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日本ランズエンド、ウェブブラウザーのシンクロ機能を利用した商品案内サービスを開始

1999年10月15日 00時00分更新

文● 編集部 鹿毛正之

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アパレルブランドの“LANDS' END”を展開する日本ランズエンド(株)は14日、同社のショッピングサイトを21日からリニューアルすると発表した。同サイトでは、2台のパソコンで同じウェブページをシンクロして見ることができる機能を導入。同社のオペレーターが電話やチャットで商品案内を行なう“ランズエンド・ライブ”などのサービスを提供する。

米国に本拠を置くLANDS' ENDは、通信販売専業のアパレルブランドとして最大手のひとつ。米ランズエンド社では'95年にショッピングサイトを開設しており、'98年には総売上の4.5パーセントに相当する6100万ドル(約67億円)をウェブ上で売り上げたという。

'93年に設立された日本ランズエンドは、'98年5月からウェブサイト上での販売を行なっている。これまでは振込による決済のみを受け付けていたが、今回のリニューアルからはクレジットカードを利用したオンライン決済にも対応するようになった。また、同社が販売する商品約400点すべてを、ウェブサイト上で購入できるようにしたという。

ユーザーとオペレーターのパソコンをシンクロする“ランズエンド・ライブ”

ランズエンド・ライブは、米国では9月15日から導入されたサービス。ユーザーがサイト上で電話番号を入力すると、ランズエンドのオペレーターがユーザーに電話を掛け、オンラインによる商品案内を行なうというもの。また、チャット機能を利用した案内サービスも提供している。

ユーザーがサイト上で必要な情報を入力すると、ランズエンド側に情報が送信され、ウェブブラウザーの同期(シンクロ)が開始される。その時点から、オペレーター側のパソコンとユーザーのパソコンには、同じページが表示されるようになる。操作も互いに反映されるため、オペレーターがおすすめの商品を紹介するために、別の商品ページに飛んだ場合、ユーザーのパソコンにもそのページが表示されるという仕組みだ。

ユーザーは、“ランズエンド・ライブ”のページで電話番号を入力することで、電話による商品案内を受けることができる。チャットによる商品案内を希望する場合は、“接続”ボタンをクリックすればオーケー
ユーザーは、“ランズエンド・ライブ”のページで電話番号を入力することで、電話による商品案内を受けることができる。チャットによる商品案内を希望する場合は、“接続”ボタンをクリックすればオーケー



ウェブブラウザーの同期を実現する技術は、米WebLine Communications社が開発したもの。ランズエンド社では、この種のサービスを提供するのは通販系のサイトとしては同社のサイトが初めてのケースになるとしている。また、米WebLine社の技術は、今年のクリスマスまでの間、ランズエンド社が独占的に使用できるという。

“ショップ・ウイズ・フレンド”は、ランズエンド・ライブの技術を応用したサービス。こちらでも、2台のパソコンで同じウェブページを見ることができる。ランズエンド・ライブと同様に、チャット機能を利用することも可能だ。このサービスを利用するのに必要なのはキーワードの設定のみで、プラグインなどのソフトは必要としない。

ショップ・ウイズ・フレンドの機能は、ランズエンド社が米WebLine Communications社と共同で開発したもの。他企業へのリセールに関しては、米WebLine社で検討しているという。

都内のホテルで開催された発表会において、日本ランズエンドのフランク・ビットナー(Frank A. Buettner)代表取締役社長は、米国本社におけるウェブ上での売上は、'97年から'98年の1年間で3倍強に増えたと語った。また、'99年上期における売上は、前年同期に比べ約2.5倍に増加しているという。

日本ランズエンドの代表取締役社長を務めるフランク・ビットナー氏
日本ランズエンドの代表取締役社長を務めるフランク・ビットナー氏



オンライン決済までを提供するショッピング機能は、今回のリニューアルで始めて提供されるが、ビットナー社長は「6ヵ月から12ヵ月ほどインフラの様子を見て、その後、事業計画への反映を行なう」という予定を明らかにした。

米ランズエンド社でE-コマース部門の副社長を務めるビル・バス(Bill Bass)氏は、「日本におけるオンラインショッピングは、今年のクリスマスシーズンに急増すると思う」という見解を披露。また、オンライン販売における人気商品や平均販売額については「カタログ販売と同じ」としながらも、ウェブによる売上が急増している点については、「爆発的という言葉が適切」と、楽観的な見通しを見せた。

「ネットへのアクセスが急増するのは、カタログを郵送した直後」とビル・バス氏
「ネットへのアクセスが急増するのは、カタログを郵送した直後」とビル・バス氏



同社では、顧客対応を行なうオペレーターを“カスタマー・サービス・レプリゼンテイティブ(CSR)”と呼んでおり、平均的なトレーニング期間は8週間になる。ランズエンド・ライブの導入にあたっては、CSRの中から希望者をリクルートし、特別のトレーニングを行なったという。

ランズエンド・ライブのサービスは、ドイツとイギリスでも11月の第1週から提供されるとのことだ。また、米国では来年にもスペイン語によるサービスを開始するという。その他の言語への展開については「言葉の壁の問題から難しい」(バス氏)としているが、ショップ・ウイズ・フレンドについてはCSRを必要としないため、将来的には20ヵ国語以上でのサービスを提供する予定だという。

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