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日本電気、NEC金融アウトソーシングセンターを設立

1999年09月27日 00時00分更新

文● 編集部 高柳政弘

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日本電気(株)(NEC)は20日、金融機関向けにアウトソーシングサービスを提供する施設“NEC金融アウトソーシングセンター”を2000年4月に設立すると発表した。同センターは、愛媛県松山市にある愛媛銀行(株)の電算センターを借り受け、NECが運営するもの。また、NECは、愛媛銀行の全システムのアウトソーシングサービスを提供することと、同行の次期システムの再構築を受注したことも発表した。受注金額は、10年間で155億円だという。

NEC取締役支配人の川村敏郎氏は、平成13年度(2001年)の金融ビッグバンに向け、日本の金融界では経営の効率化が急務となっているという。地域金融機関においても、コストの大幅削減とともに、商品開発やデリバリーチャネルの充実など顧客サービスの向上を図ることが、経営戦略上不可欠となっている。そこで、同社では、こうした金融機関のニーズに応えるため、新営業店端末『N8333』や、新勘定系システム『BankingWeb21』を製品化したという。さらに、金融機関からシステム構築や運用についてのアウトソーシングを求める声が高まっていることから、5月に同社の金融システム事業部内にアウトソーシング部を設立。同社では、今回の西日本におけるアウトソーシングセンターの設立を始めとして、金融機関と協調を図りながら、金融機関向けのアウトソーシング事業の拡大を図り、5年間で2000億円の受注を見込んでいる。

NEC取締役支配人の川村敏郎氏
NEC取締役支配人の川村敏郎氏



NEC金融アウトソーシングセンターは、現行システムの運用から、システムを再構築することにより、金融機関のシステム戦略の支援とコスト削減を実現するアウトソーシングサービスを提供する。また、同センターでは、共同利用によるアウトソーシングにおいても、各金融機関の独自の経営戦略や差別化戦略の実現が可能だという。それは、同センターのシステムがオブジェクト指向技術によって構築されているため。また、新商品、新サービス、業務内容の変化などに対応したシステムの拡張が容易だという。同センターの概要は、敷地面積4800平方メートル、延床面積9560平方メートル(地上6階地下1階)、FISC基準(規模、安全性、設備内容、セキュリティー対策等で国内金融機関における最高基準)に準拠、収容人員200名、収容ユーザー(銀行)数5~6行。

愛媛銀行のアウトソーシングの内容は、2000年4月から現行システムの運用と保守、それと同時に2002年12月まで次期システムを再構築し、2003年1月から次期システムの運用と保守を行なうもの。

愛媛銀行では、アウトソーシングによるシステム構築や運用コストの削減、新営業店システムの導入にともなう業務効率化などで、年間10億円のコスト削減を見込んでいるという。

同行の次期システムは、NECが7月に発売した勘定系システム『BankingWeb21』を中心に、営業店システム、情報系システム、CRM(顧客情報管理)システム、融資支援システム、リスク管理システム、証券系システム、国際系システム、対外系システムで構成されている。

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