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米ユニスフィア・ソリューションズ、キャリアー向けスイッチルーターで日本市場に参入と発表

1999年10月26日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米ユニスフィア・ソリューションズ社は、*キャリアークラスの電気通信事業者に向けたスイッチルーター製品、『ERX Edge Routing Switch』の発売を開始するとともに、日本市場への参入を発表した。

*キャリアークラスの電気通信事業者:NTT、KDD、日本テレコムといった、回線を持つ通信事業者。

米ユニスフィア・ソリューションズ社、社長兼CEOのマーチン・クレイグ(Martin Clague)氏
米ユニスフィア・ソリューションズ社、社長兼CEOのマーチン・クレイグ(Martin Clague)氏



ユニスフィア・ソリューションズは、独シーメンス社が100パーセント出資する子会社。米Argon Networks社、米Castle Networks社を買収・統合する形で3月に設立された(設立後、米Redstone Communications社も買収)。通信事業者に向けた、IPを核とした音声/データ通信製品・サービスの専門企業。通信事業者が付加価値サービスを迅速に市場に提供して加入者を増やし、新しい収益源を確保できるように手助けすることを目指すという。

同社では通信事業者のネットワークを、契約加入者がネットワークサービスを最初に受ける部分である“エッジ”と、集約された何十万ものトラフィックが集中する部分である“コア”に分けて、それぞれに製品を提供する。初年度の売り上げは、世界で1億2500万ドル(約134億円)を見込んでいるという(ここの地域での内訳けは明らかにされていない)。

米ユニスフィア・ソリューションズ社、アジア・パシフィック地域担当副社長アダム・ジャッド(Adam Judd)氏
米ユニスフィア・ソリューションズ社、アジア・パシフィック地域担当副社長アダム・ジャッド(Adam Judd)氏



今回発表されたERX Edge Routing Switchは、エッジに向けた製品ファミリー。エッジ製品では、加入者を直接受け入れるための、チャネル化E1回線、非チャネル化E1回線などさまざまな接続インターフェースへの対応が必要で、ネットワーク内部に入ってくるパケットを高速に処理する能力が要求されるとしており、現在市場にあるエンタープライズ向け製品では提供できない、冗長性、信頼性、パフォーマンス、VoIP(Voice over IP)やVPN(Virtual Private Network)などのIP対応機能を、通信事業者が要求するレベルで提供可能という。ERX Edge Routing Switchでは、高速ASICとIPサービス機能搭載のソフトウェアを組み合わせることで、こうした高度な要求に応えることができるという。

『ERX-1400』  『ERX-1400』


製品価格は構成により異なるが、14スロットを装備するERX-1400が基本構成の場合、4万9950ドル(約530万円)からとなっている。

(株)ネットマークス、代表取締役社長の長尾多一郎氏
(株)ネットマークス、代表取締役社長の長尾多一郎氏



記者発表では、ユニスフィア・ソリューションズの、日本での事業展開についても説明した。それによると、現在はまだ事務所を設置したばかりではあるが、すでに第一種通信事業者をターゲットに売り込みをはかっているという。「事務所は営業・技術担当を含め8ないし12名を計画している」(同社日本カントリーマネージャー大須賀雅憲氏)ということで、顧客には直接コンタクトを行なうが、直接製品やサービスの販売については、シーメンス(株)と(株)ネットマークスを通して行なうという。日本法人の設立も計画しているが、現時点ではまだ時期は確定していない。

ユニスフィア・ソリューションズ製品の販売に関して、パートナーとなるネットマークスの長尾社長は、「シスコやノーテル、アルカテルといった企業がさまざまな製品・サービスを展開しているが、シーメンス(ユニスフィア・ソリューションズ)が、最後に一番いい回答を持って登場したと考えている」と、ユニスフィア製品に対する期待と自信を見せた。

ネットマークスは、住友電気工業(株)から2年ほど前に独立したシステムインテグレーター。これまでは自動車メーカーや重工業分野の企業向けにネットワーク製品の販売を行なってきたが、ユニスフィア・ソリューションズの製品を持って、通信業界へ事業展開を図っていくとする。同社では、品川にサポートセンターを持っているが、ある会社の買収を計画しており、それによってこのサポートセンターを拡充、日本でのユニスフィア・ソリューションズ製品のサポートを行なっていくことを明らかにした。

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