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QuickLogic、無料でサンプルASICチップを提供するサービスを開始

1999年10月05日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米QuickLogic社は4日(現地時間)、ASIC技術者向けに、ウェブページを通じてASICデバイスの設計データを送ると、プログラムされたサンプルASICチップが、24時間(アジア/日本は48時間)以内に、無料で届けられるという『WebASIC』サービスを開始したと発表した。

QuickLogic社の経営担当副社長レイノルド・シンプソン(Reynold W.Simpson)氏
QuickLogic社の経営担当副社長レイノルド・シンプソン(Reynold W.Simpson)氏



QuickLogic社は、米国カリフォルニア州サニーベールに本社を持つ、ASICデバイス製造メーカー。創立メンバーは、'70年代に米Monolithic Memories社で、PLD(Programmable Logic Device:プログラムによって任意の論理回路が構成可能なIC)を考案・開発した技術者という。

今回QuickLogic社が発表したWebASICサービスを利用するためには、同社のウェブサイト(http://www.quicklogic.com/support/)から、無償の開発ソフトウェアである『QuickWorks-Lite』をダウンロードし、それを使って設計すればよい。設計データ(.chpファイル)の送信は、QuickWorks-Liteのツールバーにある“アップロードボタン”を押すことで、インターネットを通じて送信される仕組み。

QuickLogicでは、届いた設計データをもとにASICデバイスのサンプルを製造、クーリエサービスを使って、依頼者(ASIC技術者)の手元に届けられる。このデータ送信から、依頼者の手元に届くまで、アメリカとヨーロッパでは24時間、アジアと日本では48時間以内であるという。また、このサンプルおよびサンプルの送料、通関料金にいたるまで、すべてQuickLogicが負担する。利用者に対する制限も特に設けられていない。

発注可能な製品は、QuickLogic社が取り扱っている製品(『QuickLogic ESP』シリーズ(最大15万ゲート)、および『pASIC FPGA』シリーズ(最大6万ゲート))すべて。1つの設計データについて、3個までのサンプルの提供を受けることができる。なお、データの一部分でも変更があれば別の設計データとみなされる。

同社のシンプソン副社長によると、WebASICサービスは、その利用のために保証金やライセンス料も不要で、業界で初めてのサービスであるという。このサービスは、米国では1月、ヨーロッパでは5月からディストリビューターを対象に行なわれてきたもので、今回の発表をもって、対象がエンドユーザーにも広げられる。

当初48時間以内でスタートするアジア・日本においても、年内にスタートする予定のシンガポールセンターが稼動すれば、24時間以内のサービスを提供開始するという。

このサービスを利用したユーザーのうち、どのくらいのユーザーが正式な製品の発注をしてくれる見込みがあるかということについては、「まったく考えていない。まずソリューションを提供するのが先決」「競合他社が、(QuickLogicは)製造スピードでも性能でも自信があるからこういうことをするのだ、と思ってくれればそれでよい」「このサービスで直接の利益をあげることは考えていない」(シンプソン副社長)という。

なお同社では、11月に日本事務所の設立を予定している。

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