“COMDEX/Fall'99”は、米国ラスベガスで15日から開幕するが、前日の日曜日の夜、恒例行事となった米マイクロソフト会長兼CEOであるビル・ゲイツ氏の基調講演がおこなわれた。ここ数年、COMDEX/Fallの幕開けを飾るサンデーナイトとしてすっかり定着したイベントだ。同氏が持つ将来へのビジョンや同社の製品・戦略を語る場として例年大きな注目を集めている。
ゲイツ氏はステージに登場直後に開口一番、「弁護士のいいジョークを知らないかい?」と切り出した。ご存じのとおりマイクロソフトは訴訟のまっただ中にあり、独占認定がおこなわれたばかり。昨年に続き訴訟ネタをジョークにしたことで、会場は文字どおり爆笑の渦。おおいにウケていた。同氏は訴訟に関しては断固戦うこと主張、Windowsの開発を強力に続けていく姿勢を示した。ジョークといえば、このあとに流されたデモビデオにおいても同氏は人気コメディ映画『オースティン・パワーズ』の主人公に扮して登場。ホンモノのマイク・マイヤーズよろしく美女とのダンスも披露した。昨年に続き、自らをパロディにしたビデオで、会場はおおいに盛り上がった。
講演のポイントは、やはりインターネット。今後インターネットがますます個人レベルで重要に、かつ身近になってくるとし、「パーソナルウェブ」と呼ばれるプライベートな環境が登場すると話した。そしてそのカギを握る技術としてXMLを挙げ、XMLによってあちこちにあるウェブサイトのエレメントをパーソナルな環境に再構築することができると語った。次に登場したのはそのインターネット環境を支える存在としてのWindows
2000。信頼性に優れ、管理しやすく、新しいデバイスを使うことができる、インターネットビジネスを支える最適な環境であると紹介。予定どおり出荷されることを確約した。
最後にWindows CE搭載の新しい携帯端末『Web Companion』を紹介した。これは同社のMSNサービスにアクセスするための専用端末。簡単なインターフェイスとキーボードを装備するもの。AcerやPhilips、Thomson
Multimedaなどが製品を試作しており、2000年に発売される予定だと話した。
なお翌日の月曜日にヒューレット・パッカードの女性CEOであるCarly
Fiorina氏、ソニーの出井伸之氏、LinuxのLinus Tovalds氏ら3氏の基調講演も予定されており、目が離せない。