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大手商社5社ら、貿易金融EDIシステム『TEDI』を開発へ--貿易文書を電子化、2000年9月にも実用化

1999年11月01日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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三菱商事(株)ら大手商社5社は、貿易金融EDI(Electronic Data Interchange)システム『TEDI(テディ)』の開発に着手する、と発表した。ほとんど紙の文書で行なわれている貿易取引を電子化することで、取引の迅速化とコスト削減を目指し、国際的な競争力をアップさせるのが狙い。システム開発はエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)らが行なう。2000年4月に実地検証を開始、本格的スタートは同年9月を目標にしている。

TEDIの開発着手を発表する商社5社の代表
TEDIの開発着手を発表する商社5社の代表



開発着手を発表したのは、商社が主査の三菱商事と、三井物産(株)、伊藤忠商事(株)、住友商事(株)、丸紅(株)。システムベンダーはNTTコミュニケーションズと日本アイ・ビー・エム(株)、(株)日立製作所、富士通(株)。また“TEDIプロジェクト”には9大商社とさくら銀行など都銀7行、損保、海運・航空会社らが参加している。

EDIとは、主に企業間の取引文書を電子化する電子商取引の一形態で、抜本的に業務を効率化するものとして研究が進められている。三菱商事らは、貿易金融部門でのEDI推進を図り、通産省のバックアップを受けて今年3月に“貿易記入EDIガイドライン”を策定。同ガイドラインに基づいたシステムの仕様を検討し、具体的なめどがついたため今回の発表となった。

同システムでは、文書はEDIの国際標準“EDIFACT”に準拠した船積依頼書、貨物受取書など34種類を用意、海外取引の際の互換性に配慮した。文書はXML形式で記述され、実際のインターフェースはウェブベースで構築。例えば、売主がウェブのフォームに書き込んだデータを海貨業者に送信すると、海貨業者側でデータが自動的に転記され、船会社に転送。船会社でもデータを転記、売主に転送し、最終的に売主が照合する、といった仕組みとなる。認証には国内外の認証機関に幅広く対応させる。

ウェブを基本にしたのは、サーバーの運営が難しい中小企業に配慮したため。海外で運用が始まっているEDIシステムとの接続性を高めるため、システムの仕様、規約とも公開する方針。実際の運用をどこが担当するかはまだ決まっていないが、「特定企業の色がつかない形が望ましいだろう」(三菱商事情報企画部長の川島照氏)としている。

開発費用は通産省が“電子商取引推進事業”の一環として、'98年度第3次補正予算に約20億円を計上。2000年4月に開始予定の実地実験では、商社と銀行、保険、運輸4業界の国内20社と海外企業が参加し、北米、ヨーロッパ、アジア3地域を対象に自動車や化学品などの取引を行なう予定だ。本格的な利用は同年9月にも開始する。

現状では貿易取引の際、企業間で1取引当たり最大で40もの文書がやりとりされており、うち7割は紙にデータを転記するものだという。TEDIを導入することで、貿易実務の省力化と迅速化を図り、時間とコストを削減、国際的競争力の向上を図る。

「企業規模に関わらず、誰でもどことでも電子的につながるオープンなシステムを目指す」と語る川島氏 「企業規模に関わらず、誰でもどことでも電子的につながるオープンなシステムを目指す」と語る川島氏



発表会では、三菱商事情報企画部長の川島照氏が、「現状では、約200項目のデータを何度も転記して書類をやり取りしており、紙に埋もれて仕事しているのが実態。TEDIの導入で、より速く、安全に情報を伝えることができ、コストも格段に安くなる」と新システム開発の意義を強調した。

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