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松下、複数の電子チケットを一元化する方式を発表

1999年09月17日 00時00分更新

文● 編集部 鹿毛正之

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松下電器産業(株)は、データ化された観戦チケットやプリペイドカードなどを、同一の端末で扱うことができる方式を開発したと発表した。

これは、“保護データ内蔵型電子バリュー交換方式”と呼ばれるもので、電子化された金券(電子バリュー)を取り扱うもの。具体的には、1台の携帯電話(端末)で、サッカーのチケット/バスの回数券/プリペイドカードといった種類の異なる電子バリューを持ち歩き、利用できるようになるというものだ。

ユーザーの端末とサービス提供者(会場の入場ゲート、自動販売機など)は、無線でデータをやり取りする。無線方式としてはIrDA(赤外線)とBluetooth(電波)を想定しているという。また、ユーザーが使用する端末には携帯電話やノートパソコンを想定しており、イメージとしては、携帯電話の中にチケットや回数券が蓄えられることになる。また、ユーザー間で電子バリューを譲渡することも可能だという。

松下では同方式の特徴として、複数の電子バリューを1つのプロトコルで処理できる“機能処理メカニズム”と、電子バリュー認証の際に匿名性を保持できる“相互認証メカニズム”の2点を挙げている。

機能処理メカニズムでは、電子バリューごとに異なるプロトコルを持つ必要がなくなり、1台の端末で数種類の電子バリューを扱うことが可能になるという。また、相互認証メカニズムでは、認証に必要なデータを電子バリュー自体に持たせているため(保護データ内蔵)、ユーザーが電子バリューを利用した際でも、相手に対し匿名性を保持できるという。

電子バリューを購入する際は、ユーザー端末と“電子バリュー発行サーバー”の間で決済が行なわれ、ユーザーの端末に電子バリューがダウンロードされる。その電子バリューを使用するときは、ユーザー端末と“サービス提供端末”との間で認証が行なわれ、サービス提供端末から電子バリュー発行サーバーに“使用証明書”が、ユーザー端末には“領収書”が発行されることとなる。

松下が公開したデモでは、端末間の認証はほとんど一瞬で完了し、ストレスを感じることはなさそうだった。また、電子バリューを購入するデモでも、認証にかかる時間は数秒で、使い勝手も現行のiモードとほとんど変わらないという印象だった。

このシステムを開発した同社マルチメディアシステム研究所の西川氏によると、実用化に関してはこれから社内でのテストを重ねていく段階だという。実際の運用に際しては金融機関やサービス提供業者との連携が必要となるため、具体的な実用化の時期は現時点では明らかではないと語った。

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