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「これからのキーポイントはウェブ滞在時間」――“MCOF Network Graphics Solution Seminar”から 

1999年09月30日 00時00分更新

文● 正月孝広

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9月29日、大阪南港にあるソフト産業プラザMADOプレゼンテーションルーム(WTCビル20階)において、“MCOF Network Graphics Solution Seminar”が開かれた。このセミナーは2000年2月1日から3日までの間、マイドームおおさかで開催される“マルチメディアコンテンツOSAKAフェスティバル2000(MCOF2000)”に先立ち、最新ネットワークをテーマとして、関西で活躍するクリエーターを対象に開催されたもの。
 
その“マルチメディアコンテンツOSAKAフェスティバル2000(MCOF2000)”とは、大阪府、大阪市を中心として23もの団体で構成するマルチメディアコンテンツOSAKAフェスティバル実行委員会が開く、マルチメディアの祭典である。
 
今回のセミナーは3部構成だったが、その中で中盤と後半のセッションをお届けする。

ソフト産業プラザ、MADOプレゼンテーションルーム
ソフト産業プラザ、MADOプレゼンテーションルーム



最初のセッションはアップルコンピュータの渡辺泰氏が登壇。テーマは“アップルのインターネット戦略とQuick Time 4”
最初のセッションはアップルコンピュータの渡辺泰氏が登壇。テーマは“アップルのインターネット戦略とQuick Time 4”



単独でビジネスにつながりにくいコンテンツをビジネスプランに

“Hi-Hoのネットワークコンテンツ”と題し、2番目のセッションを行なったのは、松下電器産業(株)ネットワーク事業推進本部インターネット事業推進室コンテンツグループ副参事の恒川昌昭氏。'95年12月にサービスを開始したHi-Hoは、現在25万人の会員を抱え、国内に124ヵ所のアクセスポイントがある。

松下電器産業ネットワーク事業推進本部インターネット事業推進室コンテンツグループ副参事の恒川氏
松下電器産業ネットワーク事業推進本部インターネット事業推進室コンテンツグループ副参事の恒川氏



コンテンツでは、通信カラオケ、占い、ゲームなどネットワークの特性を捉えたものから、20~30代の女性を対象にして食事、健康、家事、育児、働くなどの細かい情報を提供する“KURASHI・WEB”や、ネットオークションも開催している“Hi-Hoショッピングアベニュー”など幅広く展開している。
 
これらは、ネットワークコンテンツ単独ではビジネスにつながりにくいが、コンテンツによる基盤を確保した上で、バナー広告や、企業向け調査によるデータベース構築がビジネスプランの1つになっているという。今後は他業界と協力し、お互いに顧客を確保する方向で、コンテンツも制作すると恒川氏は展望を述べた。
 
最後にコンテンツ制作の心がけとして、

1.担当者が思い入れを込めて最後までやり抜くことが大切2.コンテンツへの反応をみて、やめる勇気も必要
3.掲示板はアイデアの宝庫

と、これまでの経験をもとに語った。そのためには24時間フル対応する体制や、アクセス状況を常に監視するなど、ひとときも気を抜かずにコンテンツを育てることが次の一歩へつながると締めくくった。

次世代のキーワードはスティッキー

次のセッションでは冒頭、マクロメディア(株)代表取締役社長、手嶋雅夫氏が「次世代のキーワードはスティッキーである」とネットワークコンテンツの方向性を示した。具体的には今までのようなウェブサイトへの訪問回数を問題にするのではなく、そのサイトの閲覧時間がこれからは非常に大切になるという。これは今後の電子商取引を行なうウェブサイトの表現においては、重要なポイントとなる。

マクロメディア代表取締役社長の手嶋氏
マクロメディア代表取締役社長の手嶋氏



アクシスデザイングループプロデューサー/アートディレクターの宮崎光弘氏(写真左)。札幌から駆けつけたデータクラフトの高木氏(写真右)。手嶋氏と一緒にセッションを行なった
アクシスデザイングループプロデューサー/アートディレクターの宮崎光弘氏(写真左)。札幌から駆けつけたデータクラフトの高木氏(写真右)。手嶋氏と一緒にセッションを行なった



また2000年以降のインフラ整備の状況をふまえ、光ファイバー回線が隅々まで行き渡った場合、現在のようにウェブサイトのトップページを20KB以下で作成している状況から800KB以下で作成する時代に突然切り替わるという。また、端末として今のパソコン中心からマルチプラットホーム(情報端末、携帯電話等)も考慮した表現が必要になる。もちろんインフラが整備されたからといって、一概に何でも良くなるというわけではなく、その環境に合わせたコンテンツ制作のノウハウが当然必要になると足下を正すことも忘れてはいない。

インターネットを取り巻く環境の技術の進歩には、非常に早いものがあるが、クリエーターはきちんと情報を把握し、将来のビジョンを見据えることが大切と説いた。
最後にマルチメディアコンテンツOSAKAフェスティバル実行委員会の川瀬哲也氏が、作品募集のアナウンスを行なった。

大阪市経済局中小企業部商工課主査、川瀬氏。今回のセミナーのとりまとめ役
大阪市経済局中小企業部商工課主査、川瀬氏。今回のセミナーのとりまとめ役



「今年からウェブページ作品に関してはURL名での応募も可能になり、非常に応募しやすい状態にしました。たくさんの応募をお待ちしております」――。

応募は自由作品、テーマ作品、ビジネス活用の3部門で、締切は11月26日(金)の消印有効。

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