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カテナ、旧システムをソフト開発方法論『Lyee』のプログラム構造に自動変換する体系などを発表

1999年11月09日 00時00分更新

文● 編集部 井上猛雄

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カテナ(株)は、8日、東京千代田区のアーバンネット大手町ビルにおいて、同社が昨年9月に発表した新しいソフト開発方法論『Lyee』(Governmental Methodology for Software Providence:単語の語尾をとってLyee)に関する新体系などを発表した。今回の説明会は、12日に東京全日空ホテルにおいて開催される『Lyee』の導入と実際運用に関する技術セミナーに先立ち開かれたもの

『Lyee』は、カテナの関連会社であるソフトウェア生産技術研究所(株)が開発したソフトウェア開発方法論。ソフトを意味の構造(同期構造)で捉え、その同期構造に単語ごとのプログラムを当て込むことで、システムを開発できる。従来、ソフト開発に必要だった“基本設計”や“詳細設計”などのプロセスが不要になり、仕様変更に対応できるという特徴がある。

左からカテナの小宮氏、ソフトウェア生産技術研究所の根来氏、日新製鋼の永松氏
左からカテナの小宮氏、ソフトウェア生産技術研究所の根来氏、日新製鋼の永松氏



まず、カテナ代表取締役社長の小宮善継氏から、『Lyee』発表後の技術的な進展に関する説明があった。小宮氏は、Lyeeのプログラム構造が拡張されたこと、旧システムをLyeeのプログラム構造に自動変換する体系が完成したこと、開発支援システムの完成などを発表した。

また、Lyeeに関する基本特許を固め、さらに周辺特許も徹底的に取る方針であることを明らかにした。すでに日本を含めた26ヵ国に国際特許を出願している。

日新製鋼(株)の永松憲一氏からは、Lyeeの基本的な説明と、同社が導入、開発した事例について紹介があった

「Lyeeのプログラム構造は、従来のプログラム構造よりも処理が劣るのではないか? という声が聞かれたが、実際に性能を評価してみて、従来法と比べて優れた性能を持つことが分かった」と述べた。

永松氏は従来のプログラミングとLyeeの理論をたとえ話で比較し、「従来法は将棋、lyeeは囲碁に相当する。碁は機能を持たない白黒の石を配置するだけなのに対し、将棋は機能と方向性を使って戦う点にある」と説明し、Lyeeが従来法と根本的に異なり、ソフト開発に向いている構造であることを強調した。

また、開発者であるソフトウェア生産技術研究所の根来文生氏は「よいソフト開発の方法論は開発時間の短さである。また、バラツキがあってもいけない」と、Lyeeの優位性をアピールした。

カテナでは、社内にLyeeシステム営業部を設置し、同社を通してソフトを委託開発している。現在14社の企業に対し、一括またはパッケージ的に同手法を使ったソフト開発(内8社は開発済)を手掛けている。Lyeeを使用して自社で開発する場合、使用許諾権として3億円が必要になる。現在のところ使用許諾権を得て自社開発しているメーカーはないが、契約を前提としている企業もあるという。

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