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大日本印刷、キーボード操作の監視やプログラムの起動制限などを行なうツールを発表

1999年10月14日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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大日本印刷(株)と大日本山形アイ・エス・ディー(株)は、キーボードからの入力を自動記録したり、プログラムの起動やファイルアクセスなどを制限することのできる監視/追跡用ツール、『オーディトレイサー(AudiTracer)(仮称)』を開発したと発表した。11月中旬に出荷を予定しており、価格はシングルライセンス版が5万円。

大日本印刷ビジネスフォーム事業部ICカード本部 ICカード販促部副課長の矢野義博氏
大日本印刷ビジネスフォーム事業部ICカード本部 ICカード販促部副課長の矢野義博氏



オーディトレイサーはWindows NT 4.0 Workstation/Server専用のプログラム。インストールすると、Windows NTのサービスプログラムとして動作し、キーボードからの入力とファイルへのアクセスの記録する。また、許可されていないプログラムの起動や、ファイルへのアクセスを制限する機能も備える。オーディトレイサー自身の設定を行なう際には、大日本印刷が発行する専用のICカードによる認証が必要となっている。このプログラムの管理はWindows NTの管理者(アドミニストレーター)権限とは独立したものとなる。

このプログラムは、もともと大日本印刷が受託したICカードの発行業務の際に、オペレーターによる不正が行なわれなかったことを、発注元に保証するために、社内で開発されたもの。プライベートショーで顧客に紹介したところ、外販してほしいとの希望があり、一般企業向けに製品化したものだという。

オーディトレイサーは、HDD内のEXEファイルやDLLファイルなど、実行可能なファイルのデータベースを作成する。管理者はそのリストの中から実行禁止ファイルと実行許可ファイルを任意に設定できる。この操作を行なった後は、新たにプログラムのインストール、既存プログラムファイルの上書き、リネームなどの操作もできなくなる。このほか、“ファイル名を指定して実行”、“ファイルの検索”、“タスクマネージャ”の禁止、FDDを含むドライブ単位での使用許可/禁止の設定なども可能。

パソコン操作の記録では、パソコンの起動時間、ログイン名(ログインパスワードは記録されない)、すべてのキーボード入力情報、呼び出されたファイル(DLLファイルなども含む)情報を、ログとして記録する。ログファイルの容量は任意に設定可能だが、100MBとした場合、オフィスアプリケーションを1日8時間使うような業務でも、4日間分のログが記録できるという。ログファイルは、古い部分から自動的に削除されていく仕組み。ログファイルは、ローカルマシン上に置かれるが、ファイルは暗号化されており、閲覧にもオーディトレイサーのインストールや設定に使ったICカードが必要となる。

大日本印刷では、企業内の機密データの流出防止、ユーザーが勝手にプログラムをインストールすることによる誤動作/不具合の防止、不正操作の防止や監査などに利用できるとしている。

また、オーディトレイサーの機能のうち、プログラムの実行許可/禁止機能だけを持ったプログラムを、官公庁、教育機関、金融機関などに無償で提供することも検討しているという(それ以外のユーザーに向けては5000円で販売)。実施の時期や詳細については、現時点では不明。

価格は、同一法人内であれば無制限に配布可能なコーポレートライセンス版が700万円、法人内の特定部署または特定の地域で配布可能な際とライセンス版が300万円、パソコン1台にインストール可能なシングルライセンス版が5万円となっている。なお、利用に必要なICカードリーダライタが1万2000円、ICカードが1枚2~3000円。今後3年間で約6000万円の売り上げを見込んでいるという。

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