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日興ビーンズ証券、オンライン証券取引サービスを10月1日に開始

1999年09月01日 00時00分更新

文● 編集部 堀田ハルナ

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日興ビーンズ証券(株)は、8月31日、オンライン証券取引サービスを10月1日に開始すると発表した。5月に設立された同社は、日興證券(株)が51パーセントの株を保持する会社で、日興證券の個人向け営業のオンライントレード業務を特化して扱う。なお、日興グループは、法人対象の業務を担当する日興ソロモン・スミス・バーニー証券会社を設立、3月に営業を開始している。

同社説明会の模様
同社説明会の模様



同社の資本金は25億円、9月には100億円に増資する予定という。株主は、日興證券のほか、シティグループ、日本生命保険相互会社 、三井信託銀行(株)をはじめとする数社が決定している。

取締役会長に、日興證券常務取締役の有村純一氏(非常勤)、代表取締役社長に須田則雄氏、代表取締役に桑島正治日興證券執行役員(非常勤)が就任、米アドバイザーテック社CEOのTimothy McCarthy(ティモシー・マッカーシー)氏が非常勤取締役となる。

取締役に就任したティモシー・マッカーシー氏</pic>
取締役に就任したティモシー・マッカーシー氏&lt;/pic&gt;



日興ビーンズ証券では、上場銘柄、店頭登録銘柄のほか、マーケット・メイク銘柄(証券会社が常に売りと買いの気配値を提示し、値付け義務を負い、投資家がその気配値で売買できる銘柄)をオンラインで取り扱うほか、88本の投資信託、生保・損保商品を販売する。

取引に際しては、約100人のオペレーターが受け付ける電話取引も可能。オペレーターが対応する電話での受付時間は午前8時から午後8時までである。インターネット、自動応答の電話での売買であれば午前5時から翌3時まで利用できる。現状では信用取引はできないが、来年度以降確実なシステム管理が可能になった時点で検討するという。

ユーザーは、同社のホームページにアクセスし、口座番号とパスワードを入力して取引を行なう。セキュリティ向上のために、128ビットSSLの最新の暗号化プロトコルを採用し、最終アクセス時間をログイン時に表示するので、“なりすまし”などの犯罪行為を防ぐことができる。ウェブ画面では、毎日基準価格情報が更新され、リアルタイムでの売却が可能である。口座残高や手数料も画面上で確認でき、国内投信評価機関による格付け情報や、系列の日興ソロモン・スミス・バーニーによる情報も提供される。

業務内容を説明する代表取締役社長須田則雄氏
業務内容を説明する代表取締役社長須田則雄氏



手数料は、預かり資産連動型で、預ける資産が増えるほど手数料が低くなる仕組みだ。預かり資産が100万円未満であれば、手数料は売買代金の0.48パーセント、1億円以上の場合は0.18パーセントとなる。

このほかに、“株価お知らせ君”というサービスが利用できる。これは、あらかじめ銘柄と株価を登録しておくと、登録した価格に達した時点で、顧客にメールで連絡するというサービスだ。NTTドコモのiモードに対応しているので外出先でも利用が可能である。ポイントサービスも用意されており、株式や投資信託の購入10万円ごとにポイントが付与され、これを株式手数料に当てることができる。

また、初心者が手軽にオンライン証券取引を利用できるように、デルコンピュータ(株)、富士通サポートアンドサービス(株)、日本電気(株)、と提携し、個人投資家向けのパソコンを販売する。これらのパソコンを購入すると、自宅への設置からインターネットの接続までサポートされるほか、パソコンや同社のウェブサイトの基本操作の個別講習が受けられる。

デルより発売されるのは“日興ビーンズPC”で、これは同社の『OptiPlex GX100 400S』を特別にカスタマイズしたもので、『省スペース・スリムシャーシ』が採用されている。24時間年中無休、電話でで対応する専用サポートデスクが準備されている。価格は17万5800円(モニターは別売)。NECは、同社の『バリュースター』を『オンライントレードパック』に組みこむほか、専用ヘルプデスクを設置する。価格は20数万円である。

デル、富士通は9月1日、NECは9月27日に販売を開始する。

同社では、今年度末までに3万口座、来年度で10万口座の獲得を目指している。説明に立った日興證券専務取締役山元高士氏は、投資家の需要が完全に読める段階ではないので、長期的にとらえ、はじめの3年は赤字を覚悟し、4年目以降に赤字を一掃したいと語った。

新会社の営業によって、母体である日興證券の業務が縮小するのでは、という質問に対して、マッカーシー氏は「ネット上ではなく、個人でアドバイスを求める投資家はまだなお多く存在する」とオンライン取引との住み分けを強調した。

マッカーシー氏は、5年後には証券取引全体の約4分の1がネット上での取引になると見ており、今後のオンライン証券取引の可能性を強調した。

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