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インテュイット、財務会計ソフト『弥生会計 Pro 2000』や経理ソフト『QuickBooks Pro 2』などを発表--『大番頭』と『弥生』シリーズを統合し『弥生 Pro』として再構成

1999年09月02日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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米インテュイット社と日本法人のインテュイット(株)は、『弥生 Pro』ブランドの財務会計ソフト5製品や、経理ソフト『QuickBooks Pro 2』など、中小規模事業者を対象とした財務会計ソフト7製品を発表した。同社は、これまで『大番頭(おおばんとう)』と『弥生』の2つのシリーズを販売してきたが、これらはともに中小規模事業者を対象とした財務会計処理に関するソフトであることから機能統合が可能と判断し、『弥生 Pro』ブランドとして再構成することを決定した。これにより、市場における競争力強化をはかるという。

インテュイットは、'97年に(株)ミルキーウェイと日本マイコン(株)を統合し設立された会社。『大番頭』シリーズはミルキーウェイが'83年から、『弥生』シリーズは日本マイコンが'87年から発売していたソフトウェア

『弥生会計 Pro 2000』『弥生販売仕込 Pro 2000』『弥生給与 Pro 2000』

『弥生販売仕込 Pro 2000』。『大番頭』ではなく『弥生』のブランド名を残したことについて同社は、「市場で高い評価を受けているブランドを継承した」という『弥生販売仕込 Pro 2000』。『大番頭』ではなく『弥生』のブランド名を残したことについて同社は、「市場で高い評価を受けているブランドを継承した」という



今回発表された『弥生会計 Pro』シリーズの構成は、財務会計処理ソフト『弥生会計 Pro 2000』、販売仕入在庫管理ソフト『弥生販売仕込 Pro 2000』、給与計算処理ソフト『弥生給与 Pro 2000』の3ライン5製品。同シリーズの対象は、中小規模事業者。

『弥生会計 Pro 2000』とその簡易版にあたる『弥生会計 2000』について明らかになっているのはソフト名のみ。機能、発売日、価格などは現在公表されていない。

販売仕入在庫管理ソフト『弥生販売仕込 Pro 2000』は、『大富豪』と『弥生販売仕込』の機能を統合した製品。インターフェースは『大富豪』をベースとして改良を加えたものになっている。経理業務やパソコン入力の初心者の操作を考え、画面操作は作業の流れや目的に添った名前が付けられた大きなアイコンをクリックして行なう。データ入力作業を行なう画面のデザインは、紙の伝票に似たものになっている。また、同ソフトをインストールしたパソコン複数台をネットワークに接続することで、データの同時入力や同時参照に対応する。この機能は、Windows NT ServerとNetWareのクライアントサーバー環境のほか、サーバーを設置しないPeer to Peerの環境でも利用できる。Windows Office 2000とのデータ連携が可能。対応OSは、Windows 95/98/NT4.0。11月12日発売で、価格は8万円。『弥生販売仕込 Pro 2000 5ライセンスパック』も同時に発売され、価格は25万円。

給与計算処理ソフト『弥生給与 Pro 2000』は、『大入袋』と『弥生給与』を統合した製品。今年7月に単体で製品発表されており、本日販売を開始した。対応OSは、Windows 95/98/NT 4.0で、価格は8万円。

『QuickBooks Pro 2』

『QuickBooks Pro 2』パッケージ『QuickBooks Pro 2』パッケージ



『QuickBooks Pro 2』は、『弥生給与 Pro』シリーズよりも小規模な事業者(従業員数が10人以下)をターゲットとして開発された経理ソフト。今回搭載された新機能は、作成した見積書と請求書のデータ連動を行なう見積機能(分割請求も可能)、青色申告形式の決算書の追加、Excelのシートに対する帳票入力データのワンタッチ張り付けなど。また、インターネットサービスコーナーを設け、同社のテクニカルサポートサイトやサプライ用品販売サイト、(株)東京三菱銀行インターネットバンキングのサイト、大和証券(株)のオンライントレードのサイトにリンク*が張られる予定。対応OSは、Windows 95/98。10月15日発売で、価格は5万5000円。簡易版の『QuickBooks 2』も同時に発売され、価格は3万円。

*ソフトと金融機関のサイト間でのデータ連携には対応していない

米インテュイット社のスコット・クック(Scott D. Cook)会長
米インテュイット社のスコット・クック(Scott D. Cook)会長



製品発表会には米国本社からスコット・クック(Scott D. Cook)会長も出席した。クック氏によれば、'99年度('98年8月~'99年7月)の総売上は8億5000万ドル(約935億円)で、売上に対する利益率は14.2パーセント。売上成長率は'97年度および'98年度の2倍以上となったという。また、同社のインターネット関連の事業の総売り上げが前年度比57パーセント増となったことから、「インターネットがビジネスを変えると確信している」と強調。転じてインターネットにリンクする機能を持つ『QuickBooks』の優位性を語った。

同社の発表によると、『QuickBooks』は、米国内で270万の企業が採用し市場の85パーセントを占有するという。なお、国内における売り上げ目標については、『QuickBooks Pro 2』『QuickBooks 2』合わせて数万本とだけ発表されている。なお『弥生 Pro』シリーズの売上目標については、金額、本数ベースとも非公表という。

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