ヤマハ(株)は31日、9月から年末にかけての同社のウェブコンテンツ戦略ついて、メディアを集めてブリーフィングをおこなった。同社はこれまでもMIDIデータの配信やソフトウェアシンセサイザーなどのアプリケーションの配布、ミュージシャン・坂本龍一のライブ中継など、インターネット上でのコンテンツ展開に積極的に関わってきたが、今回の発表は、より幅広いユーザー層にアピールすることを狙いとしている。
ブリーフィングは、東京渋谷にあるヤマハのコミュニケーションスペース『ART』で行われた |
今回発表されたのは、オンラインショップ“らふれーず”のオープン、音楽配信ソフト『MidRadio』正規版の配布とデータ販売の開始、デスクトップマスコット『ミディキャラ
for XG』の配布開始、マルチメディアメールサービス“MidMail”のクリスマス・年末スペシャルサービスの告知4点。
リニューアルオープンしたオンラインショップ“らふれーず”、ただし商品の購入はぷらら会員のみ |
ヤマハXGショップ“らふれーず”は、同社とNTTなどが共同運営するプロバイダー・Grホームネット“ぷらら”上で展開するオンラインショップ。これまでにも同社が提供するソフトウェアシンセサイザーや各種アプリケーション、MIDIデータやカラオケ用MIDIデータを販売してきたが、ページ構成や名称を一新、完全リニューアルを受けて新規にオープンしたもの。
商品の販売だけでなく、MIDIやXGなどコンピューターミュージック関連の用語解説や入門指南などの情報提供も行なう。ちなみにMIDIデータは6000曲以上をストックし、1曲200円。ただし商品の購入は課金システムの関係上、ぷらら会員のみに限定される。閲覧だけなら会員以外でも可能だ。URLはhttp://www.yamaha.tky.plala.or.jp/yamaha/
index.htm。
正規版MidRadio。データ名の一覧をMidRadio上から選択できるようになった |
MidRadioは、インターネット上でMIDIデータやオーディオサウンドなどのコンテンツを配信するためのシステム。すでに6月に公開されており受信ソフトのベータ版が公開されていたが、このたび正規バージョンの無料公開が始まった。
現時点では回線スピードが遅いことからMIDIデータの販売だけにとどまっているが、機能的には高品質圧縮アルゴリズムTwinVQを使ったオーディオ配信も可能だ。こちらもデータは6000曲を揃えている。楽曲の選択をMidRadio単体で行なえるなど、操作性が向上しているほか、視聴用データを一括受信する機能も備えている。これはオフラインでも視聴ができるよう、視聴用データをユーザーのローカルマシンにキャッシングする機能で、長時間の接続が不要なよう考慮したもの。ただし、現行のネット著作権管理ルールではストリーミングとダウンロードでは著作権料の発生利率が異なることもあって、キャッシュ後72時間で自動的にデータが消去される仕組みになっている。
MidRadioのダウンロードおよびMIDIデータの購入ができる『Online Music Initiative』のページ |
決済方法はNTTが開発した認証・課金システム“BISKETS”。クレジットカードやプリペイドチェックで決済する。将来的には透かしデータを入れた権利管理も視野に入れている。MidRadioのダウンロードおよびMIDIデータの購入はhttp://www.i-market.gr.jp/music/。MacOS版は10月ごろリリースの予定。
キャラクターがMIDIデータの再生に合わせて踊るミディキャラ |
『ミディキャラ for XG』は、MIDIデータの再生にあわせて“らふれーず”のショップキャラクター『あるぱ』がダンスをするデスクトップマスコット。MIDIデータのテンポ情報にシンクロして踊る。11月31日までの使用期限付き試用版のダウンロードはhttp://www.xg.yamaha.co.jp/kamodx/index.htmlにて行なえる。MacOS版も近日公開予定だ。
MidMailは、ウェブブラウザーでXG MIDIデータの再生を可能にするプラグインソフト『MIDPLUG
for XG』とメーラー、ウェブブラウザーを組み合わせて、グラフィックスとサウンドを付加した電子メールを送ることができる無料のマルチメディアメールサービス。12月1日からは“クリスマス・年末スペシャル”として新たにデータが追加される予定だ。URLはhttp://
www.cyber-bp.or.jp/yamaha/midmail_j。
なお、今回紹介したソフトウェアは紹介したURLでダウンロード可能なほか、10月以降のパソコン雑誌の付録CD-ROMなどにも収録される予定だ。