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富士通とオリコなど、合弁でクレジット関連システムのアウトソーシングサービス会社を設立

1999年09月01日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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富士通(株)と(株)オリエントコーポレーション(オリコ)など7社*は、合弁でグローバルフォーカス(仮称)株式会社を設立すると発表した。グローバルフォーカスは、2001年のクレジット業務自由化を前に、オリコの競争力強化を目的に基幹系システムの開発/運用/保守を担当する。また、オリコのシステムをベースに、他社のリテール分野におけるクレジット関連システムのアウトソーシングも請け負う。

設立は9月20日で、10月1日に業務を開始する予定。資本金は3億円で、出資比率は富士通が35.5パーセント、オリコ14.5パーセント、その他の5社が各10パーセントとなっている。従業員数は140名程度を予定している。

*ほかの5社は、富士通エフ・アイ・ピー(株)、(株)第一勧銀情報システム、さくら情報システム(株)、(株)シーアールシー総合研究所、日本自動化開発(株)。これらは富士通同様、オリコのシステム構築におけるパートナー企業だった。

富士通社長の秋草直之氏(左)と、オリエントコーポレーション社長の金井久兮(ひさし)氏(右)
富士通社長の秋草直之氏(左)と、オリエントコーポレーション社長の金井久兮(ひさし)氏(右)



グローバルフォーカスに最大の出資を行なう富士通は、オリコのシステム開発を約10年に渡って担当してきた。今回グローバルスタンダードを設立することで、富士通が持つインターネットなどのIT技術と、オリコのアプリケーション資産などシステム資産を結集するという。金融ビッグバンの進行にあわせ、クレジットサービスの24時間365日化や、インターネット上でのサービス含む新規システムの開発や運営を、短期かつ低コストで実現するとしている。

また、グローバルフォーカスでは、インターネット上での電子決済や電子認証といったクレジットシステムの開発も行なう。富士通の秋草氏は、同社が11月にスタートするインターネット総合サービス“@nifty”での決済サービスの1つとして、オリコのクレジットサービスと連携したシステムを採用する予定だと語った。なお、詳細については未定としている。

:オリコの100%子会社として昨年4月にスタートした(株)システムオリコは、クライアントサーバー環境の整備など、オリコの情報系システムを担当する。グローバルフォーカスは、データウェアハウスの構築や売り上げ勘定システムなど、オリコの基幹系システムを担当するという違いがある。

グローバルフォーカスではもう1つの業務の核として、オリコ向けに開発したシステム資産を活かし、他社のクレジットシステム開発を受託することが挙げられる。オリコ社長の金井久兮氏は、オリコのシステムを競合他社のシステムに応用させることについて、「システムはあくまでツール。その運営手法によってアウトプットは異なり、オリコが競合に負けるということには繋がらない」と語った。また、富士通の秋草氏は、「特定の企業に対して情報システムを設計するという考えは、数年先には古典的なものになるだろう」と語っている。

グローバルフォーカスの目標売上高は、'99年度(2000年3月まで)が約25億円。2000年度から2004年度の3年間で累計410億円を目指すという。

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