間が長くなることで、収入が上がることになる」

DDIポケットによると、H″は、8月に発売して以来、11月末の段階で31万台に達したという。最初は1機種だけだったが、12月2日から6機種5メーカーになり、2000年3月末に100万台を目標にしている。従来のDDIポケット電話の利用者の男女比は、ほぼ半々だったが、H″では、58パーセントが男性ユーザーで、女性ユーザーは42パーセントとなった。また、会社員などが全体の42パーセントをしめている。年齢では20代が29パーセント、30代が19パーセントと、これらのユーザーで半数に迫っているという。

東京地区の量販店では、携帯電話と対等な販売競争にあり、携帯電話・PHSを含めてシェア2位(25%強)をDDIポケットが確保したとしている。首都圏の販売状況は、全国に波及するトレンドだ。DDI東京ポケット電話では、11月は1万台の純増になったとのことだ。

H″のインフラ戦略については、「主要高速道路やリゾート地域を今年の冬からエリア化し、モビリティーの改善をはかる」「年末の帰省ラッシュなどによる大移動にまにあわせたかったため、系列の携帯電話会社であるセルラーグループの鉄塔を借りたりして基地局を増やしている。さらに今後は、全国の高速道路を順次エリア化していく。これは、ターゲットとするユーザーのニーズにあわせたものだ」とし、車での利用をポイントに展開をはかることを示した。

H″のデータ通信戦略

また、2000年中には、さらなるデータ通信の高速化を進めていく計画で、128kbpsでのデータ通信を実現し、(NTT移動通信網(株)などが2001年春の導入を目指す)IMT-2000に先取りしたサービス展開を行なっていくという。さらに、新たにパケット通信サービスも導入する。これによって、重いコンテンツは128kbpsで、また、メールなどの軽いコンテンツはパケット通信でといった使い分けが可能になると述べた。

128kbps通信は、回線交換方式で実現する。2回線分を束ねて(64kbps×2)実現する予定。サービス料金は現在未定の状況だが、携帯電話のパケット通信に対して競争力ある値付けをしようと考えているとした。

新たなコンテンツサービスの実現

DDIポケットグループでは、若者に魅力あるコンテンツダウンロードサービスを2000年度内に順次実現していくという。コンテンツプロバイダーが、ゲームデータや、音楽データ、画像データ、アニメのキャラクターなどを提供していく予定で、現在、さまざまな会社にアプローチしたり、話を進めている状況だと述べた。これにあわせ、2000年内に、画像表示が可能なカラー液晶を持った端末や、音楽配信用の端末の導入も予定しているとする。

携帯電話に対する通信速度の優位性についても、例をあげての説明が行なわれた。それによると、100KBの画像をダウンロードした場合を想定すると、DDIポケットの回線交換方式では、20円の料金で7秒(128kbps時)ないしは13秒(64kbps)でのダウンロードが可能。対して、携帯電話のパケット通信の場合は、79円(0.1円/パケット)ないしは235円(0.3円/パケット)で、13秒から84秒程度かかる。4分間の音楽をダウンロードした場合では、データが4MBとして、DDIポケットでは100円程度で5分から9分程度で可能なのに対して、携帯電話のパケット通信では3125円から9375円かかり、9分から56分もかかるとして、圧倒的な通信速度が得られるとしている。

またPHSの、およその現在位置がわかるという特性を利用した、一般向けの位置情報利用サービスを2000年初頭から順次実施していくという。現在、考えられているのは、目的地を入力してしまえば、最寄り駅が自動的に選択され、現在地からの時間や距離、料金などが表示される交通機関案内や、“イタリアンレストラン”などのジャンルで検索できるレストラン案内、区役所などの位置情報サービス、エンターテインメント系のサービスなどが考えられているという。将来は、例えばレストラン案内では、映像をからめた地図の表示や、メニューを画像で見られるといったサービスも考えられている。

今後へ向かって

来年以降の展開としては、2001年春から開始される携帯電話のIMT-2000に対しても、1兆円程度はかかるはずのサービスであるので、価格面では優位に立てるはずだとしている。また、将来は*Bluetoothを搭載していきたいとした。「すぐに搭載するということにはならないと思うが、おそらく2001年くらいに“Bluetooth”の搭載の方向」であると述べた。

*Bluetooth(ブルートゥース):米IBM社、スウェーデンのエリクソン社、米インテル社、フィンランドのノキア社、(株)東芝が提唱する、10m程度の近距離を想定した無線通信技術。通信速度は1Mbps程度で、世界中で利用が可能になるとされる。2000年にはBluetoothを搭載した製品が登場する見込み。

このほか、ウェブブラウザー搭載の端末も視野に入れて開発していきたいが、投入時期についてはまだ言える段階ではない、ということだった。

2000年1月に開始する予定の、ウェブページをPHS端末に表示させるサービスでは、ウェブページをPメールDXセンターで文字情報に変換し、PメールDXサービスを使ってPHS端末に送信することで実現するという。カラー化はもう少し先になるとしている。また、将来的はTCP/IPで利用できるようにする予定であることも明らかにされた。

パケット通信方式の導入は、来年後半くらいをめどにしているという。導入の際は、PメールDXのパケット通信対応行なう予定とする。128kbpsデータ通信への対応も、来年後半を予定しており、パケット通信とほぼ同じ頃に実施される予定という。128kbps通信対応の端末はは特殊なものになる予定で、通信方式としては、パケット通信が標準ということになる。

この2つの通信方式をサポートすることで、ユーザーが使い分けられるようにしたいということだ。また、“EZWeb”(DDIが携帯電話向けに提供しているインターネット接続サービス)への対応も検討課題だが、来年には実現しないという。

料金に関しては、アクセスチャージの見直しを現在行なっており、料金を4月以降に引き下げる予定だという。PHSから携帯電話への通話や、長距離料金は見直すことになる見通し。今後は新規基地局のチャンネル数(1基地局あたりの同時通話可能な数)を、3チャンネルから7チャンネル、あるいは10チャンネルへ増やしていく方針であることも明らかにされた。

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