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インターネットの経済規模は2001年に1兆円を突破――米IDCが予測

1999年11月08日 00時00分更新

文● 月刊アスキー編集部 佐々木俊尚

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インターネット投資は技術からマーケティングなどへ

米国の調査会社、International Data Corporation(IDC)は、世界全体でのインターネットの経済規模が2001年には1兆ドル(約120兆円)を突破すると予測する調査結果を発表した(米国時間11月3日)。今後は、技術や通信インフラへの投資に替わり、マーケティングやセールス、コンテンツ制作など非技術分野への投資が増大するとしている。

IDCによると、'98年には1240億ドル(14兆8800億円)だったインターネットの経済規模は、2001年に1兆ドルを突破し、さらに2003年に2兆8000億ドル(336兆円)にまで達する見通しである。

IDCの計算では、'98年の段階で、インターネットで1ドルの電子商取引が行なわれると、うち93セントが通信インフラの整備に回されていた。だが2003年までには、この比率が著しく改善され、マーケティングやコンテンツ制作などサービス関連の投資が主になるとみている。

'98年の同社の統計調査では、通信インフラを含む技術関連投資が、世界全体のインターネットでの取引の52パーセントを占めた。だが'99年の統計調査では、この比率が逆転し、非技術分野への投資が過半数に達するとIDCは予想している。さらに2003年には、技術分野への投資が全体の39パーセントにまで減少する可能性があるという。

わずか1年で予測を2倍以上も上方修正

IDCの上級アナリスト、アンナ・ジラルド・カー氏は「'90年代前半から始まるインターネット黎明期には、技術やインフラ強化のための投資が電子商取引を臨界点にまで押し上げる原動力となった。だが今後は非技術関連への投資が主要な位置を占めるようになるだろう」とコメントしている。

IDCは毎年、こうした調査をまとめて発表しているが、'98年夏の段階では「2002年にはインターネットの経済規模は5180億ドルに達する」と予測していた。わずか1年あまりで予測を2倍以上も上方修正したことになり、アナリストたちの予想の範囲をはるかに越える勢いでインターネットの商取引が拡大していることが分かる。

この調査結果が発表された直後の11月5~6日、ジュネーブで開かれていた世界貿易機関(WTO)の非公式首席代表者会議で電子商取引の課税問題が討議された。少なくとも2年以内に開かれる次回会議までは、引き続き、電子商取引を非課税とすることが事実上決まった。米国などは恒久的な免税措置を取るよう求めており、こうした国際的バックボーンが電子商取引の拡大をさらに爆発的なものにしているといえる。

日本の電子商取引の遅れは地位低下に直結

一方、EC先進国の状況と比べ、日本ではこの秋、ようやく通信インフラの整備が始まったばかり。ISDNを利用するNTTのIP接続サービス試験開始や東京めたりっく通信のxDSL接続サービスの発表で、来年あたりには一般家庭などにもそろそろ常時接続環境が導入されてくるのではないかという現状だ。

高価なアクセスコストを必要とする通信インフラの問題に加え、商習慣の障壁なども影響しているようで、日本の電子商取引の普及は遅い。インテル社長兼CEOのクレイグ・バレット氏も11月2日に都内で行なった講演で、「日本では電子商取引が2~3年は出遅れている。日本が経済大国であり、世界経済に占める相対的地位を考えると、これは懸念することになる」と述べている。

米フォーチュン誌が今年4月に発表した恒例の“世界の企業TOP500”では、電子商取引関係の企業がついに4割に達し、200社を越えた。それに対し、不況から今も抜け出せていない日本の企業は前年より12社減り、100社にとどまっている。時代の最先端だけを見れば、電子商取引業界は日本経済の規模を上回ってしまっている。

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