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日立、ブラウン管に匹敵する高画質スーパーTFT液晶を製品化

1999年09月29日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)日立製作所は、現行のIPS*方式スーパーTFT液晶の画質を向上させる“Super-IPS”技術を開発したと発表した。同社は、このSuper-IPSを採用した18.1型の液晶ディスプレーを製品化し、10月にサンプル出荷を開始する。サンプル価格は40万円。

*1:IPS(In-plane Switching:横電界)

18.1型Super-IPS方式スーパーTFT液晶 18.1型Super-IPS方式スーパーTFT液晶



現行のIPS方式は、斜めから特定の深い角度で見ると多少の階調反転が起こり、白色表示が黄色に見えたり、あるいは青みがかった色に変わるといった問題があった。

Super-IPS方式は、青色にシフトする方向と黄色にシフトする方向の液晶分子配列が混在するように、液晶分子を駆動させる電極をジグザグな形の“マルチドメイン”構造にしている。これにより、色が変化しない視野角が、IPS方式では上下130度/左右160度であったのに対し、Super-IPS方式では0.02UCS*2以下で上下左右ともに160度となった。

*2:UCSとは国際照明委員会が規定している色度座標で、均等知覚色空間の色差をあらわす数値。値が小さいほど色差が小さい。

また、液晶の材料自体も変更した。既存のTFT用液晶がフッ素系化合物を材料としているのに対し、高誘電率のシアノ液晶を採用。駆動方式も改良したことで、応答速度を30msに高速化できたという。

さらに、カラーフィルターの改良により、色純度を60パーセント以上(現行のスーパーTFT液晶は50パーセント)に、コントラストを現行製品の200から350以上に、それぞれ向上している。

今後同社は、15型にもSuper-IPS技術を採用していくほか、2000年には応答速度が20ms以下となる製品の開発を予定している。

18.1型Super-IPS方式TFT液晶を搭載したディスプレー
18.1型Super-IPS方式TFT液晶を搭載したディスプレー


18.1型Super-IPS方式スーパーTFT液晶の仕様は以下の通り。

ディスプレーサイズ 18.1型
液晶表示モード Super-IPS
解像度 SXGA 1280×1024画素
ピクセルピッチ 0.2805×0.2805mm
輝度 200cd/m2
表示色数 1700万色
色純度 60パーセント以上
コントラスト 350以上
視野角 0.02UCS以下で上下左右170度
応答速度 30ms
サイズ 415(H)×326(V)×38(t)
重量 2100g

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