キヤノン(株)は、薄型フラットベッドスキャナー『FB636U』『FB630P』『FB330P』を発表した。FBシリーズの特徴といえる独自の“LIDE(ライド、LED
InDirect Exposure:LED間接露光読み取り方式)”方式のCIS(Contact Image
Sensor)を採用。これはセンサーの端に位置する小さなLEDの光をライトガイドにより均一化して原稿に照射し、原稿からの反射光をロッドアイレンズを通して、チップセンサー上に結像させる方式。従来のCCDを介して読み取る縮小光学系と比較して、本体の小型化・軽量化・低消費電力化ができるという。
また、同社は今回発表した3モデルについて“Sコンセプト”と名づけ、Slim(筐体のコンパクト化)、Silent(動作音のカット)、Saving(低消費電力)を実現したという。
本体サイズは3モデル共通で、幅256×奥行372.5×高さ39mmで、重さは1.5kg。体積が前モデルとくらべ約62パーセンとなっている。同梱の縦置き用スキャナースタンドを使用することでA4までの定型原稿であれば立てたままのスキャニングも可能。
動作音に関しては、小型モーターの採用により、スキャン時の動作音が『FB636U』と『FB330P』が50dB、『FB630P』では45dBと、従来機種に比べて約20パーセント低減されたという。なお、駆動方式は、従来のベルトをやめ、ひも状のシンクロメッシュロープを採用した。
低消費電力を実現したのは、USB接続の『FB636U』。CISセンサーを採用したことで、USBバスからの電源供給を実現。従来機種の約50パーセントという。
スキャンスピードは3モデル共通で、カラーの場合、A4サイズ、300dpiで60秒、600dpiで120秒。グレースケールの場合、A4サイズ、300dpiで20秒、600dpiで40秒。白黒の場合、300dpiで20秒、600dpiで40秒。
『FB636U』
『FB636U』。カラーは“スタイリッシュシルバー” |
『FB636U』の光学解像度は600×1200dpi。ソフトによる補完解像度は、Windowsの場合が50dpi~9600dpiで、Macintoshの場合が12dpi~9600dpi。力階調はRGB各12bitで、出力階調は8bit。最大原稿サイズはA4。インターフェースはUSB。電源の供給はUSBバスからの供給となる。透過原稿のスキャンには対応していない。
対応OSは、Windows 98およびMacOS 8.5以上。同梱するソフトはWindows環境の場合、画像編集やカード作成用ソフト『Photo
Express 2.0SE』、スキャナーをコピー機として利用する機能を含むユーティリティーソフト『ScanGearToolbox
CS2.1.1』、日英OCRソフト『e.Typist バイリンガル 2』。Macintoshの場合、画像編集やカード作成用ソフト『PhotoDeluxe
2.0』、スキャナーをコピー機として利用する機能を含むユーティリティソフト『ScanGearToolbox
CS1.2.0』、日英OCRソフト『e.Typist バイリンガル 2』。筐体前面のボタンと連動し、自動的に各アプリケーションにスキャンデータを送ることが可能。
発売時期は9月中旬。価格はUSBケーブル付きで2万4800円。
『FB330P』、『FB630P』
『FB330P』。『FB330P』と『FB630P』のカラーはアートグレー |
『FB630P』の光学解像度は600×1200dpi。ソフトによる補完解像度は、25dpi~2400dpi。入力階調はRGB各12bitで、出力階調は8bit。『FB330P』の光学解像度は300×600dpi.ソフトによる補完解像度は、25dpi~2400dpi。入力階調はRGB各12bitで、出力階調は8bit。インターフェースはパラレルで、電源の供給は専用のACアダプター。透過原稿のスキャンには対応していない。
以下2モデル共通で、最大原稿サイズはA4。対応OSはWindows 95/98/NT4.0。同梱するソフトはWindows環境の場合、画像編集やカード作成用ソフト『Photo
Express 2.0SE』、スキャナーをコピー機として利用する機能を含むユーティーリティソフト『ScanGearToolbox
CS2.1.1』、日英OCRソフト『e.Typist バイリンガル 2』。
『FB630P』の発売時期は9月中旬で、価格は1万9800円。『FB330P』の発売時期は10月上旬で、価格は1万4800円。