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コンパック、ウェブのキャッシングに特化した専用サーバーを発表

1999年09月01日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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コンパックコンピュータ(株)は、ノベル(株)のインターネットキャッシング専用ソフトウェア『Internet Caching System(ICS)』を採用した、ウェブキャッシング専用サーバー『Compaq TaskSmart Cシリーズ』を発表した。TaskSmartは規模に応じて3モデルが用意され、価格は『TaskSmart C1200R』が165万円、『TaskSmart C1500R』が220万円、『TaskSmart C2000R』が390万円。出荷は9月下旬の予定。

『Compaq TaskSmart C1500R』
『Compaq TaskSmart C1500R』



なお、TaskSmart Cシリーズのベースとなっているのは、同社のエンタープライズ向けサーバーシリーズである『Proliant(プロライアント)シリーズ』で、保守性や堅牢性、信頼性についてはProliantと同等という。設定についてはウェブブラウザーと、コンパックのサーバー管理ユーティリティーソフト『Compaq Insight マネージャ』によって行なう。TaskSmart Cシリーズ自体のIPアドレス、DNS、ゲートウェイといった、最低限の設定だけで済むという。

ネットワークを通じてウェブブラウザーにより設定ができる
ネットワークを通じてウェブブラウザーにより設定ができる


TaskSmartに搭載されたウェブキャッシングソフトICSは、ノベルが開発し、2月に米国で発表した製品。ICS自体がOSとして動作し、COS(Cache Object Store)と呼ぶファイル管理システムを持つ。COSは、HTMLドキュメントの読み書きに特化したディスク管理システムを採用し、同社の“NetWare”ファイルシステムとはまったく異なるもの。画像ファイルなども含んだHTMLファイル全体をオブジェクトとして格納することで、キャッシュ効率を向上させ、従来の個々のファイル単位のキャッシュに比べ5~20数倍のパフォーマンスを発揮するという。

コンパックコンピュータ、製品統括本部エンタープライズ製品本部の畠中有道本部長
コンパックコンピュータ、製品統括本部エンタープライズ製品本部の畠中有道本部長


ICSは、将来にはノベルのNDS(Novell Directory Service)に対応し、ディレクトリ対応機能も付加される予定という。ICSの販売においては、ノベルが直接行なうことはなく、すべて今回のコンパックのようなOEMパートナーから、アプライアンスサーバーの形で提供される。ICS搭載製品は、日本ではTaskSmart Cシリーズが最初のものとなるが、なぜコンパックから最初に提供されるかということについては、「コンパックはノベルにとって、(日本でも世界でも)ナンバーワンプライオリティーのパートナー」(ノベルの鈴木本部長)であるからという。

ノベル、マーケティング本部の鈴木正美本部長
ノベル、マーケティング本部の鈴木正美本部長



コンパックでは、このTaskSmart Cシリーズを、特定のアプリケーション用に機能を絞った単機能システムである“アプライアンス(専用)サーバー”市場参入の第1弾製品と位置付けている。今後、アプライアンスサーバーに求められるポイントとして、高い信頼性とシンプルな設定/管理、操作のしやすさなどを挙げ、eBusinessマーケットの要求に応えた製品群を提供するという。今回のウェブキャッシングのほかに、データベースやERPなどのアプライアンスサーバーも計画しているというが、具体的な製品リリース時期については、「来年になる」ということだった。また、どういった製品がリリースされるかは明らかにされなかった。

ウェブキャッシングソフト(サーバー)市場については、「2002年に世界で2000億~4000億円規模の市場となると言われているが、そのうち日本は8分の1から6分の1を占める大きな市場になる」(鈴木氏)と述べ、日本市場でのICSの伸びに期待を見せた。なお、日本が世界でも大きな割合を占める理由は「通信回線料金が(諸外国より)高いため」ということだった。

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