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【World PC Expo Vol.32】いよいよ本格化するか? オンライントレード&オンラインバンキング

1999年09月16日 00時00分更新

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10月1日、株式売買手数料の完全自由化

10月1日の、株式売買手数料の完全自由化を前に、オンライントレーデイング関連のニュースも気になる話題の1つだ。

今回のWORLD PC EXPOには、今川三澤屋証券の“WEBBROKER”が出展していた。こちらのウェブページの特徴は、親しみやすいデザインと、初心者にもわかりやすい画面展開である。



こちらがウェブページで公開されているデモ画面。会場ではCD-ROMの体験版も配布された
こちらがウェブページで公開されているデモ画面。会場ではCD-ROMの体験版も配布された



外国株の取引きが可能に

取扱い商品には、MMFや中国ファンド、ミニ株投資といった、比較的安全性の高い商品が多い。もちろん、株式は店頭登録銘柄に到るまで取引可能だが、新規客、既得意客にかかわらず、同社に預かり金のある人しか発注できない仕組みになっている。

一方、外国株の取引ができること(ただし、発注は翌日。ドル決済可能、100株以上。1万ドル未満の銘柄は不可)、当日買った銘柄の当日売りが可能となったこと--などから、ベテラン投資家にも満足のできる内容といえそうだ。

ホームトレード利用料、保護預り管理料は無料。リアルタイム株価の参照については、年間1854円と有料だが、大手にくらべれば安価。大和総研の投資調査レポートの掲載、保有資産の時価表か計算など、無料の情報も豊富である。もちろん、売買手数料も大幅に割引されており、たとえば約定代金100万円の場合なら現行1万1500円が3000円に。

現在の登録者数は「1万人程度」(ブース担当者)とのことだが、実際の利用者数が増えるか否かは、付加サービスの内容に左右されることになろう。

来訪者は、比較的年配の男性が多かったようだ
来訪者は、比較的年配の男性が多かったようだ



・今川証券
 http://imagawa.webbroker.ne.jp/

アメリカからは本格的な株価分析システムが登場

また、欧米、オセアニア、イスラエルなど15カ国73社のソフトウェアを、集めた日本貿易振興会(JETRO)ブースでも、オンライントレーディング関連のソフトが展示されていた。

出展したのは、北米のソフトウェアハウス、Equisインターナショナル社。初の日本語版オンラインとなるJAVAチャート『メタストック・オンライン2.5JAVAチャート』は、誰でも使えるWEBベースのチャートアプリケーションだ。

株式、ファンド、ボンド等の投資情報を基に、ポートフォリオの作成、投資、売買時期等の決定を行なう、マネー・マネジメント・ツールである。実に9種類のチャート、120種類のテクニカル・インデュゲーター・システム、カスタムインデュゲーター作成機能を備える。

Javaアプレットなので、分析ツールが一時的にユーザーのコンピューター上に書き込まれることとなり、プログラムの信憑性が高い。それだけでなく、サーバーがグラフをアップデートする時にありがちな表示の遅れが生じない。たとえば、テクニカル分析ツールを次々に用いたり、トレンドラインを引いたり、拡大縮小したり、また、チャートをスクロールしたりしたとしても、極めてスムースに分析が進められる。

このような、インターネットからのリアルタイムでの相場情報やニュース(ロイター社より提供を取り込む機能、解析方法について、ウェブを介して専門家からの手ほどきを受けられるといった感覚。

対応OSは、Windowsのみで、現地小売価格は、350~1500米ドルと個人ユーザーにも手の届く値段である。貯蓄管理、蓄財のパーソナライズが一般化している、米国らしいソフトといえよう。

たとえば、IBM + MSFT + NSCPといった、独自のインデックス(株価指数)を作ることもできる。株式、ミューチュアルファンド、インデックス、為替などがを無料で見ることができ、データはロイターから、5年分のプロットが可能
たとえば、IBM + MSFT + NSCPといった、独自のインデックス(株価指数)を作ることもできる。株式、ミューチュアルファンド、インデックス、為替などがを無料で見ることができ、データはロイターから、5年分のプロットが可能



・Equisインターナショナル社
 http://www.win-invest.com/java/about_equis_index.htm

“話すケータイ”から“使うケータイ”へ。java搭載iモードで、オンラインバンクの将来に期待

NTTドコモのブースにも、気になる新型携帯電話が参考出品されていた。iモードの登場で“モバイルバンキング”という言葉は、急速に浸透してきてるが、なんといっても金融取引で心配されるのがセキュリティーの問題。Javaカードなどを使って、これを解決しようとしている。

携帯情報端末向けのJavaバーチャルマシン“KVM”を搭載したiモード端末を参考展示していたNTTドコモブースでは、リアルタイムの株価チャートなどをデモしていた。

9600bpsのパケットに加えて、次世代携帯電話規格“W-CDMA”で、Javaアプレットをダウンロードする。“Javaカード”というメモリーカードを使ったアプレット供給手段も用意する予定で、用途に応じてカードを入れ替えていけば、さまざまなアプリケーションが携帯電話に組み込める。

たとえば、銀行がJavaカードを発行し、それをを読み込まないとバンキング処理ができないようにすることで、セキュリティー機能を高めることができるという仕組みだ。セキュリティー以外にも、動画再生、ウイルスチェック、音声・文字自動通訳、認証…etc.の機能が考えられるため、ますますiモードの守備範囲を広げてくれるだろう。

既存のiモード端末(501iシリーズ)にKVMを載せているため、外観は既存のものと同じ。発売時期はおそらく来年以降だが、どんなフォルムの機種になるのか、楽しみだ
既存のiモード端末(501iシリーズ)にKVMを載せているため、外観は既存のものと同じ。発売時期はおそらく来年以降だが、どんなフォルムの機種になるのか、楽しみだ



服部貴美子(hattori@ixicorp.com)

・フォーラム概要(公式ページ)
 http://wpc99.nikkeibp.co.jp/contents/forum/index.htm

・【関連記事】WORLD PC EXPO 99 レポート目次
 http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=worldpc99.html

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