このページの本文へ

オートデスク、3Dデザイン&プレゼンテーションツール『3D Studio VIZ R3』を発表--『AutoCAD 2000』シリーズとの相互運用性を強化

1999年08月24日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

オートデスク(株)は、3Dデザイン・プレゼンテーションツール『3D Studio VIZ R3』(以下VIZ R3)を発表した。これは、建築家やエンジニア、インテリアデザイナーなどをターゲットとし、建築物や機械のコンセプトデザインを行なったり、デザイン画のプレゼンテーションを行なったりするためのソフト。建築物や機械などのデザイン画の作製から、オブジェクトの3次元モデリング、静止画やアニメーションによるプレゼンテーションが行なえる。作図やプレゼンテーションでは、『AutoCAD 2000』など同社のCADソフトで作成した2次元/3次元CADのデータフォーマットである“DWG”形式のファイルを利用できる。

『3D Studio VIZ R3』製品パッケージ  『3D Studio VIZ R3』製品パッケージ


『Auto CAD』ファミリーとの連携

今回、『VIZ R3』とDWGファイルの相互編集・運用が可能として同社が発表しているソフトは、『AutoCAD 2000』『AutoCAD LT 2000』『AutoCAD Architectural Desktop』『Autodesk Mechanical Desktop』『AutoCAD Map』の5製品。『VIZ R3』の“DWG-Linking”機能を用いることで、DWGファイルの読み出し・書き込みが可能となっている。

『3D Studio VIZ R3』の編集画面例。画面左に『AutoCAD 2000』の編集ウインドーが表示されている
『3D Studio VIZ R3』の編集画面例。画面左に『AutoCAD 2000』の編集ウインドーが表示されている


“DWG-Linking”機能が強化されたことにより『AutoCAD 2000』で設定した図面の画層(レイヤー)情報、オブェクトのプロパティ情報、外部参照(xRef)、AutoCAD Color Index(色情報)を、『VIZ R3』で編集できる。その場合、レイヤー情報やプロパティ情報は、ファイルの取り込み時にどの部分の編集を『VIZ R3』で行なうかを任意に設定できる。また、代替オブジェクト機能により、『AutoCAD』で2次元の状態で編集を行なったオブジェクトを、『VIZ R3』の編集画面上で3次元のオブジェクトに変換して表示できる。この場合、オブジェクトの移動など『VIZ R3』で再編集した状態を、『Auto CAD』に反映させることも可能。

『Autodesk Mechanical Desktop』との連携に関して新しく追加された機能は“インバースキネマティクス機能”で、これを用いることで、アセンブリ(機械部品の組み立て図)に動作を指定しアニメーション制作が行なえる。また、IGESファイル(米標準化団体が決定したCADシステム間の標準インターフェイス仕様、拡張子はIGS)をサポートし、『Autodesk Mechanical Desktop』のNURBS(Non Uniform Rational B-Spline:ポリゴンの表面をなめらかに見せる機能)を使って作成したデータを、プレゼンテーション中のアニメーションで利用できる。

『AutoCAD Map』との連携については、地理参照データをサポートし、GeoTIFFファイル(TIFFフォーマットに地理情報を付加したもの)の自動配置が可能になった。今秋に国内版が初出荷されることになるオブジェクト指向建築3次元CADソフト『AutoCAD Architectural Desktop』との連携については、同ソフトで制作したオブジェクトを『VIZ R3』で再編集し、再び変換して書き出すことが可能になった。

デザイン・プレゼンテーション機能

『VIZ R3』を用いたプレゼンテーション画面例
『VIZ R3』を用いたプレゼンテーション画面例


『VIZ R3』のデザイン機能に関しては、オブジェクトの配置時にカーソルにあわせて自動的にグリッドを調整するAutoGrid機能、オブジェクトの削除や追加の際のブーリアン演算を1ステップで行なうModelling Context機能、自動的に形状を閉じるAutoClose機能、オブジェクトの自動高さ調節機能などが追加された。また作図環境として、一つの線分を描画する場合に予め角度を入力することで終点のカーソル位置を指定できるOrtho/Polar Snap(極スナップ機能)が追加された。ユーザーインターフェースのカスタマイズも可能。

プレゼンテーション用の機能としては、太陽光などの表現に光の波紋などレンズ効果を加えるレンダーエフェクト、隠線処理レンダリング機能が追加された。また、レンダリング結果に対し、社名や著作者名などのウォーターマークを付与できるようになった。作図画面とレンダリングイメージは、『VIZ R3』から直接印刷できる。

また、家具メーカーなどのホームページと連携し、ウェブブラウザーから家具の3次元モデルのデータや、壁紙や石材のテクスチャーをドラッグ&ドロップで『VIZ R3』にデータを読み込むことができる“VIZable!”サービスを近日中に開始する予定。サービスの詳細やリンク先は、米オートデスク社のサイト内で近日公開される。日本でのサービス開始時期は未定。

『VIZ R3』の対応OSは、Windows 98/NT 4.0。価格は29万8000円で、教育機関を対象としたエデュケーションパックは9万8000円。
『VIZ R3』の販売目標は、年間1万本。同社は、9月下旬に『AutoCAD Architectual Desktop』の国内出荷の開始を控えており、記者発表会では、『VIZ R3』とDWGファイルの相互運用が可能な『AutoCAD』ファミリー製品の充実が強調された。

志賀徹也社長
志賀徹也社長


なお、『AutoCAD 2000』との統合パック『AutoCAD 2000 VIZ3+』と、『AutoCAD Architectual Desktop』との統合パックである『AutoCAD Architectual Desktop R2 VIZ3+』も同時に発表された。ともに11月販売開始予定で、価格は『AutoCAD 2000 VIZ3+』が76万8000円、『AutoCAD Architectual Desktop R2 VIZ3+』の価格は86万8000円。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン