日本ヒューレット・パッカード(日本HP)(株)とグラフテック(株)は、サイン&ディスプレー市場向けの大判インクジェットプリンター分野で提携したと発表した。
グラフテック代表取締役社長片平雅彦氏(左)、同社情報開発統括部 取締役統括部長桑原武之氏(右) |
提携内容は、グラフテックは日本HPと、スーパー・システム・インテグレーター契約(後述)を結び、日本HPの大判インクジェットプリンター*『HP DesignJet CPシリーズ』に、独自の付加価値をつけて、サイン&ディスプレー市場に向け、グラフテックブランドで販売することと、グラフテックは日本HPから、インクシステムとインクシステム周辺部品の提供を受け、オリジナルのインクジェットプリンターを開発し、全世界市場で販売するという2点である。グラフテックによれば、この契約締結により、年間15億円の販売増を目標とするとしている。
*HP DesignJet CPシリーズ:最大600×600dpiの解像度で、幅1370mmまでのロール紙にフォトクオリティーでの印刷が可能な、業務用大判インクジェットプリンター。
両社が結んだ“スーパー・システム・インテグレーター契約”とは、以下の3つから成り、通常のOEM契約とは異なる。
1.グラフテックは日本HPの標準製品を購入し、それに独自のプリンターモードの搭載や、独自のドライバーソフトなどの付加価値を付けて、自社ブランドで販売する。
2.グラフテックは日本HPから、インクジェットプリンターの独自の印字モードを作ることができる“Varware”と呼ぶソフトウェアを利用して、グラフテック独自の印字モードを作成する。Varwareは、グラフテックのドライバーソフトおよびRIP製品によってサポートされる。
3.グラフテックは、自社ブランドで販売される商品と顧客に対し、情報提供、サプライ、保守などのサポート体制を自社で行なう。
日本HP代表取締役社長寺澤正雄氏「今回グラフテックと結んだ、スーパー・システム・インテグレーター契約は、世界初となるもの」という |
グラフテックでは、本日の提携発表と同時に、スーパー・システム・インテグレーター契約に基づいた製品『MasterJet
JC5008』シリーズを発表した。印刷できる幅や、対応するドライバー(Windows/Macintosh)によりバリエーションがあるが、54インチ(1370mm)幅までの印字が可能で、Windows用ドライバーソフトが付属した製品で223万円となっている。20日に販売を開始する。
なお、グラフテックが提供していた、米ENCAD社のインクジェット製品については、すでにこの10日に契約が切れており、今後はサポートなどを除き、扱わないとしている。