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L&Hジャパン、“L&H Day”を開催───5年以内に非英語圏インターネットユーザーが半数を超え、音声ベースのリアルタイム翻訳技術が登場

1999年11月05日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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*レルナウト・アンド・ホスピー・ジャパン(株)とエル・アンド・エイチ・ジャパン(株)(以後両社をまとめてL&Hジャパンと表記)は4日、都内のホテルにおいて自社の製品や技術を紹介する“L&H Day”を開催した。

*レルナウト・アンド・ホスピー・ジャパンとエル・アンド・エイチ・ジャパンは両社とも、ベルギーのレルナウト・アンド・ホスピー・スピーチ・プロダクツの100パーセント出資子会社。エル・アンド・エイチ・ジャパンは、主に製品のライセンス事業や顧客へのサポートを行ない、レルナウト・アンド・ホスピー・ジャパンはそれ以外の会社業務およびマーケティングや研究開発などを担当している。

レルナウト・アンド・ホスピー・ジャパンのルイス・ウー(Louis Woo)代表取締役社長
レルナウト・アンド・ホスピー・ジャパンのルイス・ウー(Louis Woo)代表取締役社長



L&H Dayの開会にあたり、レルナウト・アンド・ホスピージャパンのウー社長が、同社の事業の概要を説明した。

L&Hジャパンは、ベルギーに本社を持つ、音声と言語に関する製品とサービスを提供している会社で、その開発研究部門は、民間の音声・言語研究開発機関としては世界最大のものになるという。「L&Hの使命は人と人、人と機械、機械と機械を結ぶソリューションを提供すること」(ウー社長)といい、製品・サービス群は音声認識、音声合成、音声圧縮、翻訳など多岐にわたっている。

L&Hジャパンは3つの部門からなる。テクノロジー&ソリューション部門は、音声や言語技術を基盤とした製品やサービスを、企業やOEM先に提供しており、コンシューマーエレクトロニクス機器、カーナビゲーション、コンピューターテレフォニー分野で利用されているという。アプリケーション部門は、ソフトウェア製品の開発と市場への投入を担当し、言語翻訳ソフトウェアや音声認識ソフトウェアなどを提供している。コンサルティング&サービス部門は、企業などに向けた、多言語の書類作成サービスの提供しており、ソフトウェアのローカライズ、多言語のテクニカルライティングサービスなどを行なっているという。

ベルギーのレルナウト・アンド・ホスピー・スピーチ・プロダクツ社のガストン・バスティアンズ(Gaston Bastiaens)社長兼CEO
ベルギーのレルナウト・アンド・ホスピー・スピーチ・プロダクツ社のガストン・バスティアンズ(Gaston Bastiaens)社長兼CEO



続いて、ベルギーの本社であるレルナウト・アンド・ホスピー・スピーチ・プロダクツのバスティアンズ社長兼CEOが、音声および言語マーケットの今後の見通しと、L&Hの事業方針についてスピーチを行なった。

バスティアンズ氏によると、インターネットの急速な普及はまだまだ続くが、インターネットが米国から広まったこともあり、標準言語は英語(米語)となっている。しかし、インターネットユーザーが増え続けることで、2003年には英語を母国語とするインターネットユーザーの割合は半分以下になるという数字を挙げ、“インテリジェントエージェント”と呼ばれる、コミュニケーションの手助けを行なう仕組みが登場するという見通しを述べた。インテリジェントエージェントが行なうのは、たとえば、各国語を使うユーザーが集まるチャットシステムで、それぞれユーザー自身の言語で読み書きできるように自動的に翻訳を行なう、といった作業。

また、5年以内に音声ベースのリアルタイム翻訳が可能となり、これによって電話がエレクトリック・コマースの手段の1つとなるという。英語がしゃべれない人でも、リアルタイム翻訳サービスを利用して、世界中の店に電話をかけてものを買うことができるという。

小型の情報端末やカーナビゲーションシステムの音声インターフェースの搭載についても、数年後には標準インターフェースとして採用されるという。スピーチ中には、音声認識・音声合成ライセンス市場や、パソコン用音声認識ソフトウェア市場は、数年後にはそれぞれ10億ドル(約1040億円)規模の市場に成長するという数字も示された。

インターネットにアクセスする人の、非英語圏の人たちが増えるにつれ、自動翻訳機能はますます重要になるとした。現在、同社の多言語対応翻訳ソフトウェアは、英語、米語、日本語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、オランダ語、ポルトガル語、韓国語、中国語、アラビア語の12ヵ国語に対応しているが、これにノルウェー語、ヒンディー語、マレー語など24言語を追加する計画という。

日本での新事業の展開にもふれ、カーエレクトロニクス、電話、コンシューマーエレクトロニクス製品などの組み込み製品の開発を行なうメーカーに対して、システムサポートや技術者のトレーニングなどを行なう、“L&Hカスタマー・サポート・センター”を東京に来年の前半設置する予定であることを明らかにした。

さらに、丸紅ソリューション(株)と(株)ファウンデーション・テクノロジーと、医療・電力・金融市場に向けたアプリケーションの共同開発を行ない、年末までに製品を発表する予定であることも発表された。

続いて、同社の製品技術説明とデモンストレーションがおこなわれた。アメリカですでに提供されている、警察向けの調書作成システム(必要な事項を音声により埋めていくことで、定型の文章が作成される)や、ドリームキャスト用ゲーム『シーマン』(音声認識により、プレイヤーの言葉にキャラクターがさまざまな反応をする)、富士ゼロックス(株)の対話型英語学習装置『ポケット・トーキング・コーチ』(音声合成による読み上げと、音声認識による発音の採点を行なう)などが紹介された。

中でも目を引いたのは、アメリカではすでに発表されているパソコン用パッケージソフト『Voice Xpress』と、音声合成・テキスト読み上げソフト『RealSpeak』のデモンストレーション。

Voice Xpressのデモ。ほとんどの操作が音声で可能
Voice Xpressのデモ。ほとんどの操作が音声で可能



Voice Xpressは、Windows 95/98向けのソフトで、音声によってWordやExcelなどのオフィス製品の操作を行なうもの。ほとんどマウスを使用せずに、Wordを立ち上げて文章を入力し、さらにExcelで作成した表を整形してWordに貼り付け、文字の装飾などを行なって事務文書を作るというデモが披露された。

また、人間の発声に近い“リアルな”音声合成が可能というRealSpeakのデモンストレーションでは、英語とドイツ語で入力したテキストを読み上げさせるデモが行なわれたが、従来の“合成されたコンピューターの音声”というイメージを払拭する、非常に自然な発音であった。デモを担当したL&Hジャパンの長谷川雅美副社長によると、「あまりに自然なのでなかなか(合成していることを)信じてもらえない」、ドイツ語では「あまりに発音がきれいすぎるといわれる」という。

最後に開発中のRealSpeak日本語版の合成音声が披露された。開発途中ということもあってか、人間がしゃべっていると誤解するほどではないが、かなり流ちょうな発音であった。携帯電話などを経由すれば、ほとんどわからなくなると感じられるレベルだった。

音声認識や翻訳ソフトをパッケージにしたは、日本でも2000年夏までに出荷の予定。またRealSpeakの日本語版は2000年の第1四半期に、コンピューターテレフォニー向けから出荷を開始するということも明らかにされた。

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