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白熱したロボットバトル!――かわさきロボット競技大会が開催

1999年08月30日 00時00分更新

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“第6回かわさきロボット競技大会”が、28、29日の両日、神奈川県川崎市の川崎産業振興会館で開催された。この競技会は、ロボットの製作を通じて技術者の育成や技術力の向上を図ることを目的に開催されているもので、(財)産業振興財団や川崎市、東京電力(株)が主催するほか、富士通(株)や日本電気(株)など同市に籍を置くメーカーをはじめとする多くの企業が協賛している。今年で6回目。実機ロボットによるバトルロボットトーナメントに159チームが参加した。なお、この競技会は2001年に開催が予定されている科学技術に関する国際イベント“ロボフェスタ”の公認競技に指定されている。

バトルロボットトーナメントは、ラジコン型ロボットによる格闘競技。ロボットは腕と脚の役割を果たす機構を備えたもので、25×35cmの枠内におさまるサイズ(可動・展開する腕構造は折りたたんだ状態)、重さは3500gまで。市販のプロポとサーボを使った3チャンネルのラジオコントロール装置で制御する。また、モーターやギアボックスは主催者から提供されるものを使用する。以上が主なレギュレーションで、形状や機構はもちろん自由だ。リングは1辺が180cmの正方形のフィールドをロープで囲み、複数のデコボコ(丘陵)をつけたものを使用。試合時間は3分1ラウンドで、予選は1ラウンド、決勝トーナメントは3ラウンドで対戦する。勝負は相手を倒すか、ロープに5秒間押さえ込むと1本。このほかロープに押しつけた場合などに“有効”が与えられる(有効2つで1本)。

競技会会場。2つのリングが常設され競技が行なわれた。試合の様子はインターネットでも中継された
競技会会場。2つのリングが常設され競技が行なわれた。試合の様子はインターネットでも中継された



珍しい二足歩行の『56式メカトロ三等兵63型丙』。腕部分が左右にスライドしてバランスを取ることができる。特別選抜機
珍しい二足歩行の『56式メカトロ三等兵63型丙』。腕部分が左右にスライドしてバランスを取ることができる。特別選抜機





前方に展開する腕を持つ『JUMBO2号』。相手を挟み込む。特別選抜機
前方に展開する腕を持つ『JUMBO2号』。相手を挟み込む。特別選抜機



ロボットに要求される能力は、リング内の丘陵を乗り越えかつ安定して移動できる移動力、相手に押し負けしない駆動力、相手を倒したり持ち上げるような攻撃力(武器となる腕構造)など。これに加え、操縦者のテクニックも重要視される。

今大会では159チームで予選を行ない、32チームが決勝トーナメントに進出した。決勝戦は同じ職場から参加の常連2チーム。2連覇を狙う“たんぽぽチーム”と“カトレアチーム”は、同じコンセプトもとで開発された姉妹機。微妙に形状は異なるが、外観はほぼ同じロボットの対戦になった。双方試合中に機体が壊れる(5分間の修理時間が認められている)激しい戦いの結果、“たんぽぽチーム”が2連覇を果たし、観客から盛大な拍手を浴びていた。なお、賞金総額は250万円、優勝者には現金40万円と副賞などが贈られるほか、協賛企業賞も数多く用意されている。

特別選抜された『クワ型ロボット』。形状をマネしたほか、ツノ部分が展開して相手を挟み込む
特別選抜された『クワ型ロボット』。形状をマネしたほか、ツノ部分が展開して相手を挟み込む



ニ足歩行型の『アニメイダーV』。巨大な右手でチョップ攻撃を行う。代表者は代々木アニメーション学院の柳さん。特別選抜機
ニ足歩行型の『アニメイダーV』。巨大な右手でチョップ攻撃を行う。代表者は代々木アニメーション学院の柳さん。特別選抜機



特別選抜機によるエキシビションマッチ。4機によるバトルロイヤル戦
特別選抜機によるエキシビションマッチ。4機によるバトルロイヤル戦



二足歩行型同士によるエキビジジョンマッチ。アニメイダーVのチョップが炸裂した(笑)。会場は大きく沸いた
二足歩行型同士によるエキビジジョンマッチ。アニメイダーVのチョップが炸裂した(笑)。会場は大きく沸いた



会場には出場者のほか、多くの観客が詰めかけていた
会場には出場者のほか、多くの観客が詰めかけていた



決勝トーナメントのほか、ユニークな機構や形状のロボットが特別選抜され、エキシビションとしてバトルロイヤルも行なわれた。これらのロボットについては写真を参照してほしい。

準決勝。『たんぽぽ』(右)と『ミカドロイド2659』(左)が対戦した
準決勝。『たんぽぽ』(右)と『ミカドロイド2659』(左)が対戦した



もうひとつの準決勝。『カトレア』(左)と『ROCKY2』の対戦
もうひとつの準決勝。『カトレア』(左)と『ROCKY2』の対戦



姉妹機による決勝戦。手前がたんぽぽ機、奥がカトレア機。脚構造、腕構造がほぼ同じ
姉妹機による決勝戦。手前がたんぽぽ機、奥がカトレア機。脚構造、腕構造がほぼ同じ



同じく決勝戦。長いアームの間にはチェーン駆動で回転する第3のアームがあり、相手を攻撃する
同じく決勝戦。長いアームの間にはチェーン駆動で回転する第3のアームがあり、相手を攻撃する



優勝の表彰を受けるたんぽぽチームの面々
優勝の表彰を受けるたんぽぽチームの面々



また、この第6回から、日常生活であればいいと思うロボットや役にたつロボットについて、絵と文章で応募するロボットアイディアコンテスト部門が新設された。小学生から社会人まで約500作品の応募があり、会場で展示されていた。

今回から始まったアイディアロボットコンテストの応募作品の展示。小学生の参加が多かった
今回から始まったアイディアロボットコンテストの応募作品の展示。小学生の参加が多かった



金賞を受賞した斉藤仁君の『案内ロボット』。お年寄りや障害を持つ人を意識したもの金賞を受賞した斉藤仁君の『案内ロボット』。お年寄りや障害を持つ人を意識したもの



表彰式でインタビューを受けるアイディアコンテスト部門金賞の斉藤君
表彰式でインタビューを受けるアイディアコンテスト部門金賞の斉藤君



浅野純一

かわさきロボット競技大会
http://www.kawasaki-net.ne.jp/topix/robo/
robo99/index.htm

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