31日から9月2日まで、東京品川のコクヨホールで“IT-World:CRMソリューション・フォーラム”が開催されている。このフォーラムでは、会社経営者やセールス、マーケティング担当者、ウェブ・デザイナーなどを対象に、米IntelligentSolutions社のシニアプリンスパルのJeff Gentry(ジェフ・ジェントリー)氏や、ロータス(株)代表取締役社長安田誠氏ら、業界の第一人者によるセミナーが行なわれる。
このセミナーは、米国でセミナーや研修を主催するDCIのノウハウを利用し、(株)エキスポ・ライブラリーによって開催された。DCIの米国でのセミナーには年間約40万人が登録しているという。受講料は各日4万円(昼食付き)。
CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)とは、個々の顧客に合わせてサービスを提供するための情報・経営システムのことで、CRMの本格的な会合が開かれるのは日本初という。今回のフォーラムでは、3日間にわたり、13人の講師によってセミナーが行なわれる。
米IntelligentSolutions社シニアプリンスパルのJeff Gentry氏 |
初日の基調講演として壇上に上がったJeff Gentry氏は、“2000年のビジネス展望/チャンスと躍進の時”と題して、米国の例を上げながら今後ビジネスに必要とされるCRMについて語った。
講演中、同氏は何度も「顧客」という言葉を用い、今後のビジネスにおいて、顧客にどう対処するかが最重用課題となると強調した。名前は明らかにできないとのことだったが、米国の某銀行の例を挙げて、企業と顧客の関係が変容を迫られる時期に来ていると述べた。
この銀行では、利益を上げていない顧客の当座預金手数料を引き上げ、顧客を淘汰したことで、利益を上げたというのである。そのほか、Amazon.comや、AmericanExpressの例を取り、自社の製品が何であるかより、顧客の求めるものは何かを考えたサービスのあり方が必要であるとした。
また同氏は、今後の展望として、「インターネット上では、1つの企業が多くのサービスを顧客に提供している。さまざまな電子商取引が盛んになる中で、顧客は、固定したポータルサイトから色々な製品を手に入れることになる。つまり顧客と関わる企業の数は減少するだろう。インターネットビジネスとそれ以外のビジネスの相乗りは今後一層増え、実際の店舗を持つ企業が、店舗を持たない企業と手を結ぶ事になるだろう」と述べた。