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3Com、教育機関を対象としたネットワーク構築学習キット“3Com Education Connect”を発表

1999年11月24日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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スリーコム ジャパン(株)(3Com)は24日、ネットワーク構築を学習するためのサービス&製品群“3Com Education Connect”を発表した。これは、米本社で先行する同様の教育サービス“NetPrep”で使用している学習用アプリケーション『NetPrep』をベースに、日本法人がローカライズを加え、評価用のネットワーク機器と合わせて販売するもの。中学校、高校、専門学校、大学を中心に、ネットワーク技術について初心者の教師および生徒をターゲットとする。

“3Com Education Connect”が扱う製品


『NetPrep』の画面例
『NetPrep』の画面例



このキットの核となるのは、『NetPrep』(ネットプレップ)という学習用アプリケーション。初心者コースと応用コースそれぞれ4つ、計8コースを1パックにしている。コンテンツの内容は、IEEEやRFCといった国際標準に基づいており、ベンダーニュートラルな内容になっているという。

初心者コースにはLAN、WAN、TCP/IPなどに関する基礎的内容を収め、中学校~高校生を意識した難易度になっている。応用コースには、ネットワーク構築や分析に関する内容を収め、専門学校生~大学生を意識した難易度になっている。

コンテンツの表示は、ウェブブラウザーを介して行なわれ、テキストや静止画のほかReal Audioを使った音声や動画も用いている。同社が推奨する動作環境は、Internet Explorer 4.0以降、もしくはNetscape Navigator 4.0以降。なお、同アプリケーションの習得に必要な期間について、英語版では1コースあたり平均約1年だが、日本語版では日本の教育システムに合わせて現在調節中という。

『NetPrep』の学習効果について、サービスが先行する米国では、ネットワーク技術者のための公的認定制度“NACSE”の下位コースにおいて、『NetPrep』のハイスクールレベル(初心者コース)受講者の55~60パーセントが合格しているという。

今回発表された『3Com 「Education Connect」スタンダードキット』は、NetPrep(全8コース一括)に加え、WANルーター『OfficeConnect NETBuilder 10ST』×2、10/100Mbpsスタッカブル・スイッチ『SuperStack II Switch 3300』×1、10/100Mbpsスイッチ『OfficeConnect dual Speed Switch 1600』×2、10/100Mbps PC NIC『EtherLink 10/100 PCI NIC』×20、ネットワーク監視ソフト『Transcend Enterprise Manager Supervisor』×1という構成。

製品のID制限について、現時点では未定。出荷時期は2000年3月で、同社の代理店経由で販売される。予定価格は100万円。評価機器については、学校のネットワーク環境にあわせて相談することも可能で、その場合は個別見積もりとなる。

販売目標は、2年間で1万セット。1万セットの内訳は、大学・専門学校が3割で高校以下が7割。同社は、大学、専門高校や私立の中高では授業向けの導入が、公立の小中高では先生の勉強用としての使用が多いと予想している。

なお同社は、この新事業の開始にあたり、NetPrep用の日本語サーバーシステム構築の共同研究について北陸先端科学技術大学院大学と提携。また、NetPrepコース受講後の認定制度の開発やサービス提供についてはエヌ・ティ・ティ ソフトウェア(株)と業務提携を結んだ。

“3Com Education Connect”のメンテナンス・教育サービス

“3Com Education Connect”のスタートにあたり、3ComはRTC(Regional Training Center:地域トレーニングセンター)認定制度を発表。RTCに認定された企業は学校の教師に対するトレーニングや、運用時のトラブル対応といったサービスを担当することになる。3Comが販売するのは上記のスタンダードキットなど製品のみで、製品のサポートやメンテナンス、教育といったサービスについてはRTC加盟企業と別途契約し、別途料金を見積もる必要がある。

現在、RTCに加盟する企業は、NTTソフトウェア、(株)システムソリューションセンターとちぎ、ネクストコム(株)の3社。加盟企業が、各都道府県に2~3社になるよう、3Comでは今後リクルーティング活動を行なうという。

土本良司代表取締役社長 土本良司代表取締役社長



3Comの土本良司代表取締役社長は、新事業の発表に先立ち、「グローバル化の時代の読み書きそろばんには、外国語とコンピューター操作能力が必要」という'99年6月ケルンサミットの小渕恵三総理の言葉を引用。「読み書きそろばんと同じように、ネットワーク技術やテクノロジーを学習するのが重要と認識している」と語った。

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