EC研究会とスユアDP研究会は11月中旬、合同で、米国のベンチャー企業への交流訪問を実施した。スユアDP研究会代表の伊藤博氏が、3回に渡って、その模様を報告する。第1回の本稿は、シリコンバレーのアジアリンクス社について。
EC、情報流通関連のベンチャー企業を訪問
今回の視察ツアーは、EC研究会とスユアDP研究会との合同である。インターネットビジネスをテーマとして、ラスベガスのCOMDEXを見学し、シリコンバレーのベンチャー企業を訪問するのが、主な内容である。EC研究会の土屋代表やその他の人たちと、行動をともにした。企業訪問では、現地のベンチャーの方々と交流することを目指した。IT情報にフォーカスしてアジアとアメリカを結ぶアジアリンクス
アジアと米国を結ぶ活動をしているAsia-Links社(アジアリンクス)を訪問し、岡本陽子氏から現状と今後の展開についてお話を聞いた。同社は、ウェブマガジンによりIT(情報技術)関係について情報発信し、また、ITエンジニアリングに関する情報交換の場を提供しているアジアリンクスの岡本氏(中央)と視察団。岡本さんの向かって右が、本稿著者の伊藤博氏 |
同社の開設しているハイテク情報のポータルサイト『asia-links.com』には、各種のコンテンツがある。主なものは、3つである。
第1の『asia-jobs.com』は、ITおよびハイテク関係の国際的な求人情報と、求職情報のサイトである。
第2の『asia-shop』は、Eコマースサイトである。日本語やアジア各国語対応のOSを搭載したパソコンやソフトなど、米国内の店に売っていない商品を、主に扱う。顧客を紹介してマージンを得るビジネスである。
第3の『asia-biz.com』は、メンバー制のビジネスのマーケットプレイスである。年間5000ドルの掲載料を払うと、自社の強みや商品情報などを、このウェブサイトに掲載できる。料金は、制作費込み。仕入先、販売先、提携先などとのマッチングが可能になる。
アジアと米国を股にかけて活躍している方のインタビューや企業紹介の取材記事も掲載されている。また、ウェブサイト対決、シリコンバレー生活情報、日本やアジア各国のハイテク情報、ポータルサイトとのリンクも備わっている。
増資して“ファインダーサービス”を強化
このサイトでは、ITやハイテクに興味を持つ人々からのアクセスが多い。既に、IT情報のポータルサイトと呼べる状態になっている。米国に進出を考える日本やアジアの企業が、企業情報や商品情報、求人情報をここに掲載すれば、そうした人々の目に触れる。まじめで詳細な問い合わせや質問といった、良質のレスポンスを望むことができる。ウェブマガジンは、このポータルサイトにITおよびハイテク関係の人材を集めるための呼び水になっている。
この他の企業個別のプロジェクトも実行している。KDD、三洋電機など、日本やアジア各国の企業の情報収集支援、日経Asia BizTechの立ち上げなどである。グットウィル・キャリアが主催するエンジニアのための求人求職サイトを行なって人気を得たそうだ。また、アジア各国や日本の中小企業、ベンチャー企業が米国へ進出する際の支援を、セールスツール作りといったところから遂行している。
今後は、パートナーやディストリビューターを探す“ファインダーサービス”をより充実させて展開していく。そのための300万ドルの増資も計画中とのことであった。
なお、今回の企業訪問とベンチャー起業家たちとの交流は、サンノゼのビジネスカフェ・インク、奥山氏とスタッフ皆様のご尽力により実現した。改めて感謝の意を表したい。