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【夏季特別企画 Windows編 Vol.2】「Windows 2000 β3は極めて快調、うちのいろいろなマシンで動いているよ」

1999年08月17日 00時00分更新

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夏季特別企画Windows編第1回では、現在Windows 2000 β3を使ってバリバリ執筆活動を行なっておられるライターの本田雅一氏に、Windowsのこれまでの流れとWindows 2000の位置付けを語ってもらった。第2回となる今回は、実際にWindows 2000を使った感想についてうかがった。


Windows 2000はWindows 98とほとんど変わらない?

本誌編集部「本田さんは、現在メーンマシンでWindows 2000 β3をお使いだそうですが、実際に利用されていてどうですか?」

本田「Windows 2000自体は極めて快調ですよ」

本誌編集部「β2からβ3にアップされたんですよね?」

本田「β2が提供されたのは昨年でしたが、当時はまだWindows 2000ではなかったですし、当然β版ですから、不具合はたくさんありましたね。β3になって、不具合の修正や、機能の実装の度合いも含めて、すごく進んでます」

本誌編集部「使い勝手という意味では、どんな感じですか」

本田「使い勝手というのは、そんなに急激に変わったら、逆によくないと思うんですよね。だからWindows 98とWindows 2000はすごく似ているというのが正しいんじゃないですか。ただ、1つひとつの機能、例えばダイヤルアップネットワークの設定がより細かくなっていたりとか、スタートメニューでコントロールパネルの中身が表示できるようになったとか、サーチ機能がすごく充実しているとか、個々の機能でよくなっている部分はたくさんあります。ただ、どれもWindows 98が使えれば、そのまま使えるようにはなっていますよね」

本誌編集部「では、一般ユーザーがひと目見て大幅に変わったところというのは、まったくないんですか」

本田「そうですね。マイクロソフトは、Windows 2000ですごく操作性がよくなるって言ってるんですよね。例えば、ダイアログボックスファイルのオープンとか、ダイアログボックスがOffice 2000とほぼ同じようなデザインになっているとか、Windows 2000独自の機能はいくつかあります。

ただ、デモンストレーションなどでよく見せている、特にインターネットに関連した機能は、ほとんどがInternet Explorer 5.0の機能なんですね。『IE 5.0はWindows 2000にインテグレートされているから、IE 5.0の機能はイコールWindows 2000の機能なんだ』とマイクロソフトは言ってるんですけど(笑)」

本誌編集部「大きくは変わらないということですね(笑)」

ネットワークにログインしない限りログインパネルを出さない

本田「うん。あと、操作面で言うと、今までWindows NTとWindows 9xとで大きく違っていたのは、スタンドアロンで使っているのに、Windows NTでは必ずログインパネルが現れるとか、ログインユーザーに対する権利の設定をいちいちやらなきゃいけないといったところですね。スーパーユーザー、エンドユーザーといった概念て、やっぱり普通のパソコンユーザーにはわかりにくい。

Windows 2000では、そのあたりが改善されていて、ネットワークにログインしない限りログインパネルを出さないようになっているんですよ。ですからスタンドアロンでWindows 2000をインストールすると、Windows 98のようにログインパネルが表示されないで立ち上がります。さらに、立ち上がるときに、ユーザーがどういう権利を与えられるかということを、インストール時にウィザードで設定できるので、そこで普通に設定しておけば、あとはユーザー管理をする必要がない」

本誌編集部「マイクロソフトは、インストールが楽になると言ってますね」

本田「インストールが楽になったというのは、今までだとネットワークの設定などがいろいろ複雑だったのが、今回シンプルになっているというのがあると思う。でも、インストール後の使い勝手というのも、Windows 98に比べてすごくよくなってるというわけではないけど、Windows 98を操作していたときと同じレベルのスキルで十分使える。先程も言ったように、細かい部分で操作性がよくなっているわけだし」

本誌編集部「Windows 95からWindows 98にバージョンアップしたとき、見た目が大きく変わったわけではないけど、操作性や機能設定の細かい部分がいろいろ楽になりましたね。それと同じような感じですか」

本田「そうですね。各種の機能アップがされてるので、細かなところでよくなってますよ。操作をシンプルにしようとしてる努力のあとも見えますし。さっきダイヤルアップネットワークのことを言いましたけど、確かに機能アップもされてるんだけど、ダイヤルアップネットワークを作るときのウィザード自体もかなり高機能になりました。

例えば、ユーザー名とパスワードを入力するログインのパネルって必ず出てきますよね。パスワードをセーブしてても必ず問い合わせてくる。Windows 2000では、ウィザード画面で“パスワードをセーブする”と設定して、アイコンを作っておくと、ダイヤルアップの電話番号は表示されるけど、ユーザー名とパスワードは保存されているから出てこないんですよ。それで、OKボタンを押すとコネクトしちゃうんです。

もちろんこれはオプションで外すこともできるんだけど、ユーザーにいちいち問い合わせなくてもいいような項目はできる限り問い合わせないように、という方向の機能追加は、いろいろなところでされてるんじゃないかな」

本田雅一氏:8ビットパソコンの時代から、マイナー機種に愛を注ぎながら細々とパソコンを使っていたものの、オープンなハードウェア環境に憧れてIBM PC/AT互換機の世界に足を踏み入れる。それ以後、無謀にも専業フリーライターへと転職し、企業向け情報技術関連のニュース、動向などの記事を書きながら、個人向けデジタル製品にも手を出しつづけている本田雅一氏:8ビットパソコンの時代から、マイナー機種に愛を注ぎながら細々とパソコンを使っていたものの、オープンなハードウェア環境に憧れてIBM PC/AT互換機の世界に足を踏み入れる。それ以後、無謀にも専業フリーライターへと転職し、企業向け情報技術関連のニュース、動向などの記事を書きながら、個人向けデジタル製品にも手を出しつづけている



日本語版のダイアログはずんぐりむっくり?

本誌編集部「本田さんのWindows 2000 β3マシンは何ですか。自作ですか」

本田「1台は自作ですし、ほかにもいろいろなパソコンで動いてますよ。うちでWindows 2000が動かない、まったくインストールできないパソコンってないんですよね。ニュースグループ等で、中には動かないマシンもあるというのは聞いているけど、わが家ではまったく経験がない」

本誌編集部「問題ないと……」

本田「不具合はありますよ。ノートPCでサスペンド中に時計が進まないとか。だけどそれはβ版だからしょうがないですよね。そういうパソコンでは使わない」

本誌編集部「なるほど。OSのβ版を使うわけですから、それが1番無難ですね(笑)」

本田「とりあえず、USのβ3のテストプログラムが始まったときに、少なくともIBMと東芝は、Windows 2000に対応したBIOSやドライバーをインターネットで公開したので、そういうものを使えば確実に動きますよね。うちにIBMのThinkPad 570があるんですが、US版のβ3をインストールして、β3用のBIOSやトラックポイントのドライバー、機能設定用ユーティリティーなどを入れると、早い話、Windows 98とまったく変わらない環境になるんですよね。ドッキングステーションもホットプラグでバシバシ使えるし」

本誌編集部「英語版のβ3を入れてから、日本語版のβ3は入れられたんですか」

本田「ThinkPadには英語版しか入ってないですけど、どっちも同じですね。英語版と日本語版とで変わるところは、メニューなどのリソース情報や、初期設定値、そんなもんじゃないですか。基本的にWindows 2000はシングルバイナリなんで、英語版でも、日本語はもちろん各国語をサポートするための機能が入っています。日本語版でも、日本語のほかに、タイ語やアラビア語も使えるようになってますからね。メモリーの要求も大して変わらないし。英語版を使っていて不便なことって、まずないんじゃないかな。むしろ英語版のほうがね、デザインがすっきりしてきれいだったりする」

本誌編集部「え、そうなんですか? デザイン、違います?」

本田「デザインというよりも、ダイアログのサイズとかね。日本語版のダイアログなんかだと英語版に比べて横長になってたりするわけ。それはフォントの横幅が違うからしょうがないわけですけど」

本誌編集部「文字数も違ってきますしね」

本田「もともとは英語でデザインしているダイアログを日本語にしているわけだから、なんかちょっとずんぐりむっくりな感じになる(笑)。あと、スタートメニューがカタカナで“スタート”となってるけど、英語の“Start”のほうがかっこいいじゃない。まあ、どっちでもいいけど(笑)」

Windows 98とは違って、メモリーを増設すればするほど速くなる

本誌編集部「Windows 98からWindows 2000にすると、速く感じますか?」

本田「メモリーさえあれば。メモリーが128MB以上あれば、速く感じると思いますよ。Office製品やウェブブラウザーを使うだけなら、実際に数値を取ってみてもWindows 2000のほうが速いんじゃないですか。今のパソコンはもともと速いので、どのマシンを使っていても速いんですけど、なんか気持ちよく動きますよね。Windows NT 4.0よりはパフォーマンスが上がってると思いますよ」

本誌編集部「ビジネスユーザーの中には、NTは遅いと言う人が多いように思いますが」

本田「いや、NTもアプリケーションレベルでのベンチマークをやると、今は他のOSよりNTのほうが速いことが多いんですよ。32ビットアプリケーションでは。遅いのは、メモリーが少ないからじゃないですか」

本誌編集部「じゃあ、メモリーをガンガン増設すればいい(笑)」

本田「今メモリー安いじゃないですか。もうすぐRDRAMが出てきて高くなると思うんだけど。インテルのバカーっていうか(笑)。でもとりあえず今はメモリーが安い。Windows 98って、たくさんメモリーを搭載しても、速さは大して変わらないんですよね。NTの場合は、メモリーを入れれば入れた分だけパフォーマンスがよくなるから。まあ、それでも128MB以上あれば十分ですよ。128MBのメモリーは、今9000円ぐらいですからね」

製品版の出荷時期は来年?

本誌編集部「Windows 2000の製品版の出荷時期ですが……」

本田「マイクロソフトは、英語版は今年度出荷で、日本語版はその30日後という主張を繰り返してますね」

本誌編集部「ということは日本語版は来年の春?」

本田「どうでしょうね。実際に製造工程に回ってから、どれぐらいの時間で出荷されるのかな。そこらへんが読み切れないところがあるんだけど。まあ、1月か2月、少なくとも3月までには英語版が出るっていう感じじゃないかな」

本誌編集部「出たら売れますかね」

本田「それはわかんないですけどね(笑)」

(Vol.3に続く)

・【夏季特別企画 Windows編 Vol.1】「Windows 2000はWindows 98の後継ではない。技術的にはWindowsとUNIXぐらい違う」
  http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/1999/
0811/topi05.html

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