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ローランドが秋の新製品を発表--USB機器がさらに充実

1999年11月04日 00時00分更新

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ローランド(株)は2日、都内で秋の新製品内覧会を開催した。今回発表したのは、USB対応の新音源『SC-8820』、USB対応デジタルスタジオシステム『U-8』、ラックマウントタイプ24bitデジタルレコーダ『VSR-880』の3機種。同社は世界で初めてのUSB製品をリリースするなど、コンピューターミュージックやオーディオデバイスのUSB化に積極的に取り組んでいるが、今回もあらためてそれを示すラインナップとなった。

 SC-8820は小形軽量のUSB対応音源。筐体の成形色はシャンパンゴールド。フロントパネルは最小限の情報とボタンのみ
SC-8820は小形軽量のUSB対応音源。筐体の成形色はシャンパンゴールド。フロントパネルは最小限の情報とボタンのみ

 SC-8820は縦置きでの利用も可能だ
SC-8820は縦置きでの利用も可能だ



SC-8820は、同時発音数64、パート数32のMIDI音源モジュール。同社規格であるGSとGM2に対応する。音色数は1608音色、63ドラムセットを内蔵、旧機種のSC-88、SC-55、SC-88Proのほか、上位モデル・SC-8850の音色マップ*もカバーしている。USBインターフェースを装備し、パソコンとケーブル1本でMIDI信号のやり取りができるほか、電源もUSB経由で供給されるバスパワードタイプ。ただし消費電流が約500mAとUSBケーブルで供給できるギリギリなので、ほかのバスパワードタイプのUSBデバイスとの共存はできない。MIDIやシリアルコネクターも内蔵するが、こちらを使うときはACアダプターが必要になる。電源を外に出したこと、LCDディスプレーを省略したことで、筐体は非常にコンパクトに仕上がっており、重さも約400gと軽い。縦置きも可能だ。WindowsとMacintoshのUSBインターフェース搭載機種に対応するが、一部の機種そしてUSBホストコントローラーの種類によっては動作しないケースがあるので、購入の際には注意が必要だ。価格は4万9800円。なお、SC-8820をパッケージした『ミュージ郎』も新たに発売される。

*(音色の配置を決めるマトリックスのこと。MIDIデータの中には特定の音源用に作られたものがあるので互換性は重要)

 U-8はUSBベースの8チャンネルデジタルレコーディングシステム。パソコンのリソースをできるだけ流用した点がポイント
U-8はUSBベースの8チャンネルデジタルレコーディングシステム。パソコンのリソースをできるだけ流用した点がポイント

 U-8のコントロールは本体側で行なう。フェーダーやボタンを操作すると、パソコン側の表示もリアルタイムで変わる
U-8のコントロールは本体側で行なう。フェーダーやボタンを操作すると、パソコン側の表示もリアルタイムで変わる

 U-8を中心にしたシステム。操作はすべてU-8本体でできるため、キーボードやマウスはほとんど使うことはない。MIDI音源やキーボード、ギター、マイクなどを接続して録音する
U-8を中心にしたシステム。操作はすべてU-8本体でできるため、キーボードやマウスはほとんど使うことはない。MIDI音源やキーボード、ギター、マイクなどを接続して録音する



U-8は、専用ハードウェアU-8本体とシーケンス&アレンジソフトウェアのパッケージ。MIDIとオーディオ信号をデジタルレコーディングすることができるスタジオシステムだ。パソコンと本体をUSBで接続、『SingerSongWriter』をベースにしたソフトウェア『U-8コンポーザー』をインストールして使用する。従来のハードディスクレコーダー専用機から、表示パネルや記録メディアなどの役割をパソコン側に移し、エフェクターやA-D/D-Aコンバーター、フェーダーなどのコントローラーの機能を本体に残した、そんなコンセプトの製品だ。オーディオトラック数は8、それぞれにテンポラリーにテイクを保存しておける仮想トラック・Vトラックを8つ持っており、計64トラックに対応(同時録音は1トラックのみ)。A-D/D-Aのコンバートは20bit、内部処理は24bitで行なわれる。インサーションやシステムなどのマルチエフェクト機能も内蔵する。U-8コンポーザーのコントロールはすべてU-8から行なえる。マウスやキーボードの動きもU-8本体のカーソルボタンとジョグダイヤルでエミュレートできるため、ユーザーの手はU-8だけに集中できる。製品にはMP3へのコンバートソフトも付属する。対応機種はWindowsのみ。ただしSC-8820同様、一部の機種、USBコントローラーには対応していない。価格は6万9800円。米国や欧州では同梱するコンポーザーソフトをCUBASEやCakeWalkなどにアレンジして発売する予定だ。

 VSR-880は8チャンネル対応のデジタルレコーダー。ラックマウントタイプは同社では初めて。フロント右下にHDDを内蔵する
VSR-880は8チャンネル対応のデジタルレコーダー。ラックマウントタイプは同社では初めて。フロント右下にHDDを内蔵する

 VSR-880は同社のデジタルバス規格“R-BUS”対応製品と接続して、より大きなシステムを構築できる
VSR-880は同社のデジタルバス規格“R-BUS”対応製品と接続して、より大きなシステムを構築できる


VSR-880は、同社がこれまで15万台を出荷してきたハードディスクレコーダー専用機・VSシリーズのラックマウントモデル。前出のU-8はパソコンユーザー、VSR-880はハイエンドユーザーを対象にしている。トラック数は8+8Vトラックを2バンク分持ち、同時録音可能なトラックは8つ。入力はアナログが10チャンネル、出力はアナログ8チャンネルを装備する。処理bit数はA-D/D-A、内部処理を含めすべて24bitで処理される。また同社のデジタルバス規格“R-BUS”端子を持ち、R-BUS対応のデジタルミキサーや複数のVSR-880と組み合わせてより多チャンネルのシステム構築もできる。価格は11万8000円。

 展示会場にはiBookも展示された。ローランドはMacintosh対応製品も精力的に発売している
展示会場にはiBookも展示された。ローランドはMacintosh対応製品も精力的に発売している

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