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インプライズ、統合環境を備えた開発ツール『Borland Delphi 5』日本語版を発表

1999年08月17日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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インプライズ(株)は、Object Pascalコンパイラーを搭載した、統合環境を備えたWindowsプラットフォーム用開発ツール『Borland Delphi 5』日本語版を、9月22日に出荷開始すると発表した。Borland Delphi 5には3つの製品形態があり、プログラミングの学習などを目的とした初心者向けの『Borland Delphi 5 Learning』が2万円、データベースアプリケーションの開発も可能な『Borland Delphi 5 Professional』が6万8000円、さらに分散システムやインターネットアプリケーションが開発できる『Borland Delphi 5 Enterprise』が36万円となっている。

Borland Delphi 5が、従来の『Borland Delphi 4』と比較して強化された主な点は以下のとおり。

・インターネット対応アプリケーション開発
    多層分散アプリケーション構築を可能とするコンポーネント“MIDAS”(Multi-tier Destributed Application Service Suite)を機能拡張し、新たに追加されたツール“Internet Express”と組み合わせることで、XMLやHTML4.0を使ったウェブサーバーアプリケーションを開発可能。

・データベースアプリケーション開発
    ADO(ActiveX Data Object)データセットにアクセスできる“ADO Express”、およびインプライズのリレーショナルデータベース『InterBase』を直接コントロール可能な“InterBase Express”が提供される。

・エンタープライズ開発
    ソースコート管理や、バージョン管理を行ない、企業内の開発部隊を支援するツール“TeamSource”の提供。

また同社は(株)インフォネット開発と業務提携し、『Visual Basic』からBorland Delphiへの移行を支援するトレーニングコース『VBプログラマーのためのDelphi講座』(2日間で3万5000円)を9月27日以降順次開始する。さらに、9月7日より開催される“World PC Expo”に併設して9月7日に“Delphi Day”を開き、Delphi 5の機能や活用事例などを紹介するという。

インプライズの大木社長
インプライズの大木社長



発表にあたって挨拶に立った、インプライズの代表取締役社長の大木博氏は、「Delphiは'95年のリリース直後から、個人開発者からの絶大な支持を受け、さらにそこから企業の開発者の方の指示につながった」、「Delphiは世界の累計で100万ライセンス以上、日本でも4万ライセンス以上を販売している」、「これはDelphiの開発効率のよさと、生成されたプログラムのパフォーマンスの良さが評価されたもの」と述べ、Delphiへの自信を覗かせるとともに「今後もRAD(Rapid Application Development)の中心製品としてどんどん機能強化を図っていきたい」と、積極的な製品開発を続けることを明らかにした。

米インプライズ、ワールドワイドセールス担当シニアバイスプレジデントのジョン・フロイサンド氏
米インプライズ、ワールドワイドセールス担当シニアバイスプレジデントのジョン・フロイサンド氏



つづいて、米インプライズのワールドワイドセールス担当シニアバイスプレジデント、ジョン・フロイサンド(John Floisand)氏が、製品戦略について説明を行なった。

インプライズが大切だと考えるする3つの柱として、“デヴェロッパー重視”、“製品出荷のタイミング”、“製品のクオリティーとサポート”を挙げた。また、製品のプラットフォームとしては特にいずれかのプラットフォームに注力するということは考えておらず、従来提供しているWindows 95、(リリースされれば)Windows 2000、Linux、Solaris、IBM AIX、HP-UXを今後ともサポートしていくと述べた。

Delphi 5については、「XMLおよびHTML4.0をサポートしたことが重要で、大きな躍進を飛べることができる製品だと考えている」と期待の大きさを示した。

さらにフロイサンド氏は、今年後半からの同社の製品予定を明らかにした。それによると、『VisiBroker for Linux』(第3四半期)、『VisiBroker 4.0』(第4四半期)、『Inprise Application Server 4.0](第4四半期)、『JBuilder for Solaris』(第4四半期)、『JBuilder for Linux』(第4四半期ないし2000年第1四半期)、『C++Builder 5』(2000年第1四半期)と、積極的な製品のリリースが行なわれるようだ。、また、DelphiのLinux版へのリリース予定については、「非常に多くの開発者からの要求がある」としながらも、「現状で時期を公開できるデータは持っていない」と、リリース時期については明らかにしなかった。

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