このページの本文へ

サンケン電気、新開発の給電方式を採用した無停電電源装置『FULLBACK SMU』シリーズを発表

1999年10月20日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

サンケン電気(株)は、UNIX/PCサーバー向け無停電電源装置(UPS)の新シリーズ『FULLBACK SMU』シリーズを発表した。給電方式に、同社が開発した“パワーマルチプロセッシング方式”を採用。従来の常時インバーター方式によるUPSに比べ、ロスが少なく省エネルギー性に優れている上、本体サイズが小型化し、価格も抑えることができたという。

FULLBACK SMUシリーズ。本体サイズ、重さとも3割減を実現したという
FULLBACK SMUシリーズ。本体サイズ、重さとも3割減を実現したという



同シリーズは、“エコノミー”と“ハイグレード”の2モデルをラインナップした。両モデルとも、出力容量0.75kVA/0.525kWから3kVA/2.1kWまで6機種が用意されている。入力電圧は80~144Vまで対応し、停電時のバッテリー切替は無瞬断で行なう。高調波低減のためのアクティブフィルターも装備。バッテリー交換はホットスワップが可能。また給電系統を複数に分割する機能を持ち、別々の機器に対し、給電/シャットダウンの制御が行なえる。

エコノミーモデルでの電圧精度は+/-10パーセント、ハイグレードモデルで+/-2パーセント。ハイグレードモデルでは、複数台による連動運転と、並列で使用による冗長運転に対応している。

同シリーズの特徴は、同社が開発した新給電方式、パワーマルチプロセッシング方式だ。この方式では、直列に接続された昇圧用変換器と降圧用変換器によって電圧調整が行なわれる。交流100Vよりも高い、あるいは低い電圧が入力されると、電子制御の変換器が働き、出力電圧を一定に保つという。

現在主流の給電方式である常時インバーター方式では、電圧精度を高めるため商用電源から入力された交流電流を整流器で直流に変換し、その後インバーターを通して再度交流に戻す、といったプロセスを経て電流を出力している。そのため電圧精度は+/-2パーセントと高いものの、交流/直流、直流/交流の2回の変換の際に電流ロスが生じてしまう。

同社によると、常時インバーター方式による効率は83パーセント程度だが、パワーマルチプロセッシング方式では93パーセントと向上しており、常時インバーター方式と同等の電圧精度を実現しながら省エネルギー性にも優れている、という。ロスが少ないためヒートシンクなどを小型化でき、本体サイズと重さを約3割削ることができたという。

本体サイズは、0.75kVAモデルの『SMU-H751/E751』が幅120×奥行き380×高さ295mm、重さ14kg。価格はハイグレードモデルのSMU-H751が10万8000円、エコノミーモデルのSMU-E751が7万6000円。3.0kVAモデルの『SMU-H302/E302』が幅190×奥行き530×高さ450mm、重さ40kg。価格はSMU-H302では47万1000円、SMU-E302が32万2000円。12月上旬からの出荷を予定している。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン