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MTCI、ベンチャー投資専門の証券会社“MTCI証券”を設立へ

1999年10月15日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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インターネットサービスプロバイダーの(株)エムティーシーアイ(MTCI)は、設立間もないベンチャー企業への投資を専門に扱う証券会社“MTCI証券”を12月に設立する、と発表した。新規参入が相次いだオンラインブローカーとは異なり、いわゆるグリーンシート銘柄を積極的に取り扱うことで、未公開株市場の流動化と活性化を促すのが狙い。当初はMTCIグループ各社の21銘柄を取り扱う予定だ。

「今必要なものは自分でつくればいい。まず市場をつくることだ」と語る金子氏(右)。左はMTCI会長の早川優氏
「今必要なものは自分でつくればいい。まず市場をつくることだ」と語る金子氏(右)。左はMTCI会長の早川優氏



同社によると、新会社は12月24日に株式会社として設立を予定し、社長には設立準備室長の金子亨氏が就任する。社名は正式決定していないが、“MTCI証券”になる見込み。資本金は金子氏が2億円を個人出資し、最低でも3億円程度でスタートする予定だが、「銀行などに出資を仰ぎ、当初10億円以上で出発したい」(金子氏)としている。 新証券会社は、「まだ事業計画書だけしかない、いわゆるアーリーステージの企業への投資を専門にした日本初の証券会社」(同)。日本証券業協会が開設している、未公開株式向けの“気配公表銘柄市場”、いわゆるグリーンシート市場の活性化を図り、設立当初はMTCIグループの21社を取扱銘柄としてグリーンシート市場に上場していく方針。グリーンシート市場について、日本証券業協会は、数年後に約100銘柄の流通を目指しているが、MTCI証券ではそのうち50銘柄を扱い、同市場でのメーンプレーヤーを目指す、としている。 また新証券会社では、産官学の連携を進めていくという。会津大学教授の池田誠氏と協力し、米国シリコンバレーに財団を設立、若い人材を送り込んでベンチャー経営のノウハウを学ばせる、という。 発表会では、新会社の社長に就任予定の金子氏が、「大手証券会社は、ベンチャー企業向けの未公開市場に対応できておらず、逆にそこに我々のビジネスチャンスがある。市場の流動化を高め、リーズナブルな価格で株を一般投資家に提供できるようにしたい」と語った。 未公開市場向けの証券会社としては、未公開市場“VIMEX”を運営しているディー・ブレイン証券(株)が先行しているが、金子氏は「VIMEXよりももっと裾野の企業が対象で、例えば夫婦2人の会社でも事業計画が良ければ扱いたい」とし、あくまで創業直後の企業への投資が中心だと強調した。また会社の収入については、「グループ21社の公募増資を行ない、その取扱手数料3パーセントだけでも十分にベーシックな収入となる」とした。

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