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沖電気工業、コンピューターテレフォニーシステム『CTstage』にIPテレフォニー機能などを追加した新バージョン発表

1999年10月28日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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沖電気工業(株)は、コンピューターテレフォニー統合システム『CTstage Version3.0』を発表した。今年6月に発表した『CTstage Version2.0 SP2』からのバージョンアップで、新たにIPテレフォニー(インターネット電話)機能と分散コールセンター機能、音声認識機能を追加した。

CTstage Version3.0のコールセンターオペレーター画面
CTstage Version3.0のコールセンターオペレーター画面



コンピューターテレフォニー統合システム(CTI)とは、企業内の電話をコンピューターで管理し、音声通信をデータ通信と連動させて情報を効率よく活用するシステム。顧客との接点となるカスタマーサポートセンターなどで導入が進んでいる。CTstageは、CTIを実現するサーバーアプリケーション。'96年9月に最初のバージョンをリリースした。

新バージョンではIPテレフォニー機能が加わった。アナログ回線の音声を、サーバーがIPパケットデータに変換して中継。企業側ではLANを通じてクライアントPC上から顧客に対して応答することができる。同社では「ネットワークがIPベースに集中しつつある中、IPテレフォニーに対応したことでクライアント環境の柔軟性も増す上、二重投資を防いでコスト削減も図れる」としている。音質はアナログ電話と変わらず、遅延もほとんどないという

また分散コールセンター構築にも対応。コールセンターの8割は50席以下の小規模で、人件費削減のため地方に分散して設置するケースが増えている。新バージョンでは、全国に散らばるコールセンターを、サーバー間の連携を行なうことで1つのコールセンターとして運用し、あるコールセンターの全回線がビジー状態だった場合、掛かってきた電話を、回線が空いているセンターに顧客データごと転送する、といったことが可能になる。ISDNとIPテレフォニーに対応し、専用線、あるいはLAN/WANを経由し、分散しているセンターを統合して1つの大規模コールセンターを構築できる。

音声認識への対応では、ケイディーディー研究所(株)が開発したエンジンを採用。携帯電話からの利用を考慮し、単語レベルでの認識を可能とし、プッシュボタン操作を省くことができる、としている。認識率は90パーセントほどだという。

既存機能の強化ポイントでは、iモード端末からのボイスメールの読み出しや電子メールの参照に対応した。

出荷は2000年1月から。インテグレーションされた場合の価格は、デスクトップタイプの内線無しモデル(外線4チャンネル)が198万円、ラックマウントタイプのIPテレフォニーモデル(外線23チャンネル、IPテレフォニー24チャンネル)が1173万円などとなっている。

製品販売のパートナー企業は現在60社だが、'99年度内に100社にまで増やしたい」とする疋田副部長製品販売のパートナー企業は現在60社だが、'99年度内に100社にまで増やしたい」とする疋田副部長



発表会では、同社情報通信ネットワーク事業部副部長の疋田定幸氏が、「当社では、ネットワーク社会とネットワークインフラを結びつける“サービスブリッジ”の提供を目指している。CTstageはネットワークソリューションを実現する戦略的商品と位置付けており、新バージョンは21世紀に対応できる商品だ」と自信を見せた。同社では、25日に企業内電話をIPベースに統合するシステム『IPstage』を発表しており、疋田氏は「CTstageとIPstageを組み合わせたシステム提供も考えている」としている。

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