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インプレス、グループ企業を完全子会社化――来年度には株式公開も

1999年11月01日 00時00分更新

文● いちかわみほ

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(株)インプレスは11月1日に事業戦略説明会を行なった。その場で12月3日付で持ち株会社化し、グループ企業6社を完全子会社とすること、今期決算後に店頭市場へ株式公開を申請する予定であることを発表した。

これによりグループ全体としての連携を強め、出版分野での取材力を強化、ネットワーク事業、EC事業もさらに拡大していく、としている。

インププレスの塚本慶一郎氏(中央)は、「メディアを活用した“デジタル局”としての存在をさらに大きくしたい」と語る
インププレスの塚本慶一郎氏(中央)は、「メディアを活用した“デジタル局”としての存在をさらに大きくしたい」と語る



これまでインプレスグループでは(株)インプレスを中心としながら、音楽出版を中心とする『リットーミュージック』、デジタル系の出版を中心とする『エムディーエヌコーポレーション』などのグループ会社6社は、それぞれ個別の経営を行なう“分社経営”を実施してきた。各社の80パーセント以上の株を塚本社長が保有する形でインプレスグループを形成している。

しかし、今年10月1日の商法改正により日本でも株式交換制度が可能となったことで、グループ経営に最適だとして株式交換方式による事業持株会社へと移行することにした。国内未上場企業での同方式による持株会社化は同社が初めて。

株式交換制度は、アメリカでは企業買収などでよく使われている方法。子会社の株すべてを親会社の物とし、子会社の株主へは親会社の株を割り当てるというものだ。これにより株主全体の総意で決めなければならなかった子会社の経営方針を、親会社が100パーセント決めることができるようになる。

インプレスは10月に大和SBCM、ゴールドマンサックスから約26億円の投資を受け大幅増資を実施、役員構成の変更も同時に行なうなど、意欲的な経営改革をしている。来年3月の決算後には店頭市場への公開も行なう予定。

塚本社長は今後の経営について、「産業革命から情報革命の時代へと大きな変化の波を迎えている現在を絶好のチャンスととらえ、メディアを活用した“デジタル局”としての存在をさらに大きくしたい。アウトソーシングの推進、他社との戦略的提携も積極的に進める。米国ゴールドマンサックスからの投資を受けたのも、海外インターネット企業の日本進出に際して、国際基準に対応できるノウハウを手に入れるため。株式公開を実施することで、さらに意欲的に事業を拡大していきたい」と述べた。

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