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日本発、Javaコミュニティーの過去・現在・未来--Javaカンファレンス'99開催

1999年09月14日 00時00分更新

文● 編集部 寺林暖

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Javaカンファレンス事務局は13日、“Javaカンファレンス2000年度総会”を開催した。同事務局は、Java言語の普及と発展をめざす任意団体。Javaに関するさまざまな活動の運営および援助、Javaの最新状況/チュートリアルなどのセミナーを行なっている。

基調講演では、工業技術院電子技術総合研究所の主任研究官を務める高木浩光氏が、“Java Houseメーリングリスト”および“Java品質コンソーシアム”の活動について語った。

出たり入ったりする人が多すぎる

高木氏は'95年、汎用プログラミング言語としての将来性を持つJava言語を広めるため、“Java Houseメーリングリスト”を開設。現在、メーリングリストの購読者は4600名、購読経験者は約1万6000名。そして、同ホームページへの累計アクセス回数は53万を超えるという。

しかし高木氏は、「'98年頃から、自分の仕事上必要になったときだけ入会し、解決すればすぐに脱退する人が増えてきた。登録時と異なるアドレスで脱退しようとして失敗し、状況もわからずに安易に質問する人も多い。フリーメールアカウントを利用し、匿名で登録/発言する人も増加している」と語った。

高木氏は、低価格でJavaプログラミングの相談にのるサービスを提案「“匿名による発言の場”だけなら、普通の掲示板サイトでもよかった。“受信しなければならない”という責任を登録者に負ってもらうため、“メーリングリスト”という形をあえて採用している」と語り、対策について「“定期的な脱退案内の配布”“購読し始めて1週間は投稿も脱退も不可”“フリーメールアカウントの禁止”などの対策を講じたい。仕事上すぐJavaについての情報を知りたい人もいるだろうが、ビジネスの世界なら常にギブ&テイクが当たり前。不勉強な企業人は自腹で有料サービスを受けるべきだ」と語り、低価格でJavaのプログラミング相談を行なうサービスの提供、などを提案した。

工業技術院電子技術総合研究所の主任研究官を務める高木浩光氏
工業技術院電子技術総合研究所の主任研究官を務める高木浩光氏



Javaのチェック方法とは?

また、高木氏は、自身も会員として関わる“Java品質コンソーシアム”を紹介。同コンソーシアムは(株)東陽テクニカが運営。Javaプログラムの品質測定/測定した品質の利用方法の検討/検討結果および品質向上の方法の開示/海外研究者との情報交換を目的とした任意団体である。

同団体は“JTaster Project”と呼ばれる共同研究プロジェクトを開始。Java言語で記述されたソースコードのチェック方法について、研究を進めているという。

高木氏は「JTaster Projectは、規模の大きさ/構造の複雑さでプログラムコードを採点する“Metrics”と、具体的にコードを分析し欠陥部分を指摘する“Audit(コード監査)”の融合が目的。しかし、従来のAuditはC/C++言語用であり、“初期化前に参照できないローカル変数”や“処理系依存を許さない言語仕様”を持つJava言語には役に立たない。そこで(同団体では)Java言語の特性である、オブジェクト指向/マルチスレッド/例外処理などを考慮したMetricsやAuditの開発を進めている」と語った。

さらに、「従来のAuditはJavaソースコードのチェックに際し、“インスタンス変数はすべてprivateであるべき”などと必要以上の警告を発してしまう。“メソッド宣言のないクラスではpublic変数を認める”ほか、“スーパークラスかサブクラスのどちらか一方で代入している変数は、protected宣言を認める”など、Metrics/Auditによる判定条件を緻密化することが重要だ」と締めくくった。

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