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日本オラクルが技術者向けカンファレンス“iDevelop'99”を開催

1999年09月02日 00時00分更新

文● 若菜麻里

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開発者のためのカンファレンス“iDevelop'99”が、9月2日から3日までの2日間、横浜市のパシフィコ横浜で開催されている。日本オラクル(株)が主催し、サン・マイクロシステムズ(株)の協賛で、サーバーサイドJavaやOracle8i、Linux、XML、Jini、WebDBといった最新のテクノロジーや製品を、30以上のテクニカルセッションや展示などで紹介するというものだ。

エンターテインメント性に富んだ米オラクル社Mark Jarvis氏のキーノート

初日のキーノートスピーチでは、米オラクル社のシニアバイスプレジデントのMark Jarvis(マーク・ジャービス)氏が、“インターネットはオラクルによって変化する! インターネット・プラットフォームを制するのはオラクル”というタイトルで講演した。

Mark Jarvis氏Mark Jarvis氏



Jarvis氏は、「インターネットは、ビジネス、生活、人と接する方法、情報のコストなど、全てを変える。ここで重要なポイントは、デベロッパーとして、ビジネスに革命を起こし、ビジネスに貢献できるということだ」と来場者に語りかけ、ビジネスに革命を起こした例として、米国の書籍販売サイト“amazon.com”を挙げた。

そして、RDBMSの『Oracle8i』および開発ツールの『Oracle WebDB』、『Oracle JDeveloper』、『Oracle Designer』を実際に操作して、インターネット上で架空の書籍販売サイトを立ち上げるまでの過程をプレゼンテーションした。

ここでユニークだったのは、Jarvis氏が、これから立ち上げる書籍販売サイトのオーナー役になり、開発者を1人雇って、開発中のサイトに注文をつけていき、完成させていくというロールプレイだ。Jarvis氏が、「“カタログの請求はお電話で”じゃなくて、オンラインカタログを作ってよ」、「400万点の書籍を、内容やマルチメディアデータも含めて検索できるようにして」、「オンラインの注文機能を付けて」、「新着本をスムーズに登録できるようにして」といったリクエストを、次々と開発者に出していくと、順を追って目の前でアプリケーションが構築されるというもの。各ツールの特徴の説明を交えながら、作成作業は、ほとんどマウス操作でOKという容易性もアピールされた。

開発者役(右)に注文をつけるJarvis氏
開発者役(右)に注文をつけるJarvis氏



開発者向けのカンファレンスというと、技術的な難しい話が延々と続くというイメージが強いが、ステージはエンターテインメント性に富み、Jarvis氏の会場への質問にすばやく反応した参加者20名には、その場で特製Tシャツを配るというサービスぶり。ユーモアあふれるプレゼンテーションで、来場者から拍手や笑いが起こる場面もしばしばだった。

参加者が持参したノートPCを使ってモバイル体験デモ

展示コーナーでは、Oracle 8iを中心に、オラクルの主力製品が一堂に会した。新製品として、日本で10月末に発売予定の『Oracle Application Server 4.0.8』のデモが披露された。分散システムに対応した耐障害性の強化や、EJB 1.0の正式サポートなどを謳った製品で、Oracle 8iに対応し、Linux版も発売される。

展示コーナーには、オラクルの主力製品が並ぶ
展示コーナーには、オラクルの主力製品が並ぶ



一見すると何の展示かわからないが、実は『Oracle WebDB』の体験コーナー。操作端末としてiMacを利用しているのだ
一見すると何の展示かわからないが、実は『Oracle WebDB』の体験コーナー。操作端末としてiMacを利用しているのだ



米国で7月に発売されたモバイル環境向けソフト『Oracle8i Lite』の展示コーナーでは、来場者が持参したノートPCに、Oracle8i Liteをインストールし、会場内のOracle8iサーバーと連携させるというデモが行なわれた。実際にこれを試した来場者は、初日の昼時点では数人だったが、見物人は多数。「物珍しさも手伝ってか、多数の人に注目してもらったので、やってみた甲斐があった」(説明担当者)。同ソフトの日本語版の発売は年末か、来年の頭になる見通しだ。

『Oracle8i Lite』の展示コーナー。ノートPCを持参して製品を試してみる参加者を囲むようにして人だかりができていた
『Oracle8i Lite』の展示コーナー。ノートPCを持参して製品を試してみる参加者を囲むようにして人だかりができていた



パートナー企業の展示コーナーでは、ネットワンシステムズ(株)が、ファイアウォール製品『Sidewinder』のデモを行なった。この製品は、インターネットプラットフォームでのデータベースアプリケーション運用環境『Oracle Developer Server』との連携について、日本オラクルと共同で動作検証がされており、8月末に安全性を確認したと発表されている。説明担当者によると、「この製品は米国空軍でも導入され、他社のファイアウォール製品と比べて、格段に高い安全性が保証されている」という。

日本オラクルは今年に入り、技術者認定制度“ORACLE MASTER”の普及に力を入れているが、今回のイベント会場でも、1日に4回、即日認定の試験が行なわれた。また、グローバル ナレッジ ネットワーク インク日本支社や(株)システム・テクノロジー・アイから、この2ヵヶ月間に相次いでCD-ROM版のトレーニング教材が発売されており、それぞれのブースで熱心に説明を聞く来場者が目立った。

初日の有償セッションの参加者は1557名。日本オラクルでは2日目も、ほぼ同数の参加者を見込んでいる。これら有償セッションおよび無料の基調講演、展示会は当日の申し込みも受け付けている。

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