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インプライズ、開発者向けカンファレンスでアプリケーションサーバー最新版『Inprise Application Server 4』を発表

1999年10月25日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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インプライズ(株)は、システム開発者向けに同社の新製品や最新技術について紹介するカンファレンス“Inprise Conference 99 Tokyo”を開催した。また同社は、カンファレンス会場内で、企業システム構築向けアプリケーションサーバーの最新バージョン『Inprise Application Server 4』を2000年1月25日に発売すると発表した。

Inprise Application Server 4は、Java 2 Enterprise Editionを実装、EJB(Enterprise JavaBeans) 1.1に対応したEJB運用環境を提供できる。また、CORBA 2.3にも対応し、CORBAのORB(Objects Request Broker)技術『Inprise VisiBroker 4』を採用する。CORBAとJavaの技術を融合することで、負荷分散機能を備えた堅牢なシステムの構築が可能になるという。

『Inprise Application Server 4』画面
『Inprise Application Server 4』画面



さらに、ウェブサーバーを統合しており、クライアント側でウェブブラウザーからアクセスできるHTMLベースのアプリケーション構築が可能。そのほか、すべての機能にアクセス可能なGUIベースのアプリケーションサーバーコンソール、ウェブクライアントからのリモート管理などの機能を搭載する。

対応OSは、Inprise Application Server 4がWindows NT、Solaris、HP-UX、AIX。Inprise VisiBroker 4がWindows NT、Solaris、HP-UX、AIX、Linux。Inprise Application Server 4のLinux対応版は後日リリースされる予定。価格は180万円から。

また同社は、企業向けにInprise Application Server 4のβ版評価プログラムを11月1日に開始する。

同社代表取締役社長の大木博氏は「21世紀に向けて、アプリケーションサーバーがIT市場を引っ張っていくだろう。これからがアプリケーションサーバーの真の競争時代となる。われわれは、より簡単にウェブアプリケーションを構築できるようなツールを提供していく」としている  同社代表取締役社長の大木博氏は「21世紀に向けて、アプリケーションサーバーがIT市場を引っ張っていくだろう。これからがアプリケーションサーバーの真の競争時代となる。われわれは、より簡単にウェブアプリケーションを構築できるようなツールを提供していく」としている


米本社CTOによるカンファレンス基調講演

Inprise Conference 99 Tokyoでは、米インプライズ社CTO兼プロダクトデヴェロップメント担当副社長のJeff Barca-Hall(ジェフ・バルカホール)氏が基調講演を行なった。

同氏は「インターネットはいろいろなものを変えた、ビジネスモデルがその1つだ。消費者はバイヤーに24時間アクセスでき、市場が売り手中心から買い手中心となった。バイヤー自身も地域ではなく世界が相手になった」と説明。
同氏は「インターネットはいろいろなものを変えた、ビジネスモデルがその1つだ。消費者はバイヤーに24時間アクセスでき、市場が売り手中心から買い手中心となった。バイヤー自身も地域ではなく世界が相手になった」と説明。



「ビジネスモデルの変化に対応するためには“E-ビジネス”の導入が必要だ。E-ビジネスはE-コマースではない。E-コマースはオンライン販売で消費者がショッピングカートを使って商品を発注できるという便利な機能ではあるが、これはあくまでも発端である。オンライン販売サイトのショッピングカートで消費者が注文した後の、在庫確認やサプライヤーへの商品発注といった、さまざまなやり取りがE-ビジネスだ」

「今後、企業間のやり取りであるサプライチェーンがサプライウェブとして開花するだろう。消費者からの注文を24時間体制で受け付け、サプライヤーに商品を発注し、納入日を消費者に知らせるといった一連の作業は、システムを介し、自動化して行なう必要がある。いままでの古いやり方では、今後は取引できないだろう」

「これまで企業システムに対しては、事業の効率化やコスト削減のために投資が行なわれていたが、2000年以降は、販売促進のためという、より戦略的で必要不可欠な投資として、システムの資質向上が行なわれるだろう。ビジネスモデルの変化に対応できる企業が生き残り、最新技術を採用していく企業が勝者となる」

「企業システムに必要なものは、オープンスタンダード、マルチプラットフォーム対応、分散型アプリケーションだ。われわれは分散アプリケーションツール提供のリーダー的存在であり、マルチプラットフォームにも積極的に対応している。われわれの使命は、開発者の成功を確約すること。ユーザーが成功しなければわれわれの成功もない」と語った。

また同氏は、今後の同社の製品スケジュールについて説明した。本日発表したInprise Application Server 4のほか、『VisiBroker 4』を'99年第4四半期に出荷する。また、『C++Builder 5』、『JBuilder 3 for Linux』、『AppCenter 4』、『InterBase 6 for NT/Solaris/HP』を2000年第1四半期に、『JBuilder 4 for NT/Solaris/Linux』、およびLinux対応の新製品『Kylix』を2000年半ばにリリースするという。Kylixは、Linux対応のC/C++およびDelphi開発環境で、まずコンパイラをリリースし、その後IDE(Integrated Development Environment)を順次提供するという。Kylixの詳細については、2000年前期に発表するとしている。

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