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「数年後にはストレージ部門のトップ3に」---デルコンピュータがストレージセミナー開催

1999年09月21日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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デルコンピュータ(株)は、プレス向け“ストレージセミナー”を開き、同社が力を入れている企業向けネットワーク用ストレージ部門について今後の戦略を説明した。同社では、このほど買収したストレージ企業の技術と合わせ、OS・プロトコルの異なるサーバーとの幅広い接続性を確保した製品とシステムを展開し、同分野でのトップ企業を目指す、としている。

デルコンピュータの“ストレージセミナー”
デルコンピュータの“ストレージセミナー”



セミナーでは、デルコンピュータ米本社のエンタープライズ・システムズ・グループのストレージ・システムズ部門ジェネラルマネージャー、ケビン・レイニス(Kevin A.Reinis)氏が同社の戦略を説明した。

「サーバーと同様、ストレージ製品の売り上げも伸びている。デルの直販方式にユーザーがメリットを感じているということだ」と述べるレイニス氏 「サーバーと同様、ストレージ製品の売り上げも伸びている。デルの直販方式にユーザーがメリットを感じているということだ」と述べるレイニス氏



まず今年第2四半期現在における同社の業績について説明。サーバー市場でのシェアは世界3位に急成長し、PC市場でも世界2位、Windows NTベースのワークステーション市場ではトップに立っており、インターネット経由での売り上げが1日3000万ドル(約31億円)を記録するまでになったという。この点についてレイニス氏は、「直販というビジネスモデルをユーザーが支持している証拠」と自信を見せた。

ストレージ市場については、「電子商取引などが進み、データが肥大化したためストレージのニーズは高まっている。しかしユーザーは複数のOS、複数のサーバーベンダーの製品がネットワークに混在する中で運用していかなければならないのが現状だ」と課題を述べ、その解決策として同社が力を入れているSANとNASを挙げた。

SANとNASの概念図。中央がSAN、右下がNAS
SANとNASの概念図。中央がSAN、右下がNAS



SANはストレージ・エリア・ネットワークの略。LANとは別に、ストレージだけのネットワークを構築し、LANとはハブやスイッチを経由して接続する。従来のようにサーバーごとにストレージを用意する形態と比べ、データを一元的に管理できるためメンテナンスコストも割安で、バックアップも高速化するといったメリットがある。またNAS(Network attached Storage:ネットワーク接続型ストレージ)も、ネットワーク上のファイルを記憶するストレージを集中させることで、サーバーに対する負荷を軽減させ、サーバーの能力をアプリケーションサービスなどに集中させることができる。

レイニス氏は「ストレージ市場は2002年には800億ドル(約8兆3000億円)規模にまで伸びると予測されている。デルもこの分野を非常に重要と考え、去年4月に参入した。これまでに、NT市場としては初めて、インターフェースが完全にFibreChannel化されたSANシステムを出荷し、またオープンシステムのストレージにおける新たな価格体系も生み出した。さらに、システムベンダーとしてSANとNASの両方を提供しているのはデルだけだ」と胸を張った。

今後については、9月8日に発表した、ストレージ技術開発企業の米ConvergeNet Technologies社の買収の成果を挙げ、「ConvergeNetは異なるOS、異なるプラットフォーム間におけるストレージの相互運用について高い技術を持っている。この技術を活用し、SANの接続性をアップさせ、ユーザーのこれまでの投資と資産を保護しながらスケーラビリティーを向上させていく」と語った。その上で「目標は、SANやNAS製品のリーダーとなり、世界市場で2けたのシェアを獲得し、数年後にストレージメーカーのトップ3に入りたい」とし、ストレージ市場においてもトップ企業を目指す意向を明らかにした。

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